SSSRCだより

2021年9月1日

SSSRCだより 2021年9月号

ロケットプロジェクトの近況 

こんにちは、学部3年の猿渡です。私たちロケットプロジェクトは、次回の打ち上げに向けてモデルロケット「千草」の開発と、燃焼型のハイブリッドロケット開発の準備を同時に進めています。今回は私が所属している構造系と燃焼班の7~8月の活動内容を紹介したいと思います。 

構造系では安全審査書を書いたり、ノーズコーンやカプラを3Dプリンターで作ったりしています。(ノーズコーンはロケットの先端部分、カプラは胴体をつなぐ部品です)安全審査書は、ロケットが飛翔中に壊れないことや定められた範囲内で回収できることを示すもので、構造系では部品の強度を破壊試験や計算から求め記入していきます。私はパラシュート放出機構を担当したのですが、書いてみると第三者に正確に伝えることは難しく、審査員からは説明不足と返ってきました。1年生への新入生教育でも力を入れている文書作成能力というのは改めて大切だと感じました。今回の機体のノーズコーンとカプラでは、メンテナンス性を向上させるために接続部分全体をねじにする新たな構造に挑戦しています。3Dプリンターで造型するのですが、約1年ぶりの使用ということもあり調整に苦労しました。当センターにある3Dプリンターは少し古いため、造型するものを支える部分が歪んでいたり、プラスチックのフィラメントを連続的に供給できなかったりと様々な問題を抱えています。先日、試作品を完成させることができたため、改良を加えより扱いやすいものにしていきたいです。 

燃焼班では、ハイブリッドロケットの打ち上げに用いる装置の設計を行っています。燃焼型ロケットでは酸化剤を注入する新たな装置が必要になります。まだ知識が乏しく手探りの状態ですが、外部の先生にもご指導いただき製作する予定です。 

打ち上げの時期は未定ですが、前回よりも整備しやすく安全なロケットを作れるように引き続き頑張っていきたいと思います。 

屋内, テーブル, 椅子, 座る が含まれている画像

自動的に生成された説明

3Dプリンターで造型している様子 

回路 が含まれている画像

自動的に生成された説明

部品へのねじ切りの様子  

ダイアグラム が含まれている画像

自動的に生成された説明

作成中のノーズコーンのCADモデル

機械工学課程 学部3年 猿渡光一

半年の振り返り

はじめまして、学域2年の松村です。半年ほど前にプロジェクト配属があり、僕は衛星プロジェクトの構造系に所属することになりました。ここでは構造系で半年間やってきたことをいくつか簡単にお話したいと思います。

僕たち2年生は構造系に所属してまだ日が浅く、衛星開発に必要な知識や技術を得るために先輩方による2回生講習が行われます。その中で実施されたCAD講習では、次の衛星開発で実際に使用することになるCADソフトを使い簡単なCADモデルや図面の作成の仕方を教わりました。そして最終的には1年生の時に班で作ったCanSatの部品一つ一つをCADで作成しアセンブリ(モデリングした部品をコンピュータ上で組み立てる)をすることまでできるようになりました。CADソフトではCADモデルの作成だけではなく構造解析(解析するモデルに生じる力や変形を調べること)もすることができ、実際に衛星開発を行う時にはこの解析機能を用いていくことになります。

つぎに3Dプリンター講習では3Dプリンターの使い方を学び、実際にCADで作成したモデルを3Dプリンターで作るということをします。作るモデルは...そう、我らが「おぷー」です。コロナ禍でなかなか衛星部屋に行くことができずまだ完成には至っていませんが、実際に3Dプリンターを動かして「おぷー」のフィギュアを早く作ることができればと思っています。

他にも2回生講習の中で現在運用中の超小型衛星「ひろがり」のEMの組み立てや、安全審査講習なども行いました。

現在、僕たち2年生は日々衛星開発のための知識と技術を身に着けている最中です。これから始まる「OPUSAT-Ⅲ」の開発ではSSSRCの一員として団体に貢献できるよう一所懸命頑張っていきます。よろしくお願いします。


CADソフトで作成したCanSatのモデル

航空宇宙工学課程 学部2年 松村昂弥

開発環境構築中

こんにちは。学域4年の川原です。夏に入りましたが相変わらず雨が多かったり、気温の差が激しかったりと大変な気候になりましたね。

さて、2回目の投稿となりますが、前回は2019年10月と2年の時にこのSSSRCだよりを書いていたようです。この時はアンテナが改修されたばかりでまだ衛星が打ちあがっていなかったときのようですが今は運用を進めているので2年の歳月はかなり早いですね。

今回は自身が所属しているC&DHの状況について書こうかと思います。

このC&DH系がどのようなことをする系かといいますと、衛星において、各機器の状態のデータや送受信のデータなどの管理を行う系です。現在運用を行っている「ひろがり」ではその前に作ったOPUSAT-KITを元にこのような管理を行っています。

C&DH系ではソフトウェアだけでなく実際にOBC(On Board Computer)を使って実験をしてみるということが重要なのですが、コロナ禍の現状も踏まえてリモートで基板やシステムなどを試作することなどできるわけありません。そのため、開発環境を整えるためにもGitHub講習を行っています。

GitHubはバージョン管理ができることやレビューがしやすいという開発環境として向いていますが、問題点としてGitHubを導入する際になにを始めたらよいのかというハードルが高いということが挙げられます。実際に2年の時にバス部分をいじる際にGitHubを使用することになりましたがそのGitHubの勉強にかなりてこずり、最終的にコードをzipファイルでGitHubから持ってきていじるという脳筋手法でGitHubのうまみをなくしてしまうということをしていました。そのため、GitHubを勉強してねと投げ捨てるのではなく講習という形をとってやってみています。

とりまとめをしてみて、未だに行き当たりばったりですが新たな衛星を開発するに関してよい報告ができるよう頑張っていきたいと思いますので応援のほどよろしくお願いします。

Github講習

航空宇宙工学課程 学部4年 川原大毅