SSSRCだより

2022年3月1日

SSSRCだより 2022年3月号

これからの衛星開発に向けて

お久しぶりです.構造系に所属している学部4回生の西川です.ひろがりの打ち上げから約1年が経ちました.コロナ禍で大変な中での皆様のご協力により,ひろがりは無事宇宙空間にて,多くのミッションを達成することができています.そんな中,私たち構造系では,次なる衛星(仮称:OPUSAT-III)開発に向けて,安全審査や図面の描き方などの勉強会を開いております.今回はそれら勉強会を行うにあたり,構造系で工夫していることを紹介します.

まずは,安全審査に関する勉強会での工夫について紹介します.安全審査は,衛星をJAXAに引き渡す際の重要な工程であり,安全審査での条件を満たすように衛星の設計・組立を行います.安全審査に必要な知識を多くのメンバーに共有するために,構造系の数人で協力し,要点だけをまとめた資料を2種類作成しました(新入生向けの簡単なもの・構造系メンバー向けの詳しいもの).さらに,アウトプットができるよう,いくつかの枠組みごとに簡単なテストを作り,知識の定着ができるように工夫しました.

次に,図面の描き方についての勉強会での工夫です.衛星の部品を向上に発注する際,必要となるのが図面です.図面の学習では,“輪講”を行いました.輪講とは,1つ本などを数人で分担し,担当箇所を順番に発表することを言います.この輪講に,“発表後に聞いていた人は少なくとも1つ感想または質問を言う”というルールを追加し,メンバー全員が能動的に輪講に参加できるよう工夫しました. 以上のような勉強会を通じて,多くのことを学ぶことができ,メンバー同士の仲も深められたと感じます.今の世代のみではなく,これからの後輩たちにも勉強会で学んだ知識が伝達され,これからの衛星開発に少しでも生かされることを願っています.

勉強会の様子

航空宇宙工学課程 4年 西川誠寿

OPUSATIIIの近況

こんにちは,学部3年の西尾圭太です,現在SSSRCの衛星プロジェクトでは本センターの新規開発衛星OPUSAT-IIIの初期検討を行っています.これまで様々な先生方にお話を伺い,検討を進めた結果2022年1月にメインミッションが決定しました.OPUSATIIIでは,「軌道上のワイヤレス電力伝送実証」,「GPSセンサをもちいた姿勢測位ミッション」,「アマチュア無線ミッション」の3つを実施しようと考えています.まだ曖昧で粗くしか詰めることができていないためこれから詳細な検討を行っていきます.メインミッションの1つの「軌道上のワイヤレス電力伝送実証」は,2021年当センターの有志で参加した衛星設計コンテストにて考案した「ワイヤレス電力伝送実証衛星”Wi Sat”」のミッションをもとに決定しました.また,バス部を担当する各系では初期検討をスムーズに進めるために工程を作成し,その工程に沿い衛星開発を行く予定です.OPUSATIIIも”ひろがり”のように成功するように,衛星設計コンテストや”ひろがり”開発・運用の経験を活かし,OPUSATIIIの開発を頑張っていきたいです.

※写真は検討途中のミッション検討のものです.

航空宇宙工学課程3年 西尾圭太

新入生教育を終えて 

こんにちは.新2年生の山本航平です.昨年は新入生教育の一環として,CanSat講習に取り組んでいました.僕が所属していたE班では,道案内をするというミッションを設定し,GPS の位置情報データを用いたCanSatを製作しました.Wi-FiやWebアプリを用いた制御にも挑戦したのですが,通信が上手くいかず失敗に終わりました.気球を用いた投下試験での結果は芳しくなかったものの,チームでの数ヶ月に渡る開発をほとんどした事が無かったので,とても良い経験になりました.CanSat講習の全班のミッションなどはSSSRCのブログに書いていますので,是非ご覧ください.

さて,2年生になるにあたり,先日ロケットや衛星のプロジェクトへの配属が行われ,僕は衛星プロジェクトの電源系に配属されました.電源系はその名の通り衛星の電源周りを司る系で,太陽光パネルを用いた発電やバッテリーでの蓄電をはじめとした回路全般を扱っています.僕は1年生の時に電源系の先輩方にチップ抵抗のはんだ付けを教えていただいたこともあり,これから電源系として開発に取り組むのが非常に楽しみです.本格的に開始された次号機の衛星開発に向けて,同期や先輩方,そしてこれから大学に入学する後輩とともに取り組んでいきます. 

CanSat投下の様子 

はんだ付け練習の様子 

機械系学類1年 山本航平