SSSRCだより

2019年7月1日

SSSRCだより 2019年7月号

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CEESロケットプロジェクト活動紹介

 こんにちは。我々、CEESロケットプロジェクトでは、液体窒素とお湯を用いた二液式コールドロケットの開発を行っています。昨年度はメンバーの都合で一年間活動を休止しておりましたが、新入生も迎えて本年度より再始動となります。現在開発中のロケットは「CEES-V」で、本年度内の打ち上げを目処にしており、開発目的として「更なる安全性の向上を目指した半自律型ロケット」をあげています。また、開発は推進系、構造系、電装系の3つの系に分けて行っています。 ・推進系 推進系ではロケット発射に必要な窒素の推進力を測定し、発射後の起動および姿勢制御の計算を行います。そして、シミュレーション通りになるようにプログラムとしてロケットに導入します。今回のロケットでは発射から最高高度までの機体の姿勢を記録するため、現在センサーで傾きを計測するプログラムの開発に取り組んでいます。 ・構造系 構造系ではロケットの噴射口部分及びカプラ(ロケットのパーツ同士を繋げるパーツ)の設計を行っています。設計製作では、大部分を新入生が担当しています。設計が終わり次第、順次期待の組み上げを行なって行く予定です。 ・電装系 電装系ではロケットに搭載する電子機器類、いわゆるアヴィオニクスの制作を担当しています。これはロケットの頭脳とも言える箇所であり、ロケットの安全な運用やミッション達成のためには必要不可欠なものです。

今後ともご支援よろしくお願いします。

CEES会議の様子

CEESロケットプロジェクトの活動

機械工学課程 修士1年 千種 成尚


EM基板での苦戦

 お久しぶりです.学部3年の仲瀬です.前回執筆させていただいた頃は僕もまだ1年生で,衛星開発に対してワクワクしていた半面,不安もかなり抱いていましたが,今では純粋に衛星開発の面白さを実感しております.現在,僕はEM基板でのミッション部のソフトウェアの試験を行っています.この試験では,BBM基板からの設計変更を踏まえて,現在の回路の設計で問題がないかを確認したり,ハードウェアの変更に伴うソフトの修正を行ったりしています.しかし,実際に動かしてみると,電波が出なかったりカメラが動作しなかったり,過電流を検出するヒューズが故障したりと,色々とバグが生じており,毎日バグの回収が続いています.また,一人では解決できないことも少なくなく,自分がまだまだ力不足であるとともに,今の設計に対して認識が足りていないことを実感させられます. 一方,今年の3月ごろから新たに2年生が衛星開発に加わり,これからやってもらう仕事の内容を教えたりもしています.後輩たちの勢いに負けないよう,また,これからの衛星開発を引っ張っていけるよう,僕もより一層主体的に開発に取り組んでいこうと思います.

EM基板を用いた試験

実際のミッション部のソフトウェア

航空宇宙工学課程 学部3年 仲瀬 寛輝


通信系の役割

 はじめまして。学部二年の中村です。私はいま、ひろがりプロジェクトのミッション機能系と通信系に所属しています。何も知らない一年生がプログラミングを学び、回路やシステム思考について学び、Cansatプロジェクトを経て、ようやく衛星プロジェクトの一員に加わりました。とは言っても、加わった当初は実際の衛星開発の現場について何も知りませんでした。何が分からないのか分からないといった状態です。2月から今に至るまで、毎週の系内会議に参加し、資料を読み、先輩方に指導していただきながら衛星開発について学んでいます。今回は通信系の役割について取り上げました。 通信系に所属し、先輩方がこれまで試行錯誤を繰り返して作り上げられた機能の内容を教えていただいています。通信系の役割は、衛星が宇宙で得たデータを地球で確認することです。データ(シンボル)は電波に乗せられることで、衛星局から地上局に送られます。ひろがりでは、四種類の電波への乗せ方(変調)を試します。具体的には、AFSK1.2kbps、GMSK9.6kbps、GMSK13.6kbps、4FSK19.2kbpsです。前三つはデータを0〜255に量子化した波、四つ目は0/1を判定できる波になります。後ろの〜bpsはデータを送る速さです。衛星局がデータを乗せた電波を放射します。そうすると地球局では、電波を受信し、受信した電波からデータを取り出す(復調)設備が必要になります。ここが私の担当になるであろう箇所です。まず、地上局がデータの乗った電波を見つけるために、衛星局はあらかじめ決めておいた波(プリアンブル)を流してからデータを乗せた波を流します。地上局では、プリアンブルを特定することでその後に続くデータの波を取得することができます。そしてその波形を欲しいデータに戻します。現時点では、コンピュータ内で読み込んだ波形を正確に復調するプログラムが完成しています。今後は、無線で送った電波を、そのプログラムで復調できるかを確認する工程が続きます。 内容に間違いがあるかもしれませんが、その際はご了承ください。すでにさまざまなタスクを振られ、こなしている同期をみて、私も勉強とうまく両立させながら今後さらに衛星開発に携わっていけたらと思います。来月受験するアマチュア無線技士検定3級も楽しみです。

試験の様子

航空宇宙工学課程 学部2年 中村 紗也


教わる側から教える側へ

 こんにちは, 初めてSSSRCだよりの執筆を担当させていただきます, 学部2年の森瀧と申します. 私はSSSRCで唯一, 情報工学課程に所属しております. それゆえに, 先輩から授業やテストに関する情報をもらえなかったり, 同期が授業の話で盛り上がっている輪に入れなかったりすることが最近の悩みです. SSSRCではミッション系に属しており, 現在は衛星との通信を行う地上局にて衛星から受信するデータをデコードして衛星の状態を出力するプログラムを担当しております. こちらのプログラムですが, 「情報を符号化して送信し, 受信してから複合する」というプロセスの複合の部分を担っておりまして, 情報工学課程における授業と関連する部分もあり, 楽しいばかりです. さて, 前置きが長くなりましたが, 今回は私が衛星プロジェクトとは別に担当しております, 新入生教育についてお話ししたいと思います. 当センターでは毎年, 新たにセンターに入所した学生に, 人工衛星の開発に必要な技術や, チームで一つのプロジェクトを成し遂げる力を身に着けてもらうため, プログラミング・電子回路の講習を受け, CanSatの開発実習をしてもらっています. ありがたいことに, 本年度は昨年度の二倍となる, 40名もの新入生が入所してくれました. 現在はプログラミング・電子回路の講習を終え, SE(システムエンジニアリング)講習を受けてもらっています. 私は昨年の教わる立場から教える立場にまわり, 新入生が初めて触れるプログラミングに四苦八苦している姿を, 昨年の自分に重ねながら微笑ましい気持ちで眺めています. 本年度は教える立場となりましたが, 昨年度一年間で得たことを新入生に受け継ぐとともに, 初心を振り返って, 改めて衛星開発の方にも力を入れていきたいと思います. 新入生は来月から本格的にCanSat実習に入り, 苦悩を重ね, 右往左往しながらCanSatプロジェクトを進めていくことになると思います. 来年度から, この新入生教育を通して大きく成長した彼らとともに開発を行えることを楽しみにしています.

新入生教育

電気電子系学類 情報工学課程 学部2年 森瀧 瑞希