研究科長/学部長挨拶

研究科長/学部長挨拶

獣医学研究科長/獣医学部長 山岸 則夫

200827 3.5-4データ送信用(山岸先生)

 

いのちを守り、未来を拓く。

都市と地球の健康に貢献する獣医学を、大阪から世界へ。

 

大阪公立大学大学院獣医学研究科・獣医学部へようこそ!

 

「獣医学」と聞くと、多くの方が動物のお医者さんを思い浮かべるかもしれません。もちろん、動物医療は獣医学の重要な柱の一つです。しかし、本研究科が目指す獣医学は、従来の獣医学の枠組みを超え、地球上のあらゆる「いのち」を守り、持続可能な「未来」を育むための、広範で奥深い学問なのです。

 

グローバルな交流が活発な都市・大阪において、人の健康と福祉は獣医学と深く結びついています。病原微生物や化学物質による危害の監視・防除、食の安全確保は人々の暮らしを守る上で不可欠であり、動物と人との共生は双方の健康と福祉の向上に繋がります。私たちは、この国際都市が求める獣医学を「都市型獣医学」と捉え、その知の拠点となることを目指しています。

 

さらに、私たちは「One Health(ワン・ヘルス)」、すなわち人間、動物、そして環境の健康は相互に深く関連しているという概念を重視しています。人獣共通感染症の発生メカニズム解明や抗菌薬耐性菌の拡散防止といった喫緊の課題に対し、学際的な視点から研究に取り組んでいます。

 

また、動物の生物学的な特性を人間の健康や病気の理解に応用する「Zoobiquity(ズービクイティ)」という新たな視点も取り入れています。動物の行動や生理機能から得られる独自のヒントを基に、人や他の動物種の疾患や健康課題の解決に貢献する革新的な技術の開発を目指すなど、独創的な研究を展開しています。

 

これらの最先端の研究を基盤として、教育においても革新的な取り組みを進めています。One Healthや都市型獣医学といった現代社会が求める視点をカリキュラムに積極的に組み込み、学生たちが多様な視点から動物と人間の健康について深く考察できる力を育成します。国内外から集結した経験豊かな教員陣が、専門的な知識と実践的なスキルを丁寧に指導し、学生一人ひとりの個性と学びのニーズに応じた教育を提供します。

 

大阪公立大学大学院獣医学研究科・獣医学部は、革新的な教育プログラムと実践的な臨床経験を通じて、学生が人と動物の健康と福祉に真に貢献できる獣医師、そして研究者へと成長することを全力で支援します。地域社会、そして国際社会で活躍できる人材育成を目指し、最新の獣医学の知識と情熱をもって皆さんをお迎えいたします。

 

獣医学に情熱を抱く皆さん、未来の獣医療を担う皆さん、ぜひ私たちと共に、地球上のいのちを守り、人と動物が共に健康で豊かな生活を送るための新たな可能性を追求しましょう。皆さんの挑戦を心よりお待ちしています。

大阪公立大学      大学院獣医学研究科長
         獣医学部長
                            山岸 則夫