院生談話会

院生談話会(2023年度)

院生談話会(言わば,院生の院生による院生のための談話会)を開催することになりました。
通常の談話会はレベルが高く,また,先生がいると萎縮して自由に質問ができないのではないかと思い, 出席者は院生のみにしました。
これを通して,院生同士の分野を越えた交流を深めていきたいと思います。

院生談話会運営委員:
D2 小川 智史(sn22894n[AT]st.omu.ac.jp)
D2 武中 亮(sn22893m[AT]st.omu.ac.jp)
D1 溝口 史華(sw23882u[AT]st.omu.ac.jp)

院生談話会 年度別一覧

日時 2023年12月22日(金) 16:00~17:00
講演者(所属) 塚田龍聖(広島大学先進理工系科学研究科博士課程前期先進理工系科学専攻数学プログラム)
タイトル 抽象ルート系と複素半単純リー代数
場所 大阪公立大学(杉本キャンパス)理学部F棟中講究室 (F415)
アブストラクト 複素リー代数とは,「リー括弧積」と呼ばれる双線形かつ交代的な積を持つ有限次元複素ベクトル空間のことである. 複素リー代数にはカルタン部分代数と呼ばれる特別な部分リー代数が同型を除いて唯一つ存在する. カルタン部分代数における随伴表現のゼロでないウエイト全体のなす集合は「リー代数に付随するルート系」と呼ばれ,リー代数のうち「半単純」と呼ばれるクラスの分類は,付随するルート系によって与えられることが知られている. リー代数に付随するルート系の満たすいくつかの性質を公理として「抽象ルート系」という概念がリー代数に付随するルート系と独立に定義される. 抽象ルート系は「既約かつ被約」なものが本質的であり,このクラスはディンキン図形によって分類が与えられる.ここでディンキン図形とは,一定の規則のもと抽象ルート系から得られる有向グラフのことである. 本講演の前半では,複素リー代数とそれに付随するルート系の関係についての諸事実の紹介や,抽象ルート系の性質などの説明を行う. そして後半では,ディンキン図形の概念を導入し抽象ルート系および複素半単純リー代数の分類について紹介する.
日時 2023年6月28日(水) 16:00~17:00
講演者(所属) 加藤諒(筑波大学数学学位プログラムM2)
タイトル 対称群の既約表現とヤング図形
場所 大阪公立大学(杉本キャンパス)理学部F棟中講究室 (F415)
アブストラクト 群の表現とは,群からベクトル空間の自己準同型への準同型のことであり,ヤング図形とは,ある規則によって箱を並べたものである.表現論とヤング図形には深い関係があることが知られている.また,表現論において既約な表現を決定するというのは最も重要な議論のうちの1つである.
本講演ではまず対称群の表現やヤング図形を導入し,最後には対称群の既約な表現とヤング図形の関係について紹介する.