OCAMI談話会(2023年度)

OCAMI談話会 年度別一覧

日時 2023年10月17日(火)17:00~18:00
講演者(所属) 落合啓之(九州大学マス・フォア・インダストリ研究所 教授)
タイトル マス・フォア・インダストリ研究所の共同利用事業の紹介  YouTubeはこちら
場所 数学大講究室(理学部棟E408)& Zoom   参加登録
(参加登録は10月16日AM 9:00までに行なってください)
概要

マス・フォア・インダストリ研究所(IMI)は九州大学の数学系の附置研究所の一つであり、日本の数学系の5つの共同利用拠点(大阪公立大OCAMI、京大数理研RIMS、統計数理研究所ISM、明治大MIMS)の1つでもある。
5つの拠点はそれぞれに特色があり、活動の様子も様々である。今回、OCAMIの滞在する機会を利用して、IMIの組織や活動の紹介を行い、 課題や未来について聴衆の皆さんの意見なども聞いてみたい。

日時

2023年6月1日(木)15:45~16:45

講演者(所属) 石田 裕昭 (大阪公立大学)
タイトル コンパクトリー群の左不変でない複素構造と両側トーラス作用
場所 数学大講究室(理学部棟E408)&Zoom
6月1日(石田先生、綾野先生)の参加登録
(参加登録は5月31日AM 9:00までに行なってください)
概要

偶数次元コンパクトリー群には左不変な複素構造が存在することが1950 年代にWang, Samelson らによって独立に示されている. 一方で, 2007 年にLoeb, Manjarin, Nicolau らによって, 可換でない偶数次元コンパクトリー群には左不変でない複素構造が存在することが示された. 本講演では, トーラス作用に関するモーメント写像と葉層構造を用いて, 具体的に SU(3)の左不変でない複素構造の族が構成できることを述べる. 本講演内容は大阪大学の糟谷久矢氏との共同研究に基づく.

日時 2023年6月1日(木)17:00~18:00
講演者(所属) 綾野 孝則(大阪公立大学数学研究所)
タイトル 代数曲線に付随する Abel 関数
場所 数学大講究室(理学部棟E408)&Zoom
概要 Abel 関数は楕円関数を多変数に拡張した有理型関数である。数理物理や情報科学(暗号・ 符号)などの分野で、楕円関数論のように具体的に計算のできるAbel 関数論の構築が期待されている。本講演では、最初にAbel 関数論の最近の進展を概観する。その後、種数2の超楕円曲線の場合に、超楕円積分の逆問題と超楕円関数の楕円関数による表示に関する講演者の結果を紹介する。本講演の内容の一部はV. M. Buchstaber 氏(steklov 数学研究 所)との共同研究に基づく。

日時

2023年5月11日(木)15:45~16:45

講演者(所属) 江尻 祥 (大阪公立大学)
タイトル 正標数の代数的ファイバー空間が持つ数値的小平次元についてYouTubeはこちら
場所 数学大講究室(理学部棟E408)&Zoom
5月11日(江尻先生、濱本先生)の参加登録
(参加登録は5月11日AM 12:00までに行なってください)
概要

飯高は代数的ファイバー空間の全空間、底空間および生成ファイバーについて小平次元が劣加法性を満たすと予想した。小平次元は双有理幾何学において重要な役割を果たす不変量である。中山は小平次元 に“近い”不変量として数値的小平次元を導入した。それは小平次元に一致することが予想されている。中山はさらに数値的小平次元について飯高の予想に類似した不等式を証明した。この不等式は極少モデル理論の進展に大きく貢献してきた。 本講演では中山の不等式を正標数において扱い、成り立つための十分条件と反例を紹介する。十分性を示すために証明した、Popa--Schnell の大域生成定理と Viehweg の弱正値性定理、藤野の大域生成定理のそれぞれの亜種についても説明する。

日時 2023年5月11日(木)17:00~18:00
講演者(所属) 濱本 直樹(大阪公立大学数学研究所)
タイトル CKN 型に類する関数不等式の制約条件付きベクトル場に対する最良定数についてYouTubeはこちら
場所 数学大講究室(理学部棟E408)&Zoom
概要 本講演では, Euclid 空間上の制約条件付きベクトル場に対する Caffarelli–Kohn–Nirenberg 型関数不等式として, 主に Hardy 不等式及び不確定性原理不等式の最良定数について考察する. 制約条件としては,主に渦無しもしくはソレノイダル(湧出無し)のような流体力学的な条件を扱う. 制約条件を何も課さない場合については,不等式の最良定数の明示的な形が既に知られているが, 制約条件を課した場合に最良定数がどのような値に変更されるのか, またどのような形の関数が最 良値を達成するのかを問題にする.この問題への取り組みについて,発端となった先行研究及び近年 得られた結果を紹介する. 本講演内容は,高橋太教授(大阪公立大学)との共同研究結果を含む.