学部・大学院教育
■ 大学院教育体制 |
○本研究科の講義は、原則として月曜日(午後〜)に開講されています。社会人で入学を検討される方は、少なくとも講義単位を履修する間、職場の理解が必要となります。正規期間での履修が困難な場合は、長期履修制度を活用してください。
○研究室の勉強会は、月曜日午前中に行なっています。
○詳しくは羽曳野キャンパス事務所 学生グループ(電話 072−950−2117)、もしくは樋口メールアドレスまで。
■ 大学院生紹介 |
博士後期課程3年 上月 渉
私は現在、回復期リハビリテーション病棟に勤務しており、患者のADL改善や在宅復帰支援に日々取り組んでおります。また、地域ケア会議への参加など地域高齢者への間接的な支援も行なっています。
博士後期課程では、ICTを活用した入院患者の機能回復に関する双方向性のやりとりが、家族の心理面に及ぼす影響について調査をしています。コロナウイルスの感染は落ち着きつつありますが、ICTを活用した取り組みは今後も有用な介入手段になると考えております。昨年までに介入やデータ収集が終了したため、現在は研究成果を論文化し、社会に役立つ情報となるように取り組んでいます。
働きながら研究活動を行うのは大変ですが、非常に充実した日々を過ごせております。目の前の患者・家族様に有益な情報を提供できるよう、現在の研究活動を継続していきたいと思います。
博士前期課程3年 玄 安季
私は「都市部集合住宅の高齢者に対する健康支援 ―RCTによる介入研究―」に取り組んでいます。平日は診療所で理学療法士として勤務しています。博士前期課程から樋口先生の研究室で研究活動に取り組んでおり、前期課程では、「COVID-19感染拡大による外出自粛生活が地域高齢者に与える影響」を研究課題として、アンケート調査による横断研究を実施しました。得られた研究成果から、長引く自粛生活により閉じこもり状態に陥ってしまった高齢者では、身体活動量の減少が顕著であり、腰痛や孤独感との関連がわかりました。
後期課程では、同地域で介入研究を行っています。RCTデザインの研究計画立案、地域で円滑に進めるための関連機関との連絡・情報共有、介入プログラムの構想、測定会や教室の運営、スケジュール管理など、実際に介入研究を行ってみて学ぶことがたくさんありました。ゼミ室のメンバーや修了された先輩をはじめ、本当にたくさんの方々の力添えによって介入を無事に終えることが出来たときは、大きな達成感が得られました。データ解析をひとまず終え、今年度は学会発表や論文投稿を予定しています。
地域の皆様に有益な研究活動を継続し、貢献できるよう努めていきたいです。
博士後期課程2年 足立 遥香
私は急性期病院に勤務する臨床経験10年目の理学療法士で、博士前期課程から引き続き樋口先生の元で博士後期課程の研究を行っております。
普段は毎週月曜日にお休みをいただき大学院へ通学し、仕事と学業、家庭での生活を両立すべく日々奮闘しています。
糖尿病療養指導士や代謝・循環器認定理学療法士の資格を有し、普段から糖尿病や循環器に関心が高かったため、
博士前期課程では「糖尿病を合併する高齢心不全患者の二次性サルコペニアと生活機能について」という内容で研究を行い修士論文を執筆しました。
博士後期課程では急性期病院へ入院し疾患が改善したにも関わらず、日常生活動作の自立度が低下してしまうという入院関連機能障害と機能的回復因子の関連について前向き研究と後ろ向き研究を行い、学会発表や論文投稿を行う予定です。
社会人をしながら研究活動を行うことは簡単ではありませんが、充実した日々を過ごすことができており、樋口先生やゼミの方々など周りの方々のお陰であると感じております。
今後も多くの人や社会に貢献できるように日々精進していきたいと思います。
博士後期課程1年 辻中 椋
私は現在、回復期リハビリテーション病棟で勤務をしており、病棟の管理運営に従事しております。臨床で働いていく中で、回復期から退院し、住み慣れた環境での生活を取り戻された方が安心した生活を送れるようなシステムの検討や健康に暮らせるまちづくりにつながるような研究をしたいと考えておりました。
博士後期課程では、都市部の交通網変化が独居高齢者の行動変容に与える影響について研究を行う予定です。近年、居住する周辺環境の「歩きやすさ」や「歩きたくなる街」を示す、ウォーカビリティという指標が注目されています。ウォーカビリティの変化は、その地域に居住する人々の健康行動に影響を与えると考えております。そこで私は、街の交通網の変化が高齢者の心身機能にどのような影響を与えるのかを調査し、対象地域のより良いまちづくりの一助になるような研究を行っていきたいと思っております。樋口先生のもとでの研究を通じて、対象の地域が抱える社会課題の解決策を探究していきたいと考えております。
博士前期課程2年 松浦 道子
私は、現在回復期リハビリテーション病棟のある病院に勤務し、管理業務に従事しています。回復期リハビリテーション病棟では、超高齢の患者さんの入院が増加してきていますが、リハビリテーションをしっかり行いそれぞれ改善して退院されています。
そのため、日ごろ臨床で感じている、超高齢者のリハビリテーション成果についての研究や発信を行いたいと思い、樋口先生に師事しております。大学院では、超高齢整形外科患者の回復期における理学療法的要因の寄与についての研究を進めています。ゼミでは、皆様との色々な討議がとても楽しく、多くの発見や学びがあります。これからも、少しでも超高齢者のリハビリテーションの発展に寄与できることを目標に、丁寧に研究をまとめていきたいと思っています。
博士前期課程2年 石上 美桜
私は「スマホ利用しない高齢者の特徴とデジタル情報提供の探索的検討」をテーマに研究を実施しています。
きっかけは、理学療法を学んでいる中でどのようにすれば、地域で暮らしている人たちにとって運動をしやすい環境になるか、という疑問を抱いたことです。ちょうど私が学部生の頃は、コロナウイルス感染症拡大の影響で、対面での人と人との繋がりを持ちづらくなっており、SNSが広く普及し始めていました。そこで理学療法においてSNSなどのICT技術を用いることができれば、より地域で運動をしやすい環境を作る事ができるのではないかと思いこの研究テーマに至りました。
また、技術が進歩してスマートフォン(以下:スマホ)を利用することが難しいと感じる人が、スマホを使えないことで受けれないサービスが出てきています。今後、よりデジタル化が進むことでスマホ利用できる人と出来ない人の溝が深くなってしまわないように、どんな人でもICT技術であるスマートフォンを用いることが出来るような環境を作れたらと思い、現在の研究テーマに至りました。
この研究を通して、SDGsにも「誰も置き去りにしない」という目標があるように、どんな人も同じように生活できるような社会環境作りに貢献していきたいです。