研究科長/学部長挨拶

研究科長/学部長挨拶

研究科長 岡田 利也

岡田 利也 研究科長

 

大阪府立大学と大阪市立大学の統合により、設置された大阪公立大学獣医学部、獣医学研究科は、明治16年に設置された大阪獣医学講習所をルーツとしています。獣医師法改正による修士積み上げ(学部4年+修士2年)6年制教育の実施(昭和53年)、修業年限学部6年の一貫教育の実施(昭和59年)、4年制博士課程設置(平成 2年)、大学の独立行政法人化に伴う生命環境科学部獣医学科改称、大学院・学科再編(平成17年)、生命環境科学域獣医学類(平成24年)を経て、現在の獣医学部になりました。その間に、りんくうタウンに移転(平成21年)し、りんくうキャンパスにて教育・研究を展開しています。
獣医師、獣医学の活躍分野は多岐にわたっており、小動物臨床分野だけではなく、動物バイオ分野、パラメディカル分野、野生動物関連分野、農林水産分野、公衆衛生分野など人の健康等に関わる領域で活躍しています。すなわち、伴侶動物と健康に暮らせる豊かな社会の構築、安全な医薬品(人・動物用)や化学物質の開発、生態系の保全、野生動物の保護、環境破壊の防止、食糧(蛋白資源)の生産と安全性の確保、感染症の発生予防、動物の検疫および人獣共通感染症の制圧などに貢献しています。
大阪公立大学獣医学部では、欧州認証(EAEVE認証)取得を目指しています。欧州の標準教育は、特に臨床教育が充実しており、体験的教育手法を大きく取り入れて実践力の醸成に注力しています。これに準拠した教育により人材育成を行うことで、実践力の高い人材を輩出します。本教育課程を修了したものは国際機関など国際的な活動の場で専門性を発揮することが期待されます。また、大阪府内、近畿圏内に存在する高度教育機関、自治体等の試験研究機関等と連携しており、地域社会との協力に基づく体験学習によって地域社会での実践力を身につけることが可能です。さらに獣医学部が設置されている大阪は人、動物、食料の接点が多岐にわたり複雑に互いに関与している大都市です。この地域特性を活かした実践的な獣医学教育(都市型獣医学)を確立し、特に都市圏の課題解決に能力を発揮する獣医師を養成します。
大阪公立大学大学院獣医学研究科は、大阪府立大学大学院農学研究科獣医学専攻修士課程(2年制、昭和30年)、同学大学院農学研究科獣医学専攻博士課程(3年制、昭和39年)の設置を端緒としています。新制度による4年制博士課程の設置(平成 2年)、その後、再編を重ね、生命環境科学研究科獣医学専攻(平成17年)を経て現在の獣医学研究科になりました。
獣医学は動物の医療を根幹とする総合的な動物科学で、動物生命科学を根幹としつつ、動物医療を中心とした専門性を通じて、動物と人、環境が共存・共栄できる社会を実現するための学問です。
本大学院獣医学研究科では、獣医学に関連した知識と技術を習得した国際通用性のある人材に学位を授与します。その専門性の及ぶ範囲としては、医薬品を含めたバイオテクノロジー、動物性食品の安全性評価、人獣共通感染症の診断・予防対策、環境汚染問題への取り組み、新興・再興感染症対策、高度獣医療、伴侶動物の健康維持と人の精神衛生との繋がり、生命倫理関連等、広い分野で活躍できる人材を養成します。
大阪公立大学獣医学部、獣医学研究科では、獣医学に興味があり、人と動物の健康を守り、安全・安心な社会づくりに貢献できる獣医師、獣医科学者を目指す人を歓迎します。