特別講演「リソゾーム病の治療法の最近の進歩」
特別講演「リソゾーム病の治療法の最近の進歩」
<特別講演>
「リソゾーム病の治療法の最近の進歩」
東京慈恵会医科大学 小児科講座 教授
衞藤 義勝 先生
リソゾーム病は細胞内のリソゾーム酵素の先天性の欠損により、神経症状、皮膚症状、肝臓、脾臓等の腫大、骨症状等多彩な臨床症状を呈する。本疾患には約40種以上の疾患が含まれ、最近まで有効な治療法が知られていなかつた。
現在これらの疾患の治療法として、
1)対症療法
2)骨髄移植
3)酵素補充療法
4)低分子化合物治療
5)細胞治療/遺伝子治療
などが知られている。特に本講演では ゴーシェ病、ファブリ病、先天性ムコ多糖症などの酵素補充療法の最近の進歩について解説すると共にリソゾーム病の多くは中枢神経を障害するためにこれら遺伝病の脳障害の治療法の開発研究をmesenchymal Stem Cell、Neural Stem Cellsにレトロウイルス、アデノウイルスベクターによる遺伝子治療を組み合わせ先天性ムコ多糖代謝異常症マウス或いはKrabbe病マウスの細胞治療/遺伝子治療を行い、中枢神経の蓄積、機能の回復が得られた。リソゾーム病の治療の将来展望を含め解説する。