OCAMI談話会(2025年度)

OCAMI談話会 年度別一覧

日時 2025年6月19日(木) 17:00~18:00
講演者(所属) 森岡 悠 (愛媛大学)
タイトル グラフ上の量子ウォークにおける散乱理論と共鳴現象
場所 大阪公立大学杉本キャンパス理学部E棟4階E408(大講究室) & Zoom
概要 1次元シュレーディンガー作用素の2重障壁モデルなどでは, 共鳴トンネル効果と呼ばれる現象が知られている(Cheng-Esaki-Tsu, 1974). これは, 特定の波数において, 入射波に対し反射波を生じることなく波が障壁を透過していく現象を指す. このような散乱現象は古典系では生じないもので, 量子的効果を利用する分野では, 既に工学的応用がなされている. 本講演では, このような現象をグラフ上の量子ウォークにおいて数学的に検討する. このような特殊な散乱現象を引き起こす波数は, その至近に系が持つ共鳴極が存在することを示す. さらに, そのような波数を持つ入射波により生じる一般化固有関数は, 快適性と呼ばれる量が増大する. ここで, 快適性とは摂動にあたる有限グラフ上に滞留する一般化固有関数のエネルギー量に対応するものである. 本研究は, 樋口健太氏(岐阜大学), 石川隆太氏(元愛媛大学M2), 瀬川悦生氏(横浜国立大学)との共同研究に基づく.
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備考

 

日時 2025年6月12日(木) 15:45~16:45  講演1
講演者(所属) 張 娟姫 (大阪公立大学)
タイトル 曲線複体を用いた結び目の橋分解の研究
場所 大阪公立大学杉本キャンパス理学部E棟4階E408(大講究室) & Zoom
概要 結び目の「自明タングル」と呼ばれる(2つの)簡単なパーツへの分解を,結び目の「橋分解」という.この分解を与える曲面の「曲線複体」を用いることで,橋分解の複雑さを表す指標の一つである「ヘンペル距離」が定義でき,近年の研究から,ヘンペル距離が橋分解の複雑さだけでなく,結び目そのものの性質もよく反映していることが分かってきている.本公演では,結び目の橋分解のヘンペル距離に関するこれまでの研究などについて紹介する.
参加登録 6月12日(張先生、MARTIN先生)の参加登録 参加登録フォーム
(参加登録は6月12日AM 9:00までに行なってください)
備考
日時 2025年6月12日(木) 17:00~18:00 講演2
講演者(所属) Kimball MARTIN (大阪公立大学)
タイトル Statistics in Number Theory
場所 大阪公立大学杉本キャンパス理学部E棟4階E408(大講究室) & Zoom
概要 Many basic objects in number theory, such as prime numbers, do not follow any regular patterns. However, they typically obey certain statistical laws - some of which are less obvious than others. I will first discuss some aspects of the distribution of prime numbers, explaining how they behave like random numbers in some ways but not others. Then I will discuss the distribution of other key objects in number theory, namely elliptic curves and modular forms.
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日時 2025年6月2日(月) 15:30~16:30  講演1
講演者(所属) 林 拓磨 (大阪公立大学数学研究所)
タイトル Real structures in linear algebra, geometry and representation theory
場所 大阪公立大学杉本キャンパス理学部E棟4階E408(大講究室) & Zoom
概要 複素数体 C は代数閉であるという性質から代数的文脈において基礎体として実数体よりも優先的に考えられることが多い. 実際論理的には通常複素数体の方が代数的に御しやすい. 一方具体的な対象に目を向けてみると実は実数体上定義されているということもある. 例えばコンパクト Lie 群 SO(3) (または SO(3,R)) のすべての複素既約表現は実形を持つ, すなわち虚数を使わずに (理論的にまたは実際に具体的に) 構成することができる. もちろん実数体上定義されずどうしても複素数が必要になる場合もあり (例: SU(2) の偶数次元複素既約表現), どちらなのかは個別に判定する必要がある.
この講演ではまず Gram--Schmidt の直交化法を題材として線形代数及び旗多様体の幾何におけるある実構造の問題の一般的定式化といくつかの結果を紹介する. 後半ではこれらの話題と実表現論の関りについて説明する. 本講演の一部は Paderborn 大学の Fabian Januszewski 氏との共同研究に基づく.
参加登録 6月2日(林先生、安田先生、百合草先生)の参加登録 参加登録フォーム
(参加登録は6月2日AM 9:00までに行なってください)
備考
日時 2025年6月2日(月) 16:40~17:40 講演2
講演者(所属) 安田 順平 (大阪公立大学数学研究所)
タイトル 2次元結び目の分類問題とプラット表示
場所 大阪公立大学杉本キャンパス理学部E棟4階E408(大講究室) & Zoom
概要 2次元結び目とは4次元空間(または4次元球面)へ埋め込まれた2次元球面であり,結び目の高次元化である.本講演では,主に結び目理論の観点からどのようにして2次元結び目の分類問題へ取り組まれてきたのかについて紹介する.またプラット表示と呼ばれる表示手法を用いた分類問題へのアプローチと関連する結果についても併せて紹介する.
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日時 2025年6月2日(月) 17:50~18:50 講演3
講演者(所属) 百合草 寿哉 (大阪公立大学数学研究所)
タイトル gベクトル扇の稠密性とその応用
場所 大阪公立大学杉本キャンパス理学部E棟4階E408(大講究室) & Zoom
概要 本談話会では,クラスター代数理論と有限次元多元環の表現論に現れるgベクトル扇の稠密性に関する研究について紹介します.特に,曲面型クラスター代数やTame表現型多元環における稠密性の証明,およびその幾何学的・組合せ論的手法について解説します.また,時間が許せば,本研究の今後の展望についても述べます.
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