お知らせ
2026年1月21日
- 研究
- お知らせ
【論文掲載】大動物臨床医学教室の山岸則夫教授らの論文がJournal of Veterinary Medical Scienceに掲載されました。
【研究の概要】
牛の「血液の健康診断」をより身近に、正確に!
〜ヒト用の検査キットを牛の医療に活用するための新たな発見〜
■どんな研究?
牛の健康を調べる際、人間と同じように血液検査が行われます。特に血液中の「タンパク質」のバランスは、病気の早期発見に欠かせません 。
現在、牛の血液検査では、費用の抑制と効率化のために、広く普及している「人間(ヒト)用の検査キット」を利用可能です。しかし、人間と牛では血液の成分が微妙に異なるため、ヒト用のキットで出した結果の特性を正しく知る必要がありました 。
この研究では、日本や海外で使われている2種類のヒト用検査キットを使い、79頭の牛のサンプルを分析して、その「実力」を比較しました 。
■ この研究でわかったこと
- 基本はOK!
血液中のトータルのタンパク質量や「アルブミン(栄養状態の指標)」については、どちらのキットも非常に正確に測定できることが証明されました 。
- 病気の「サイン」を捉える
重い炎症がある牛や、生まれたばかりの子牛では、特定のタンパク質同士が「くっついて」見える現象が確認されました 。この現象を正しく理解することで、より正確な診断が可能になります。
- 「どのキットを使ったか」が重要
キットの種類によって、細かい成分(グロブリンなど)の数値にわずかな「クセ(誤差)」が出ることがわかりました。そのため、獣医師がデータを読み解く際には、どの検査キットを使ったかを意識することが重要です。
■何に役に立つ?
- 牛の医療の質の向上
身近にあるヒト用の検査キットを、牛の健康の「正確なものさし」として獣医療に活用可能です。
- データ共有がスムーズに
世界中の獣医師が同じ基準でデータを比較しやすくなり、畜産業の発展に貢献します 。
【掲載誌】 Journal of Veterinary Medical Science
【論文名】 Evaluation of two human diagnostic agarose gel electrophoresis kits for bovine serum protein fractionation
【著者】Norio Yamagishi, Khaing Shwe Sin, Hijiri Suyama, Akari Kawamura, Shinobu Tsuchiaka, Kouki Itagaki, Sueun Kim, Shingo Ishikawa
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