CanSat Project

CanSat Project

CanSat とは

CanSatとは、空き缶サイズの容器の中に、衛星と同じ機能を持った模擬衛星のことです。このCanSatは、実際には宇宙には行かず、気球やロケットで上空まで打ち上げられて、その後放出し、パラシュート等を開いて降下中に様々なミッションを行います。このCanSatの定点着地を競う大会(Comebackコンペ)が、国内外で行われています。大きな大会としては秋田県能代市で行われる「能代宇宙イベント」、米国ネバダ州のブラックロック砂漠で行われる「ARLISS(A Rocket Launch for International Student Satellites)」があります。CanSat は、USSS1998 においてStanford 大学のTwiggs 教授により提案されたものであり、当初は模型ではなく実際に宇宙で運用する超小型衛星となる予定でした。

   

新入生教育

新入生教育とは

新入生教育とは、センター新規加入者に対し、衛星・ロケット開発に必要な技術習得をしてもらうために、学生が自主的に実施している教育活動です。
2011年度から実施されています。

基本コンセプト

  • 価値創造・システム思考
  • モデリング
  • 仮説検証

講習内容

CanSatプロジェクト

本センターでは新入生教育の一環としてCanSatプロジェクトを行っております。

 

目的

座学ではなく、実際の開発プロジェクトを通して以下を目的を達成します。

  • 新入生教育で学んだプログラミング・電子回路・システムモデリングの実践
  • システム開発に必要な考え方、文書の作成方法の習得
  • プロジェクトマネジメント能力の向上
  • コミュニケーション能力の向上
     

工夫点

昨今、物を作ることではなく、ユーザーに受け入れられるサービスを提供することが重要だと考えられます。
そこで、以下に重点を置いています。

  • CanSatの価値を決めるミッション定義フェーズの重視
  • 要素設計、試験といった開発フェーズを素早く完了させるための、カリキュラム策定、上回生のサポート

歴代 CanSat

Cansat A班2022-A班
2022年度A班が作成したCanSatです。ミッションは複数地点での土壌サンプルの回収です。走行試験がうまくいかず、気球試験では走行制御をオミットして、サーボモーターととりもちを用いた回転するサンプル回収機構の動作を目標としました。しかし本番ではパラシュートがうまく開かず、着陸後、部分的に破損して動かなくなりました。 
cansat-c2022-C班
2022年度C班が作成したCanSat「KOHE」です。ミッションは「災害時の被害状況確認」で、ラズパイによるカメラ映像のストリーミングと遠隔操作を行いました。気球試験では、通信がうまくいかないことや、パラシュートに引きずられて機体が横転し、ミッションの継続が不可能になるなど、単体試験の重要性を学びました。
cansat-D2022-D班
2022年度1回生D班が製作したCanSatです。ミッションは防水・水上移動機構の実証です。全体を通して、最も苦労したことは設計でした。当日はモーターが回らない、テグスが焼ききれないなどいろいろ不具合は生じましたが、無事に防水・水上移動は成功しました。
CanSatAカーCar
2021年度1回生A班が製作したCanSat「カーCar」です。搭載したカメラから動画をリアルタイムで配信し、遠隔操作を行い、カラスに見立てた対象物にカラスの嫌がる音声を流すというミッションを行いました。結果はすべて成功しました。
cansat-Bギラティナ
2021年度1回生B班が製作したCanSat「ギラティナ」です。ミッション内容は六足歩行をし、3~7cmの段差を乗り越えるといったものです。本番までの試験では満足に歩行や段差を乗り越える動作を行うことはできず、本番ではCanSatの放出機構が落下して機体が大破してしまいました。
cansat-C2021-C班
2021年度1回生C班が製作したCanSatです。ミッションは災害時の避難誘導で、避難勧告をしながら自動で避難場所に向かいます。試験では目標地点到達と音声の発声は達成できましたが、音声・速度の無線での変更ができませんでした。
CanSatD2021-D班
2021年度1回生D班が製作したCanSatです。分離機構を有するCanSatの製作に挑戦しました。主なミッションは、砂の採取と機体の撮影でしたが、機体の形状からミッションはとても難航しました。単体試験の甘さなども痛感しました。
cansatE道案内CanSat
2021年度1回生E班が製作したCanSat「道案内CanSat」です。道案内CanSatのミッション内容は、目的地の座標を設定し、そこまでCanSat で誘導し道案内するというものです。最終試験の結果は、気体放出後、GPSを取得できず道案内をすることはできませんでした。
2020_A2020-A班
2020年度1回生A班が製作したCanSatです。ミッション内容は横転や破損することなく安全に着地させることと、着地後パラシュートを分離し直進することです。試験結果としては、3回のうち2回は着地後直進できませんでしたが、3回目は直進した上で成功通知を送信することができました。
2020_BW-collector
2020年度B班が製作したCanSat「W-collector」です。水の存在する惑星などに着水して、水を回収・分析することで生物が存在する可能性を調査することを目的としました。各機構単体での動作は確認できましたが、統合が遅れたため回路の不備を修正することができず、ミッション成功とはなりませんでした。
2020_C2020年度-C班
2020年度1回生C班が製作したCanSatです。コロナ禍の社会において外出自粛が叫ばれていることを背景とし、人間の代わりにCanSatに買い物に行かせることで人々の外出自粛を支援し、感染リスクを下げるとともに不安を解消することをミッションとしました。
2020_D俺たちのジョバンニ99
2020年度1回生D班が製作した「俺たちのジョバンニ99(ダブルナイン)」です。近年高まる宇宙旅行への関心から、疑似月面探査を楽しむためのCanSatです。落下地点の位置情報から予め定義した2つのフォトスポットと観測地点(ゴール)への最短距離を計測、映像を撮影・保存しながらルートに従って走行し、ゴールへ向かいます。到達判定はできたものの、直進走行に失敗しました。(2015年度、俺たちのMY WAYをオマージュして命名)
2019_AKASSMY
2019年度1回生A班が製作したCanSat「KASSMY」です。ミッションは火星の環境で植物の栽培が可能かどうかを実験する装置の開発です。種をまくなど単体で動くことは確認できましたが、プログラムの不備や落下時の衝撃などにより、ミニマムサクセスとしていた項目も完璧にこなすことはできませんでした。
2019_BWall;E
2019年度1回生B班が製作したCanSat「Wall;E」です。他惑星において未確認生命体を発見し、撮影・送信を行うことをミッションとしていました。本番ではパラシュートを切断できず、パラシュートを引きずりながらとなりましたが、走行・障害物回避・撮影までを行うことができました。しかし、撮影データの送信完了とはなりませんでした。かわいい構体がトレードマークです。(愛称はディズニー映画”Wall;E”に由来)
2019_DISO-SAT
2019年度1回生D班が製作したCanSat「ISO-SAT」です。ミッションはCanSatが降り立った現地の地表の物質(1g以上)を採取して、予め設定した位置へ帰還することでした。3回の試験のうち2回の試験では地表の物質の採取に成功しましたが、設定位置への帰還は失敗に終わってしまいました。
2019_FFioresa
2019年度1回生F班が製作したCanSat「Fioresa(フィオレーザ)」です。気球から放出された瞬間から着地までの動画を撮影し、保存することをミッションとしていました。気球試験の際は電池がボックスから外れたり、パラシュートが開かずに自由落下し、機体が壊れることはなかったものの、ミッション成功とはなりませんでした。
2018_A咲Ceed
2018年度1回生A班が製作したCanSat「咲Ceed」です。「咲Ceed」は火星において無人で植物の種を蒔くことを目的としており、投下・パラシュート分離後に種と土を放出します。機体の反転によりフルサクセスは未達成ですが、パラシュートとスタビライザーの自動分離というミニマムサクセスは達成できました。
2018_CVenee
2018年度1回生C班が製作したCanSat「Venee」です。山の遭難者探索にかかる費用や負担を軽減することが目的です。3回目の投下実験で着地後横転してしまいましたが、フルサクセスである「画像認識で人を発見」「取得した位置情報と画像を送信し外部で受信」という項目が達成できました。
2018_DMOSSAT
2018年度1回生D班が製作したCanSat「MOSSAT」です。慣性センサと光センサを組み合わせた位置推定をミッションとしていました。3回目の投下実験の際、パラシュートのテグスが破断して自由落下、地面に激突して爆散してしまいました。
2017-11_cansat-a豆腐サット
2017年度1回生A班が製作したCanSat「豆腐サット」です。このCanSatはプロペラを用いて落下速度を減速させることにより、構体の中に乗せた豆腐が落下による衝撃によって壊れないことを目的としました。
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転がれ大村君

2017年度1回生B班が製作したCanSat「転がれ大村君」です。落下後に立方体型の構体が任意の面が上向きになるように回転させることをメインミッションとしました。しかし、試験当日にパラシュートを固定していたテグスが切れ、構体が自由落下しミッションが失敗となりました。
G-SAT

G-SAT

2017年度の1回生のC班が製作したCanSat「G-SAT」です。落下中に上空からターゲットを撮影することをサブミッション、着地後目標ポイントまで自律走行し、別のターゲットを撮影することをメインミッションとして行いました。
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ツイ缶

2016年度1回生A班が製作したCanSat「ツイ缶」です。地上を走行し目標ポイントまで到達することをメインミッションに掲げ、他にも、①地図上に自身の位置情報をプロットし、走行した軌跡を描く②その位置情報と地図の画像を随時ツイートする、という2つのサブミッションを抱えていました。しかし、種コンではパラシュートは開いたものの、着地の衝撃で電源が供給されず、ミッション遂行不能という結果に終わりました。
∞++

∞++

2016年度1回生B班が製作したCanSat「∞++」です。 メインミッションとして地上を走行しながら目標地点を目指し、 これに加えて目標地点到達後に自撮り棒を展開して自機の撮影を行うこと をサブミッションとしていました。しかし本番では着地の衝撃で大きく破損、 自撮りはおろか、走行することもかないませんでした。
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俺たちのMY WAY

2015年度1回生A班が製作したCanSatです。地上を走行し目標ポイントまで到達するというメインミッションに加え、目標ポイント到達後、バラを差し出し、愛の告白を再生するという2つのサブミッションを抱えていました。しかし、パラシュートの固定部分が破損し自由落下、ミッション遂行不能な状態になってしまいました。
B班のCanSat

B班のCanSat

2015年度1回生B班が製作したCanSatです。「CanSatが気球から落下後、事前に設定された目標地点まで自走して到着する。」ことをミッションとしていました。最大の特徴は構体にプラスチック段ボールを使用したことです。
bobmax

BobMax

2014年度の1回生のB班が製作したCanSatです."面白いCanSatを開発"がコンセプトであり,型にはまらないものを目指し,メインミッションのランバックに加えて特徴のある(自称)サブミッションを設定しました.コミュ症三銃s
Yastronaut

Yastronaut

2013年度の1回生のC班が製作したCanSatです.搭載した生卵を割らずに着地することをメインミッション、CanSatの落下軌道をセンサの値をもとに描くことをサブミッションとして行いました。
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β(ベータ)

2013年度1回生のB班が製作したCanSatです.CanSatによる土壌採取をメインミッションに,モーターによるあらゆる動作の制御,および重心を利用した姿勢制御に挑戦しました.独自の機構が多く,見た目も新しい木造CanSatです.
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つくし

2013年度の1回生(A班)が製作したCanSatです.CanSatの位置・高度データを地上局で受信し,リアルタイムで3Dグラフ表示することをメインミッションとして行いました.写真後方の黄色のパラフォイルは自分たちで製作したものです.
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FNKS-A2RO

2012年度の1回生が製作したCanSatです.こちらもローバーで,二輪走行タイプです.昨年のCanSatをフィードバックして作られました.A1ROは本番前の気球試験で大破しました.
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Bチーム

2011年度の1回生が製作したCanSatです.SSSRC初のローバーで,しかもパラフォイルも付いて,空中で制御可能という欲張りなCansatです
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O-STAR

2011年度の1回生が製作したCanSatです.こちらもローバーで,キャタピラタイプです.どんな障害でも乗り越えられるというタフなCansatです
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向日葵

当時の1回生が製作したCanSatです.GPSや光センサを搭載.また,太陽電池を用いMPPT制御をおこないました
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HIRO-Ⅳ(ヒロシ)

H20年度のCan-Satの問題点を検証し、GPSに加えてジャイロセンサを搭載した、翼展開タイプのCan-Satです。府大でのテスト飛行こそ安定した滑空が確認できましたが、大会では不調に終わりました。また、1年生と3年生が共同で製作しました。
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翼(つばさ)

府大初の可変翼Can-Satに挑戦した機体です。1回生と2回生が共同で製作しました。
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白鷺(しらさぎ)

当時1年生の学生が中心となって開発したCanSatです。基本的にはCanSat「雲雀」の技術を参考に製作を行いました。種子島ロケットコンテストに出場したが、ロケットの不調で、打ち上げられることはありませんでした
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雲雀(ひばり)

これまで出場したことがなかった能代宇宙イベントやARLISSに出場することを目標としたCanSatです。Comebackに必要な機器しか搭載していないシンプルなCanSatです。能代宇宙イベントでは失敗したが、ARLISSでは、優勝を飾ることができました
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宙(そら)

Comebackコンペに必要な技術を習得することを目的としたCanSatです。必要最低限の機器しか乗っていなく、かなり小さいです。種子島ロケットコンテストに出場しましたが、風に流されて、山の中に入ってしまいました。行方不明中…
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椿(つばき)

ミッションに特化したCanSatを作ろうと、アドバンスドなミッションに挑んだCanSatです。種子島ロケットコンテストに出場しましたが、ロケットの失敗で、放出されませんでした。
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紅花(べにばな)

CanSat「小宇宙」で製作した構体に、無線機とGPSを搭載したCanSatです。ロケットの失敗で、放出されませんでしたが、確実にデータを送信していました。
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小宇宙(コスモ)

記念すべき1号機です。電子工作についてほとんど無知の8人で、幾度の徹夜を越えて製作しました。主なミッションは、上空大気のCO2濃度の測定です。うまく動きませんでしたが、多くの知識・経験を習得しました。

提供

2020~2022年度の新入生教育における各種講習及びCanSatプロジェクトでは,STマイクロエレクトロニクスユニバーシティ・プログラムより,マイコンの提供を受けて実施しております.