SSSRCだより

2022年9月26日

SSSRCだより2022年9月号

熱系教育

 

こんにちは.修士1年の黒岩です.

SSSRCでは衛星プロジェクトに参加すると,系配属が行われ,各系で教育があります.今回,今年行った熱系教育について紹介します.

今年の2回生には約半年間,以下の内容を勉強してもらいました.

  • 熱設計・熱制御
  • CAD(構造系にお世話になりました)
  • 宇宙環境
  • プログラミング
  • 熱解析ソフトの操作

これらの内容を学んだ後に,簡単な衛星の熱解析(下図)に取り組んでもらいました.私の想定より速いペースで進めてくれました.教育が進むにつれて2回生が頼もしくなっていると感じました.

改善点を挙げるとすると,今回実施した「簡単な衛星の熱解析」は設計が決まっていました.そのため,2回生自身が判断して設計させることができませんでした.来年はうまく問題設定を行い,自分自身で熱制御系を構築するプロセスを体験できるようにしたいです.また,行った熱解析結果を用いて熱真空試験を実施して評価することも行いたいと考えています.

熱系教育は,よく考えて整理されたものではなく,改善点が多くあります.より良い熱系教育を行えるように,熱系全員で考えていきたいです.

 2022-09-01

1 簡単な衛星の熱解析の様子

航空宇宙海洋系専攻 航空宇宙工学分野 修士1年 黒岩俊太郎

アンテナ展開機構の設計

 はじめまして.衛星プロジェクトの構造系に所属しております,B3の鳴海です.

 現在構造系では,次期衛星のアンテナ展開機構とディプロイメントスイッチの設計を行なっています.自分はアンテナ展開機構の担当なので,今回はそのことについて少しお話ししたいと思います.

 そもそもアンテナ展開機構とは,テグスを切ることにより,小さく収納されたアンテナを展開する機構のことを言います.テグスの切断は,ニクロム線に電流を流した時の発熱によってテグスを焼き切る方式が一般的かなと思います.今回もそのような機構で検討を進めようとしているのですが,大きな問題点があります.それは,「デブリとなるものを出さないようにしなければならない」ことです.

これまでは図1のように,テグスとニクロム線が多点接触するような構造でした.確実にテグスを焼き切るためにこの構造を採用していたのですが,細かなデブリが発生してしまいます.そのため「ひろがり」では図2のように,一点接触の構造に変更しました.しかしそれ故か,アンテナ展開は一発では成功せずに少々苦労しました.

 

 202209-03

図1

2022-09-02

図2

これらの反省をもとに「デブリが発生せず」,「確実にテグスを切る」ような機構を目下考え中です.

航空宇宙工学課程 学部3年 鳴海龍哉

共に学ぶ

こんにちは,学部2年の中島です.夏ももう終わりですがまだ溶けそうなぐらい暑いですねー.

SSSRCでは新入生は皆衛星開発をするためのベースを作ってもらうために新入生教育として一通り機器の扱いやプログラミングの講習を受けた後,CanSatという模擬衛星を集大成として作ってもらうことになっております.

今はCanSat開発にやっと取り掛かったところですね.私は新入生教育を終えてから新入生教育委員に配属され,教わる側から教える側になりました.しかし,いざ教えるとなってもまだ衛星開発に加わったばかりのひよっこなので新入生の質問になんでも答えられるわけもなく悪戦苦闘しています().ちなみに新入生のアンケートには,

「こちらの質問に対して上回生が答えられなくてモヤモヤした」

みたいなことが書かれてグサッときました笑.教えるには教わる側の10倍知識が必要とはよく言ったものですね.ですが質問に対して自分なりに考えて,説明し相手に理解してもらえるレベルにまで持っていくことで自分が1回生の時に学びきれなかった部分がよりブラッシュアップされていくのかななんて感じました.そう考えると僕も教えながらも教わってるみたいですね.

暑い日々が続きますが,これからも共に学び共に成長していきたいなと思います.あと新入生CanSatガンバってね~!

 

202209-04

新入生教育の様子

電気電子システム工学課程 2年 中島翼