神経精神医学

基本情報

臓器器官病態内科学講座  神経精神医学

代表者 井上 幸紀教授

初代の阪本教授の時代は精神病理学的研究、中教授の時代からは神経化学を基礎にした生物学的精神医学の研究が行われ、川北教授、山上教授の時代に引き継がれました。その後大阪市内唯一の大学病院である特色から、切池教授の時代より摂食障害の、また井上教授になり産業精神医学(職場のうつ病等)都市型精神疾患の研究が行われています。
統合失調症やうつ病などの内因性精神病の因子分析による成因の研究、摂食障害における神経内分泌学的研究、我が国で開発された自然発症てんかんモデルのE1マウス脳における遺伝子発現機構の研究や神経ペプチドの研究、抗精神病薬や抗うつ薬効果評価尺度の研究など多彩な研究がなされてきました。
臨床面では統合失調症、躁うつ病、うつ病、職場不適応や職場に関係して生じる精神障害全般、児童精神医学(小中学生)、ネット依存、摂食障害、老年期の精神障害、認知症、身体疾患に伴う精神障害にわたり、広い範囲での診察を行っています。その他、さらに関連病院から精神障害者の身体合併症の転院による治療を可能な限り受け入れています。

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場所
学舎 11階

 

教育方針

学部教育

精神病性障害、気分障害、不安障害、睡眠障害、摂食障害、児童精神医学、認知症、依存症、リエゾンコンサルテーションなど神経精神疾患全般にわたって幅広い知識の習得を目的として講義を行っております。
また外来や病棟での診療補助、見学を通じて精神医学的面接やコミュニケーションの技法を学習することは、他の臨床系の診療科での医療面接においても役立つものと考えます。

 

臨床教育(研修医の育成)

当大学医学部附属病院神経精神科は、本邦トップクラスの年間新患数の大規模な都市型精神科医療機関です。児童から老年期まで幅広い年齢層にわたって多彩な精神疾患を有する患者さんが受診されるのが特色です。そのため、臨床経験を積むには最適の活気ある医局であると自負しております。精神保健指定医、精神科専門医などを目指す先生方の症例報告や学会発表を指導・支援しております。

研究指導

大学院へ進学し医学博士号の取得を目指す方への研究支援体制が整っております。先述したように都市型医療機関である当科の特性を活かした臨床研究を中心に行っております。また産学連携、他の診療科との連携も行っており、幅広い領域において研究のニーズに応えることが可能となっております。

研究について

産業精神医学的立場より勤労者のストレスとうつ病などのメンタルヘルスに関する研究、気分障害のバイオマーカーや神経画像に関する研究、さらに摂食障害、児童青年期精神障害、認知症など全年齢層の精神医学領域における臨床的研究など、多方面に行っています。

教室を代表する業績

医局ホームページをご参照ください。

主な研究内容

現在の主な研究テーマ

産業精神医学

職場においてうつ病などのメンタルヘルス不調は年々増加しており、1次予防目的で平成27年12月1日よりストレスチェック制度が義務化されました。我々は精神科専門医ですが、認定産業医資格を取得し実際に就労現場で精神科産業医として活動しています。就労中の患者様に対して、これらの経験を生かした外来治療を提供するとともに、職場復帰や再適応が円滑に行えるよう職場介入等による支援を適宜行っています。職業性ストレス質問調査票と気質などの個人要因の評価、精神症状の評価尺度等を組み合わせて実施することにより、職業性ストレスと精神症状の関連、職業性ストレスとメンタルヘルス不調による休職との関連、メンタルヘルス不調者の周りで働く就労者の職業性ストレスや精神症状などについて研究しています。就労中のうつ病患者が職場で感じる主観的、客観的な疾病性や事例性について研究し、早期発見、早期対応に繋がりうる因子について研究しています。またこれまでに多施設共同研究を通してうつ病、双極性障害の判別に関わる血中代謝産物などについて報告をしてきましたが、今後もさらに精度の高い、臨床に直結する気分障害のバイオマーカー発見を目指して研究を行います。

摂食障害

当科では、神経性やせ症や神経性過食症といった摂食障害を診察する専門外来を設置しております。摂食障害にみられる著しい低体重や過食や嘔吐などの食行動の異常は、身体的問題だけでなく日常生活上の様々な活動や社会活動にも大きな影響を与えます。治療では病気のことをよく理解いただけるように情報提供しながら、日々の食生活を規則正しく適切に過ごせるようになるよう様々な治療ツールを用います。中でも、患者さんが日々の食事や活動について記録できるスマホ用アプリを開発し、これを介して患者さんと治療者を繋ぐ試みなども行っています。患者さんの食生活の詳細を知ることで効果的な治療方法を開発したり、食行動の特徴などから患者さんの心理社会的な影響との関係を明らかにすることを目的に、調査研究も行っております。

児童精神医学

当科外来では、複数の日本児童青年精神医学会認定医、子どものこころ専門医によって多彩な児童期精神障害を診療しています。小児科とは定期合同カンファレンス実施など連携が密であり、精神科の枠にとらわれない、豊富な臨床経験を積むことが可能であり、神経性やせ症をはじめとする児童青年期精神障害や子どものこころの問題の入院治療にも対応しています。指導医は児童相談所や精神保健センターの嘱託活動をしており、医療の枠を超えた児童福祉、精神保健、学校メンタルへスなどの他領域についても学ぶことが出来ます。また他の児童精神科機関との連携が盛んで、当院が中心となり児童精神医学研究会を長年開催しています。
児童期の不安および気分症状、身体集中反復行動症、自閉スペクトラム症などの神経発達症、インターネットやゲームに関する行動嗜癖等の児童精神医学臨床研究を実施しており、国内外の学会参加や論文作成、博士号や子どものこころ専門医の取得を支援する体制を整えています。

老年精神医学、神経画像研究

本研究グループはMRI, SPECT, PETなどの神経画像検査を用いて認知症に伴う行動心理症状(BPSD)や老年期精神障害の補助診断や臨床評価を行う研究を行っています。最近は統計学的脳画像解析ソフトを利用してBPSDと脳内障害部位の関連性について検討し、アルツハイマー型認知症のうつ症状と前頭葉における血流低下が関係していることを報告しました。さらに、大阪市立弘済院附属病院や大阪市立総合医療センターなどの関連施設とも連携して共同研究を行っています。一方、診療においては他診療科、他職種と協力しあって多方面からアプローチすることに重点をおいています。

臨床への取り組み

入院治療の充実を図り、入院期間の短縮と外来治療を充実させていくように努めています。児童の専門外来では外来中心の治療を行ってます。摂食障害については外来治療を中心に行っています。統合失調症、うつ病、双極性障害、認知症および老年期精神障害、就労者の精神障害など、精神科全般にわたる疾患について、主に薬物療法や精神療法を行っています。

スタッフ

教授 井上 幸紀
准教授 岩﨑 進一
講師

山内 常生、出口 裕彦、原田 朋子、

影山 祐紀、丸田 純平

学内講師 後藤 彩子
病院講師 黒住 日出夫
特任助教 太尾 恵理

 

参考写真

Department of Neuropsychiatry, Osaka Metropolitan University Graduate School of Medicine