公衆衛生学

基本情報

都市医学講座 公衆衛生学

代表者 福島 若葉教授

昭和23(1948)年、瀧内秋治先生が創設された公衆衛生学教室(*)では、昭和36(1961)年、二代目教授に就任された大和田國夫先生が循環器疾患の疫学に着手され、昭和59(1984)年、門奈丈之先生が三代目教授に就任されてからは、研究分野が肝疾患の疫学にも広がりました。また、平成11(1999)年、四代目教授に就任された廣田良夫先生は、感染症と難病の疫学を研究分野に加えられました。これら先代の教授が築いてこられた研究基盤を継承し、平成27(2015)年、現教授である福島若葉先生が五代目教授に就任されました。
公衆衛生学の使命は「すべての人々(公衆)の健康(生)をまも(衛)る」ことにあります。対象は常に「集団」であり、その実践を支えているのは、公衆衛生診断学と位置づけられている「疫学」です。公衆衛生学教室では、疫学の理論に基づき、感染症、難病、肝疾患など様々な疾患を対象に、学内外の各教室と連携しながら、疾病の予防、寿命の延伸、健康の増進を図るための研究を行なっています。

(*)昭和36(1961)年までは環境衛生学・公衆衛生学教室、以後は公衆衛生学教室として独立

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場所
学舎 14階
連絡先
TEL:06-6645-3756 MAIL:gr-med-kouei@omu.ac.jp

 

教育方針

学部教育

医学教育モデル・コア・カリキュラムに基づいて、公衆衛生学、疫学の基本的な知識を習得し、各種疾病の疫学と予防、保健・福祉対策の現状と仕組み、疫学研究手法について、講義や演習を通じて実践的に学びます。とくに疫学は、「集団の観察をもとに、疾病の頻度・分布や規定要因を明らかにする学問」であり、公衆衛生学の核をなすに留まらず、臨床研究や基礎研究にも広く応用可能な医学研究手法であるため、研究室配属などの機会を通じて一層の習得の機会を与えるよう配慮しています。

 

臨床教育(研修医の育成)

臨床の分野で病因の解明や治療成績の評価などを行なう際には、疫学理論や統計解析手法に関する知識が必要となります。当教室では、そのような知識の習得を希望する方(主に本学所属の臨床医や他機関の共同研究者)を対象に、卒後教育の一環として、「疫学データ解析講習会」(理論講義とデータ解析演習、計1日)を随時開催しています。講習会の受講者には、希望に応じて、データ解析等の支援を個別に行なっています。

研究指導

  • 当教室の大学院博士課程・修士課程では、疫学理論の応用や実践についても習得することが必須です。定期的に開催している教室セミナーや、講習会・講演会・研究班会議等への参加を通じて、疫学研究の計画立案・実施・データ解析・結果の解釈の各段階で必要とする事項を学びます。研究内容については、各自の経験を通じて見出したテーマのみならず、当教室で実施中の研究に参画することも可能です。
  • 国内の公衆衛生行政(厚生労働省、都道府県、市)や国際機関(世界保健機関等)への進路を希望する場合は、適切な紹介を行います。臨床医としての進路を選択する場合でも、病因の解明や治療成績の評価などにおいて、体得した疫学研究の知識は大いに役立つことを確信しています。

研究について

当教室では、「疫学の利剣で人々の健康を守る」をキャッチフレーズとして研究を推進しています。したがって、当教室の研究活動を支える疫学を十分に習得することが、研究の原点となります。疫学はあらゆる疾病に適用できる医学研究手法であることから、現在、当教室で実施している研究内容は多岐にわたります。先代の教授が築いてこられた研究基盤のみならず、新たな研究課題にも積極的に着手する姿勢を歓迎します。

主な研究内容

人集団を対象に、以下の疫学研究を実施しています。
1)予防接種・ワクチンの有効性・安全性・免疫原性
2)予防接種政策の推進に必要な疾病負担の評価
3)難病の頻度分布、および規定要因の解明
4)肝炎・肝がん、慢性肝疾患の関連因子
5)地域に密着した健康格差研究
詳細は、教室ホームページを参照してください。

臨床への取り組み

疾病を制御するためには、疫学研究から得られた知見を、保健行政施策による予防や臨床現場での治療などに応用する過程が重要です。当教室では、疫学研究から得た結果を適切に解釈し、疾病の予防や治療への応用を目指した取り組みを行なっています。また、各種の研究活動から得られた結果は、疾病の診療ガイドライン作成や国の予防接種政策にかかる資料として役立てられています。

スタッフ

教授 福島 若葉
准教授 大藤 さとこ
特任講師 加瀬 哲男
助教 松浦 知香

 

参考写真

Medicine Department of Public Health