学部・大学院教育

■ 大学院教育体制

本研究科の講義は、原則として月曜日(午後〜)に開講されています。社会人で入学を検討される方は、少なくとも講義単位を履修する間、職場の理解が必要となります。正規期間での履修が困難な場合は、長期履修制度を活用してください。
研究室の勉強会は、月曜日午前中に行なっています。
詳しくは羽曳野キャンパス事務所 学生グループ(電話 072−950−2117)、もしくは樋口メールアドレスまで。


 

■ 大学院生紹介
【2021年度】

博士後期課程3年 村上 達典

 私は臨床経験12年目の理学療法士です。大学院博士前期課程から引き続き、樋口先生の元で博士後期課程の研究を行なっております。
 普段は回復期リハ病棟で理学療法士として勤務しており,毎週月曜日に仕事の休みを取り通学するといった生活をしています。大学院に入ってからは、主論文として海外雑誌に1編、副論文として国内雑誌に1編、論文を採択させることができました。その他、国際学会での発表などを経験することができ、これもひとえに樋口先生からのご指導や、ゼミのメンバー間での議論のおかげであると感じています。
 博士論文のテーマは、『ICTを用いた入院患者家族との情報共有』です。高齢により機能改善が得られ難い患者に対し、環境因子を整えることで患者のリハビリテーション効率を挙げられることを検証しました。
仕事と家庭と大学院、3つに取り組む生活は忙しい毎日ですが、その分充実感も感じられます。今は研究助成金の取得や大学教員公募へのエントリーへ、樋口先生の指導をいただきなから取り組んでいます。大阪府立大学大学院樋口ゼミでの勉強を通し、『研究』の分野から人の役に立つ仕事ができるようになりたいと考えています。


博士前期課程3年 畑中 良太

私は、現在「発達性協調運動障害」のお子様への運動介入の研究に取り組んでおります。発達性協調運動障害は、学習障害や注意欠如/多動性障害、自閉症スペクトラム障害との併存が​みられ、発生頻度は56%と言われています。発達性協調運動障害のお子様は、心理的問題から自己肯定感や自己効力感が低下してしまいます。そういったお子様にどのような運動を行えば、運動スキルが改善し、自己効力感が改善するのか明らかにしていきたいと考えています。
 また私は教職に就いており、仕事と学業を両立させなければなりません。家庭では、2児の父親でもあり、研究、仕事(教育、臨床)、家庭と限られた時間を精一杯やり遂げたいと思います


博士後期課程3年 上月 渉

私は現在、回復期リハビリテーション病棟で勤務しており、訪問リハビリの業務経験を活かして患者様のADL改善や在宅復帰支援に取り組んでおります。また、昨年度から地域ケア会議への参加を積極的に行い、地域高齢者の自立支援の一助になれるよう日々精進しております。
 博士後期課程では、ICTによる情報提供が回復期病棟入院中の患者家族様の不安感に及ぼす影響について調査しております。ICTを活用した取り組みは、コロナ渦の社会情勢に合致した取り組みであると考えております。データ収集は今年中で終了予定であり、その後データ分析や学会発表、論文投稿を予定しております。
 働きながら研究活動を行うのは大変ですが、非常に充実した日々を過ごせております。目の前の患者様・家族様に有益な情報を提供できるよう、現在の研究活動を継続していきたいと思います


博士後期課程1年 玄 安季

私は「地域高齢者に対する健康増進・介護予防」の研究を行っています。普段は診療所で理学療法士として勤めています。博士前期課程から樋口先生の研究室で研究活動に取り組んでおり、前期課程では、「COVID-19感染拡大による外出自粛生活が地域高齢者に与える影響」を研究課題として、アンケート調査による横断研究を実施しました。アンケート調査の前に対象地域における健康の決定要因を調べたり、少しでも回答率を上げる工夫を凝らしたり、学ぶことが多くありました。得られた研究成果から、長引く自粛生活により閉じこもり状態に陥ってしまった高齢者では、身体活動量の減少が顕著であり、腰痛や孤独感との関連がわかりました。すぐにはコロナ以前の活動状況に戻ることは考え難く、身体活動を促すだけでなく、腰痛を緩和させ、人と人との交流を促す介入が必要と考えます。後期課程でも引き続き同じフィールドで研究活動を行えることから、対象地域の方々に喜ばれるよう、そして、研究成果を出していけるよう努めていきたいです


博士前期課程2年 横山 遥香

私は急性期病院にて勤務する臨床経験8年目の理学療法士です。中でも心疾患や糖尿病といった内部疾患をお持ちの高齢者の方のリハビリテーションに関心が強く、臨床にて疑問に思ったことや悩みの解決方法を思案しているうちに、大学院にて学びを深め、より多くの方に少しでも貢献できればと思うようになりました。博士前期課程では、心不全にて入院された方のうち、糖尿病の有無が二次性サルコペニアをきたすことにどういった影響があるかということを研究しています。
 ゼミの日は休みを取り通学していますのでサポートして頂ける周りの方々や環境に感謝しつつ、しっかり学び、患者さんや社会に少しでも還元できるようになりたいです


博士前期課程2年 井戸田 弦

私は、臨床4年目の理学療法士です。病院では回復期リハビリテーション病棟で勤務しており、患者様が心身ともに回復した状態で在宅復帰、社会復帰をできるよう支援をしています。大学の頃より臨床研究に興味を持っており、また、臨床だけでなく学術的な部分からも患者様へ貢献したいという思いがあり、昨年度より樋口先生の研究室で勉強させて頂くこととなりました。樋口先生やゼミの先輩方のご指導を頂き、研究を開始することができました。
 博士前期課程では、「大腿骨近位部骨折患者の受傷前のフレイルとQOLの関連性」について研究しています。回復期病棟では身体機能やADLに注目しがちですが、患者様のQOLに着目することもリハビリテーションの重要な要素であると考えおり、受傷前のフレイルが退院時、退院後のQOLに影響してくるのかを明らかにしたと考えています。
 臨床経験も浅く学業との両立は大変であると思っていますが、樋口ゼミで学んだことを、患者様に還元できるように努力していきたいと思います


博士前期課程1年 橋本 朋子 

 私は2022年3月に卒業したばかりである1年目の理学療法士です。現在は大阪公立大学で助手として勤務しています。また週に1度、クリニックで外来リハビリテーションに従事しています。昔から地域の高齢者の方と会話することが楽しく、将来は地域リハビリテーションに携わりたいと考えています。その中で漠然と高齢者に対する研究活動に興味を抱き、大学生時代から樋口先生の元で地域高齢者への健康支援について研究活動を行なっていました。
 博士前期課程では、スマートフォンの使い方講座が地域高齢者に与える影響について研究したいと考えています。COVID-19の影響で電子機器を用いた健康支援が増加していますが、高齢者が電子機器を使いこなせないという問題が残っています。使いこなせない要因は様々挙げられますが、単にトレーニングが不足しているという報告もされています。そこで、スマートフォンの利用方法を習得することができれば、様々な健康支援につながるのではないかと考えました。
 樋口先生をはじめ研究室の先輩方から多大なるサポートをいただけることに感謝しながら、社会に還元できるよう精進していく所存です


博士前期課程1年 湯川 翔太

 私は大学の頃より地域在住高齢者に対する予防リハビリテーションについて興味があり、大学院で学びを深め、様々な介入方法を検討したいと思い樋口研究室で勉強させていただくことになりました。
 現在は地域在住高齢者の社会参加促進に関する介入方法について研究をしております。日本では高齢者の独居世帯、夫婦のみの世帯が増加している中で、外出機会の減少、運動機会、他者との交流機会の減少に伴い身体機能、認知機能の低下が危惧されています。そのため高齢者の外出機会の創出にはどのような介入が効果的であるかを明らかにしていきたいと思っています。
 研究で得た知識や成果を地域に活かせるように努力していきたいと思います。