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2023年5月21日

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大動物臨床医学研究室のアジアゾウの血液検査に関する研究成果がJournal of Veterinary Medical Science誌に掲載されました。

大動物臨床医学研究室からアジアゾウの血中クレアチンキナーゼと乳酸脱水素酵素のアイソザイムを調べた研究成果が発表されました。

Title:  Agarose gel electrophoresis pattern of serum creatine kinase and lactate dehydrogenase isoenzymes in zoo-managed Asian elephants (Elephas maximus).

Authors:  Kazuya Takehana, Mare Adachi, Shingo Ishikawa, Norio Yamagishi

 アジアゾウは絶滅危惧動物であり、世界中の動物園は生息地外保護施設として種の保存の役割を担っています。近年、このような希少動物にハズバンダリートレーニング(動物に協力してもらいながら獣医療や世話を行うための訓練)を行うことで採血可能な個体も増え、血液検査を利用した健康管理が可能になりつつあります。
 アジアゾウは体格が大きいのでエックス線検査や超音波検査による病気の診断は容易でなく、病気になっても症状が分かりにくいので、血液検査ができれば健康状態の判断に有用と考えられます。
 本研究では、アジアゾウに多いとされる骨・筋肉疾患や内臓疾患の診断の一助にするために、健康個体の血中の2種類の酵素(クレアチンキナーゼ:CK、乳酸脱水素酵素:LDH)のアイソザイムパターンを医療用アガロース電気泳動(AGE)キットを用いて明らかにしました。    今後この研究が進展すれば、定期的なアイソザイムの検査により、些細な健康変化や病気の兆候を早期に発見できるようになるかもしれません。

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J Vet Med Sci. 85(5):578-583, 2023.
doi: 10.1292/jvms.22-0550

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