脳神経機能形態学

基本情報

分子生体医学講座 脳神経機能形態学

代表者 近藤 誠教授

当研究室では、マウスやラットを用いて、記憶情動などの脳機能のメカニズムに関する研究や、脳神経疾患や精神疾患の病態・治療メカニズムに関する研究、運動が脳や身体にもたらす有益効果のメカニズムに関する研究を行っています。また、ゼブラフィッシュを用いた脳神経系の形態形成と機能のメカニズムに関する研究や、人体の構造の臨床解剖学的研究も行っています。脳神経科学や運動生体科学、発生生物学、人体解剖学と広範な分野にわたり研究を行っています。

学部や大学院における教育では、講義実習(解剖学、組織学など)や研究指導を担当しています。

sashikae_Prof.Kondo

 

場所
学舎 12階
連絡先
TEL:06-6645-3706 MAIL:mkondo@omu.ac.jp
HP

 

教育方針

学部教育

以下の科目を担当しています。

1年生:発生学(講義)
2年生:解剖学、組織学(講義実習)
3年生:医学研究推進コース3(研究指導)
1~6年生:MD-PhDコース(研究指導)

 

臨床教育(研修医の育成)

講義実習や研究指導を通して、将来の医学をリードする医師や研究者の育成に取り組んでいます。

研究指導

脳神経科学や運動生体科学、発生生物学、人体解剖学の研究分野において、分子生物学、組織形態学、細胞生物学、生化学、行動薬理学、光遺伝学、電気生理学など様々な研究手法を用いて、分子から個体レベルまでの幅広い研究展開を目指します。お互いに話し合い研究テーマを決め、文献検索、研究立案と計画、実験と解析の実施、論文執筆、学会発表などを通して、将来の医学をリードする研究者として一人前になれるよう指導します。修士課程、博士課程コースがあり、学位取得を目指し研究指導を行います。また、学部生を対象とする医学研究推進コースやMD-PhDコースでは、医学研究者の育成に努めます。当研究室が取り組む研究分野に関心があり、積極的に研究に参画したいという意欲のある方は、是非ともお気軽にご連絡(MAIL)ください。

研究について

概要

当研究室では、マウスやラットを用いて、記憶情動などの脳機能のメカニズムに関する研究や、脳神経疾患や精神疾患の病態・治療メカニズムに関する研究、運動が脳や身体にもたらす有益効果のメカニズムに関する研究を行っています。また、ゼブラフィッシュを用いた脳神経系の形態形成と機能のメカニズムに関する研究や、人体の構造の臨床解剖学的研究も行っています。脳神経科学や運動生体科学、発生生物学、人体解剖学と広範な分野にわたり研究を行っています。これらの研究分野において、分子生物学、組織形態学、細胞生物学、生化学、行動薬理学、光遺伝学、電気生理学など様々な研究手法を用いて、分子から個体レベルまでの幅広い研究を展開し、脳神経機能の解明や、脳神経疾患・精神疾患に対する新しい予防治療法の開発を目指しています。

教室を代表する業績

  • Kondo M, Takei Y, Hirokawa N. Motor protein KIF1A is essential for hippocampal synaptogenesis and learning enhancement in an enriched environment. Neuron, 73:743-57, 2012.
  • Kondo M, Nakamura Y, Ishida Y, Shimada S. The 5-HT3 receptor is essential for exercise-induced hippocampal neurogenesis and antidepressant effects. Mol Psychiatry, 20:1428-37, 2015.
  • Kondo M, Koyama Y, Nakamura Y, Shimada S. A novel 5HT3 receptor-IGF1 mechanism distinct from SSRI-induced antidepressant effects. Mol Psychiatry, 23:833-42, 2018.
  • Ohata K, Kondo M, Ozono Y, Hanada Y, Sato T, Inohara H, Shimada S. Cochlear protection against noise exposure requires serotonin type 3A receptor via the medial olivocochlear system. FASEB J, 35:e21486, 2021.
  • Deyama S, Kondo M, Shimada S, Kaneda K. IGF-1 release in the medial prefrontal cortex mediates the rapid and sustained antidepressant-like actions of ketamine. Transl Psychiatry, 12:178, 2022.
  • Kawai H, Bouchekioua Y, Nishitani N, Niitani K, Izumi S, Morishita H, Andoh C, Nagai Y, Koda M, Hagiwara M, Toda K, Shirakawa H, Nagayasu K, Ohmura Y, Kondo M, Kaneda K, Yoshioka M, Kaneko S. Median raphe serotonergic neurons projecting to the interpeduncular nucleus control preference and aversion. Nat Commun, 13:7708, 2022.

主な研究内容

現在の主な研究テーマ

記憶情動などの脳機能のメカニズムに関する研究

生育環境や経験は、動物の脳の神経細胞の形態構造や、記憶情動などの脳機能に様々な影響をもたらします。当研究室では、マウスやラットを用いて、記憶・学習や、恐怖・不安などの情動が環境や経験によって変化する脳の性質(可塑性)の分子メカニズムの解明に取り組んでいます。動物の脳機能の理解を目指しています。

脳神経疾患や精神疾患の病態・治療メカニズムに関する研究

うつ病やPTSD、依存症、認知症などの詳しい病態メカニズムは明らかになっていません。さらに、これらの疾患に対する有効な治療薬がないことも問題となっています。当研究室では、マウスやラットを用いて、これらの脳神経疾患や精神疾患の病態・治療メカニズムの解明に取り組んでいます。新しい治療法の開発を目指し、研究を行っています。

運動が脳や身体にもたらす有益効果のメカニズムに関する研究

運動は認知症やうつ病、生活習慣病などの疾患の予防改善効果があり、脳や身体に有益であることが知られています。当研究室では、マウスやラットを用いて、運動が脳や身体に及ぼす影響を詳しく検討し、その分子メカニズムの解明に取り組んでいます。新しい予防法や治療法の開発を目指し、研究を行っています。

ゼブラフィッシュを用いた脳神経系の形態形成と機能のメカニズムに関する研究

当研究室では、ゼブラフィッシュを用いて、脳神経系の形態形成と機能を制御する分子メカニズムの解明に取り組んでいます。動物の脳神経系の構造と機能を制御する仕組みの理解を目指しています。

臨床への取り組み

基礎医学研究を展開し、脳神経疾患や精神疾患に対する新しい予防治療法の開発を目指すことで、臨床現場に貢献できるよう努めています。また、学部や大学院の教育においては、講義実習や研究指導を通して、将来の医学をリードする医師や研究者の育成に取り組んでいます。

スタッフ

教授 近藤 誠
講師 甲斐 理武
助教 河合 洋幸
特任助教 中園 智晶