SSSRCだより

2018年5月30日

SSSRCだより 2018年5月号

 

2018年度の新入生が入所しました!

 毎年,新たにセンターに参加した学生に,人工衛星やロケットの開発に必要な技術や,仲間と一緒に1つのことを成し遂げるための力を身に着けてもらうために,プログラミング・電子工作の講習を受けたり,CanSat の開発実習をしてもらっています. 今年の新入生が講習を終える頃には,現在開発中の OPUSAT-II 完成間際の最終調整があり,その後には新たに開発が始まるであろう OPUSAT-III の初期設計を行うことになります.そこで彼らに必要になるのは,完成度の高いシステムを作ったり,世の中のニーズを満たすことのできるシステムを考え,適切に設計する力です. 昨年度までの CanSat 実習では,CanSat に搭載するセンサやアクチュエータの動かし方から開発してもらっており,個々の要素を動かせるようになるまでに時間と労力を奪われていました.その結果として,目的を果たすために本当に必要な機能は何なのかを考えたり,個々の要素を連携させて完成度の高いシステムに仕上げるためにはどうすれば良いのかを考えることに時間をかけることができていませんでした.そこで今年度は,CanSat によく利用されるセンサやアクチュエータの使い方を教えた上で,CanSat の開発をやってもらうことで,意義のある完成度の高いシステムを作るための力を身に着けてもらおうとしています. 今年は22名の学生がセンターに参加しました.今はプログラミング講習の最中で,初めて触れるプログラミングに四苦八苦しているところです.彼らがこの新入生講習を通して大きく成長してくれることを期待します.

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新入生教育の様子

 

1回生と集合写真

工学研究科 機械系専攻 修士2年 五十嵐 賢哉


衛星の試験が続々と行われています!―衛星プロジェクト

アンテナパターン試験を担当した4年生の籏福です.僕はSSSRC内で地上と衛星が通信できるようにする班に所属しており,今は海外でも電波を出す許可を得るための申請書を書いているところです.その中で、アンテナパターン試験の結果について書く必要があるのですが,そもそもアンテナパターン試験というのは,簡単に言えば現在の衛星の構造と,衛星に搭載しているアンテナでしっかり電波が出せるのかを計測する試験です.一般的に電波は障害物がある場合,通り抜けたり回り道をしたりしながら進むのですが,金属にぶつかると反射されるので,金属でできている衛星と電波の干渉度合いを確かめる必要があります.衛星からの電波がうまく出ていないと地上にいる僕らと通信を行うことができないので,宇宙で衛星が取ってくれたデータや衛星自体の情報を僕たちが知ることが出来なくなってしまいます. 試験では,外部との電波の出入りがない部屋で,衛星から電波を出してそれを別のアンテナで受け取るということをしました.そして衛星が出す電波の特性をパソコンで解析をして,解析結果から衛星がしっかり電波を出せているかを判断します.今回の試験のおかげで,現在の構体とアンテナで地上と衛星が通信できるくらいの電波が出ていることがわかりました. 僕はこの試験を通して,準備の大切さを知りました.試験本番で準備してきた銅線が切れていて,それに気が付くまでに数時間かかってしまったからです.準備を怠らないようにすることを自分の胸にしっかり刻み,後輩たちにも伝えていこうと思います.

アンテナパターン試験の様子

工学域 機械工学課程 4年 籏福 亘


初めまして,SSSRC所属の植田凱斗です.私は衛星プロジェクトでは,通信系と電源系に所属しており,名前の通り衛星の地上局との通信と電源系統の開発に携わっています.ここでは,この数カ月の私の活動について話をしようと思います.私は今年の2月に通信系に配属され,そこで待っていた最初のタスクはアマチュア無線三級の資格を取ることでした.結果を言うと,なんとか合格でしたが,その後,通信系では私が担当出来る仕事がないということで,電源系でEM回路設計を担当することになりました.この工程では,これまでの回路図で変更が必要な部分を検討し,部品の変更などを行いました.このタスクでは衛星に搭載されるあらゆる機器に流れる電流について考慮する必要があるので,個々の機器の特性はもちろん,衛星の基本的な動きについても知っておく必要があり,また,回路図を編集するソフトウェアを扱う方法についても学ぶ必要がありました.最初は,初めてのことが多く,戸惑うことも多かったですが,工程は無事終了しました.この工程を通して私が成長したと実感したのは,タスクの消化のために衛星の運用についての知識を深められたことと回路図編集の技術を得られたことです.また,作業を進める中で多くの事を先輩方に指導してもらいました,しかし,来年になれば今の三回生は院試に忙しくなり,大学院生の先輩方も就活に時間をとられることになるので,私たちの世代が開発の中心となる必要があります.その時になって,誰かに聞かなければ,何もできないような状態では話にならないので,それまでに,さらに衛星についての知識を深めないといけないと感じました. 現在,私は通信系としてトランシーバの機器設定の模索と電源系として構体の展開試験における電力供給の方法の検討を行っています.どちらも,衛星の運用において非常に重要な項目であるので気が抜けません.この試験もFM試験の際には自分達が中心となれるように,積極的に参加し,多くの事を学びたいと思います. 

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通信系試験の様子1

工学域 電気電子系学類 2年 植田凱斗


衛星の通信系配属となった2回の鹿野です. 現在は衛星の初めての仕事として機能の実装に取り組んでいます. 自分の担当した機能は「高速通信性能確認」といい衛星が設計通り高速通信を行えているのか確認するものです. 開発には当初の想定より大幅に時間がかかり, 自分の未熟さを痛感させられています. 中でも一番時間がかかったのは, 確実に動作する機能を開発することでした. 衛星は動作が保証されていなければなりません. そのために, 機能を開発するのみならず, 試験の計画書を作成し、内容が承認されたのち, それに沿って試験を行い, また報告書を作成し承認をもらう、というプロセスがセンターでは採用されています. 自分の理解不足でこの試験計画書と試験報告書なかなか承認されず, 幾度も修正を指示されました. 現在はそれらも承認され、一息つくことができています. 大変な作業でしたが, 開発している衛星の理解が深まりました. 今後はこの経験を生かして予定通りに開発を行いたいと思っています. また今年度から衛星開発以外の仕事における委員会制度が始まり, 自分は新入生教育委員会に加わることになりました. 新入生教育委員会では新入生が1年後, 進行中のプロジェクトに滞りなく加わり活躍してもらえるように必要なスキルを教えます. 今年度は前年度よりハードな内容となっており, 自分も知らないプログラミングも教えるという少し奇妙な状況に陥り新入生とともに勉強しています. また去年の新入生教育ではGPSや加速度センサーといった電子部品の扱いが含まれておらず, 自分たちはCANSATで苦い経験をしました. 今年度はそれを踏まえてそこに重点をおく内容になっています. 今年は多くの新入生が入所してくれたので, 今後一緒に活動するのが楽しみです. 

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通信系試験の様子2

工学域 機械系学類 2年 鹿野竜也


構体を発注しました!―衛星プロジェクト

OPUSAT-IIプロジェクト熱・構造系 学部3回生の服部 華奈と申します.最近の熱・構造系の活動について紹介します.前号でも紹介されていましたが,この春は再設計した構体を府大の施設の1つである生産技術センターに発注するための図面を作成していました.この工程から2回生も本格的に開発に加わり,彼らが構造系という視点からの開発に慣れてもらいました.先輩方から引き継いだ,図面を描く際の注意事項をまとめた資料が残っていたものの,図面の完成までの道のりはなかなか険しく,生産技術センターに持っていっては修正箇所を指摘され,修正して再び持っていってはまた新たな修正が見つかり……の繰り返しでした.苦しい時間でしたが,生産技術センターの方々から,修正箇所と一緒に「なぜこの書き方だとダメなのか」ということも丁寧に教えて頂くことができました.そのおかげでだいぶ図面が見やすく描けるようになりました.しかしスケジュールが大幅に遅れてしまった点は問題なので,しっかりと反省点をまとめ,次回のEM構体発注の際に生かせたらと思います. 生産技術センターの方とのお話の中で,「制作者側の視点を持った設計」も重要になるのだと改めて感じました.「こんな形では精度の良い加工はできない」とご指摘を受けた部品が何点かありましたが,これは設計側が加工方法を理解していなかったために起きたことで,設計時にそういった視点からも考慮しなければならないことを実感しました. 今後は発注してできあがった部品を使って組み立てをし,その後こちらの設計通りに宇宙環境下で機能することを確認するため,あらゆる環境試験を行います.プロジェクトメンバー全員の努力と夢を載せた構体が宇宙まで届くように,より一層開発に励んでいきます.

図面作成会議

図面作成作業

工学域 機械系学類 3年 服部華奈