臨床検査・医療情報医学

基本情報

医療管理医学講座 臨床検査・医療情報医学

代表者 日野 雅之教授

本講座は、2021年4月から臨床検査・医療情報医学としてスタートしました。臨床検査、医療情報それぞれの学術領域、また、それらが融合した分野を対象としています。

教員画像

 

場所
学舎 12階 (※連絡は学舎10階血液腫瘍制御学まで)
連絡先
TEL:06-6645-3881 MAIL:hinom@omu.ac.jp

 

教育方針

学部教育

【臨床検査分野】
ユニット型臨床臓器別講義では、ほぼ全ての診断の基礎となる「臨床検査」について、その理解を深めます。正しい診断や病態評価につなげるには、診療科を横断する検査知識が必要で、検査から得られる病態の理解を目指します。また、正しい診断には、臨床検査の特性(偽陽性、偽陰性、基準範囲)の知識が必須です。
【医療情報分野】
医学科ではユニット型臨床臓器別講義「臨床検査・医療情報」の授業で情報セキュリティと情報利活用の重要性についての講義があります。医学研究科(大学院)の講義でも個人情報やセキュリティに関する講義を行っています。

 

臨床教育(研修医の育成)

【臨床検査分野】
後期臨床研修:幅広い分野にわたる臨床検査知識が対象となります。臨床検査技師の方々と協力のもと、検査技術や特徴を学びます。検査結果に基づいた医師としての病態判断の技量を磨くことで、検査の質の向上への貢献が可能となります。また、骨髄像や免疫電気泳動などの検査の所見を作成できるような教育を行っています。

研究指導

疾患(予後・診断など)と直結したものは診療科と連携して研究を行うことが多いですが、医療情報などの研究を他学部と行うこともあり、分野が多岐にわたります。テーマに対応して柔軟に協力体制を構築しています。テーマに応じて、臨床研究についての方法論(仮説設定、医療倫理、計画書作成、データ処理、統計解析)など指導しています。

研究について

【臨床検査分野】
検査データ(検体検査、生理検査)を基にした予後予測、検査基礎性能評価などを行っています。臨床検査学分野の中では、血液学分野、造血細胞移植領域を多く扱っています。
【医療情報分野】
他施設や他領域の講座と連携しながら、電子カルテに蓄積された臨床データを効率的に用いて、医療の進歩を目指す研究に多く取り組んでいます。

教室を代表する業績

  • Nakamae M, NakamaeH, Hashimoto M, Koh H, Nakashima Y, Hirose A, Hino M. Predictive value of clinical examination parameters for cardiovascular adverse events during treatment of chronic myeloid leukemia with tyrosine kinase inhibitors. Int J Hematol. 2022 Mar;115(3):329-335
  • Okamura H, Nakamae M, Koh S, Nanno S, Nakashima Y, Koh H, Nakane T, Hirose A, Hino M, Nakamae H. Interactive web application for plotting personalized prognosis prediction curves in allogeneic hematopoietic cell transplantation using machine learning. Transplantation. 2021 May 1;105(5):1090-1096

主な研究内容

現在の主な研究テーマ

臨床検査データによる診断能や予後予測の研究

臨床検査結果や生理検査指標結果の解析を通して、予後予測、早期診断などを目指した検討を行っています。疾患経過情報が必須となるため、基本的には診療科(血液内科など)と連携して研究を行っています。

電子カルテデータの標準化と効率的な二次活用の検討

電子カルテに蓄積された臨床データを、医療情報の標準規格に変換し、多施設の患者データを自動的に集約管理することで医療ビッグデータの研究利用が可能となるシステムの開発を行っています。また、カルテに記載された自然言語を解析し、構造化データとして臨床研究に活用するAIアルゴリズムの開発や、電子カルテデータから患者個別のリスク評価をリアルタイムに行うことで、医療者の判断を支援するシステムの開発研究を行っています。

医療×AI の重層型研究開発拠点形成

医療統計学、工学部情報学研究科、ドイツ人工知能研究センター(DFKI)と連携し、医学部生、工学部生が主体的に協力し合うことで、医療AIによるイノベーションを起こす拠点形成を目指したプロジェクトを行っています。

臨床への取り組み

院内検査項目について、精度管理を綿密に行い、正しい結果が臨床医に届くように日々管理しています。パニック値などは迅速かつ確実に連絡を行い、早急な対処に繋げます。

スタッフ

教授 日野 雅之
准教授 中前 美佳
講師 岡村 浩史
病院講師 井戸 健太郎