「ひろがり」運用情報

目次

  1. 運用情報
  2. 放出情報
  3. 打ち上げ情報

運用情報

 24時間毎の定期リセットと自動アンテナ展開によるアンテナの展開を期待し,全パスにおいて,CW受信を試みました.(3/14~3/16)

 アンテナ展開コマンド,停波復帰コマンド,FMダウンリンクコマンドをアップリンクしましたが応答はありませんでした.(判断基準として,停波復帰コマンド:放射線の影響による停波の可能性,FMダウンリンクコマンド:CW回路に異常がある可能性を考えました.)また,J-SSOD#16から同時に放出された他の衛星の信号を受信し,space track提供のTLE予想をもとに,「ひろがり」の正確なTLEの特定を進めています.(3/17~3/20)

 3/21 20:30頃に衛星放出後の初めてのCWを受信しました.受信強度は十分強く,受信したCWから現在の衛星の状態を確認できました.衛星の状態に問題がなかったため,FMダウンリンクを行い,機能性能データを確認しました.今後は姿勢計測を行い,明日以降の運用方針を定めます.(3/21)

 3/22に「ひろがり」の姿勢情報をダウンリンクしました.EM構体を用いつつ,「ひろがり」の姿勢状態を考察しています.(3/22)

 3/23に「ひろがり」からダウンリンクした異常発生履歴を確認しました.異常発生回数は64回以上であったことが分かりましたが,いずれもISS放出される前に放出感知スイッチが解放されたことによりカウントされたものでした.そのため,3/14に宇宙に放出されてから3/23までに異常発生ないようです.(3/23)

 3/24にパドル未展開の状態での撮像およびそのダウンリンクに成功しました.その後,パドル展開コマンドを送信しました.その後,パドル展開が成功したかの確認のために,再度撮像およびダウンリンクを行いましたが,ダウンリンクした画像を解析したところ,衛星内部が写っていたため,パドルが展開されていないことがわかりました.今後は,再度展開を試みる方針を立てていきます.また,高仰角のパスで「ひろがり」のミッションの1つである4FSK 19200bpsによる高速通信を試験的に行ったところ,非常に高い確率でデコードに成功しました.今後予定されている高速通信ミッションでは,より多いデータの収集や既存の通信方式より効率よく受信できることの実証を行ってまいります.(3/24)

 3/25に再度パドル展開コマンドを送信しました.今あるデータだけでは展開が成功したのかまだ判明していませんが,今後必要なデータをダウンリンクし,解析を進めていく予定です.(3/25)

 3/26に3/25の二度目のパドル展開コマンドによる展開が出来ていなかったことが判明しました.3/26のパスでは,衛星の状態把握に努めました.(3/25)

 3/27に仰角89.2度のパスにて観測されたドップラーシフトにより,「ひろがり(OPUSAT-Ⅱ)」はOBJECT SG(NORAD ID:47930)であることが判明しました.最新のTLEはこちらよりご参照ください.(3/27)

 3/29にGMSK 13.6kbpsおよび4FSK 19.2kbpsを用いた高速通信を行いました.詳細な解析は,これからとなりますが有望なデータを得られました.(3/29)

 3/30にダウンリンクした画像に地球が映っていたことが判明しました.(その画像はこちらにてご覧ください.)これにより,パドルの展開が確認できました.画像の映り方などからパドルが完全に展開出ているか解析を進めていきます.(3/30)

 3/30にパドルの展開が確認されましたが,片側のパドルが完全に展開しきっていない可能性が画像から確認できました.また,その後も画像にて経過観察を行いましたが,変化がなかったため,これ以上の展開はできないと判断しました.しかし,パドルの片側が完全に展開していなくとも,ミウラ折りを応用した厚板展開構造物の展開および展開後の計測実験に支障はないため,このまま次のフェーズへ進む判断を下しました.現在は衛星の温度が不安定なため,衛星の状態を確認しつつ,ミウラ折りを応用した厚板展開構造物の展開を試みます.また,4/2の14時頃に中国南東部上空で撮影した画像に地球が映っていたのでご覧ください.(3/30~4/2)

 4/3にミウラ折りを応用した厚板展開構造物の展開コマンドを送信しました.しかし,画像を撮影し,ダウンリンクして確認したところ,厚板展開構造物はまだ展開できていないことが分かりました.テグス溶断用のニクロム線が切れてしまわないよう慎重に行ってまいります.(4/3)

 4/4にダウンリンクした画像により,ミウラ折りを応用した厚板展開構造物の展開に成功したことが分かりました.今後は,厚板展開による衛星の状態の変化などを確認したのち,厚板の形状計測ミッションを行ってまいります.(4/4)

 4/7に厚板展開構造の形状計測を行うための高画質画像のダウンリンクを開始しました.「格子投影法による展開板の形状計測」というフルサクセスに向けて運用を進めて参ります.(4/7)

 4/8に厚板展開構造物の形状計測を行うための画像データが揃いました.画像解析を行い,形状計測を行うことが出来れば,厚板展開構造物展開ミッションのフルサクセスとなります.もし,形状計測が出来なかった場合には,再度撮像し,ダウンリンクを行います.形状計測を行っている間は,もう一つのミッションであるアマチュア無線帯による高速通信ミッションを進めて参ります.(4/8)

 4/9以降は,衛星の健全性を確認し,高速通信ミッションのフルサクセスに向けた高速通信のデータ収集を行っています.(4/9~4/19)

 4/20以降も,引き続き,高速通信ミッションのフルサクセスに向けた高速通信のデータ収集を行うとともに,バス機能性能ダウンリンクや日陰での撮像とその画像のダウンリンクを行っています.これからも,感染拡大防止に十分配慮しつつ,運用を行ってまいります.(4/20~5/3)

 5/4に受信報告フォームが新しくなりました.推奨ブラウザはGoogle Chromeです.受信報告はこちらよりお待ちしております.今後実施予定のアマチュア無線ミッションでもご利用いただけます.(5/4)

 5/9より,アンテナの仰角方向を制御するローテータ故障してしまった模様です.受信性能に影響があるため,しばらく高速通信ミッションが行えない可能性があります.ローテータの故障の原因は不明ですが,動くときもあるので,可能な限り,ミッションを遂行できるよう努めてまいります.(5/9~5/10)

 最近では,以前と比較して日陰の時間が少なくなり,衛星の温度状態がヒータを使わなくてもよい状態になって参りました.慎重に運用を進めて参ります.(5/10~5/15)

 ひろがりのデコードソフトとそのソースコードを公開いたしました.録音した音声ファイル(.wave)からデコードし,アプリ上でその結果を受信報告していただけます.こちらからよろしくお願い申し上げます.(5/23)

 現在から5/29の13:10頃まで,試験的にひろがりのCWスピードを普段の2倍(80cpm)にしております.ぜひ確認お願い致します.(5/29)

 ひろがりのCWスピードをもとに戻しました.(5/29)

 6/19頃より,ホームページサーバーがダウンしており,運用情報の更新が停止しておりました.ご迷惑をおかけし,お詫び申し上げます.サーバー普及に伴い,改めて運用情報の更新をさせていただきます.これからもどうぞよろしくお願い申し上げます.(7/27)

 6/19および6/20にアマチュア無線ミッションのテスト運用を行いました.アマチュア無線ミッションの詳細についてはこちらよりご確認いただけます.アマチュア無線家の皆さまのアップリンク・ダウンリンクのご協力をよろしくお願い申し上げます.(6/19~6/20)

 引き続き,高速通信ミッションをメインに運用を行っております.アマチュア無線ミッションのテスト運用も今後行う予定ですので,その際はご協力お願い申し上げます.(6/21~8/12)

 アマチュア無線ミッションを8月14日8:30~16:00(JST)および8月15日7:30~15:00(JST)においてテスト運用を行いました.ご協力ありがとうございました.(8/13)

 引き続き,高速通信ミッションをメインに運用を行っております.アマチュア無線ミッションのテスト運用も今後行う予定ですので,その際はご協力お願い申し上げます.(8/14~9/28)

 アマチュア無線ミッションを9月29日21:42~9月30日19:54(JST)および10月3日19:45~10月4日17:57(JST)にてテスト運用を行いました.ご協力ありがとうございました.(9/29~10/3)

 アマチュア無線ミッションのテスト運用を10月7日19:19~10月8日17:32(JST)で行いました.ご協力ありがとうございました.(10/6~10/11)

 アマチュア無線ミッションのテスト運用を10月11日17:19~10月12日15:32(JST)および10月15日16:52~10月16日15:07(JST)で行いました.ご協力ありがとうございました.(10/12~18)

 アマチュア無線ミッションのテスト運用を10月20日14:00~10月21日12:00(JST)および10月24日12:00~10月25日10:00(JST)で行いました.ご協力ありがとうございました.(10/19〜29)

 アマチュア無線ミッションのテスト運用を10月30日11:10~10月31日9:20(JST)、11月1日1:30~11月1日22:30(JST)、11月1日22:40~11月2日22:30(JST)、11月3日22:30~11月4日22:10(JST)および11月6日23:00~11月7日22:30(JST)で行いました.ご協力お願いありがとうございました.(11/06)

 アマチュア無線ミッションの本運用を11月11日19:50~11月12日18:30(JST),11月12日18:50~11月13日19:10(JST),11月13日19:30~11月14日18:10(JST)で行いました.ご協力ありがとうございました.(11/14)

 アマチュア無線ミッションの本運用を11月19日17:00~11月20日15:50(JST),11月20日16:10~11月21日14:50(JST),11月21日15:10~11月21日15:50(JST),11月21日18:20~11月22日14:50(JST)で行いました.ご協力ありがとうございました.(11/22)

 アマチュア無線ミッションの本運用を11月27日15:50~11月28日12:50(JST),11月28日13:20~11月29日11:50(JST)で行いました.ご協力ありがとうございました.(11/29)

 アマチュア無線ミッションの本運用を12月5日11:20~12月6日10:00(JST),12月6日10:20~12月7日10:20(JST),12月7日11:00~12月8日11:00(JST)で行いました.ご協力ありがとうございました.(12/8)

 アマチュア無線ミッションの本運用を12月13日14:50~12月14日13:30(JST),12月14日13:50~12月14日15:10(JST),12月14日15:30~12月15日12:30(JST),12月15日12:50~12月16日11:30(JST)で行いました.ご協力ありがとうございました.(12/16)

 クリスマス特別運用!SSSRCからアップリンクされた特別なメッセージをダウンリンクし,そのメッセージを入力していただくことで,クリスマス限定のQSLカードが取得できます.そのアマチュア無線ミッションの運用を12月25日3:00~12月25日9:00(JST),12月25日9:30~12月26日9:30(JST),12月26日10:00~12月27日10:00(JST)で行いました.ご協力ありがとうございました.(12/16)

 長期間連続運用実施!アマチュア無線ミッションの運用を1月31日20:00~2月15日10:30(JST)で行っております.ご協力よろしくお願いいたします.(2/8)

 運用の状況をTwitter(アカウント名@SSSRC_HIROGARI)にて発信しておりますので,そちらもぜひご覧ください.

受信報告にご協力お願いします.受信報告フォームはこちらから.[Click here for the Reporting Form.]

詳細なCWテレメトリ情報についてはこちらをご覧ください.[Click HERE for the further CW telemetry Info.]

CubeSat OPUSAT-II (HIROGARI) CW Telemetry Info

CallSign:JL3ZKS

Freq:145.900MHz

Output:0.1W

long/short:300/100ms

Telemetry MSG

1:DE JL3ZKS

2:HRGXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX

(X: 0-9, A-F)

Send 2 continuously with 25sec interval, send 1 once in 10min

放出情報

 超小型衛星「ひろがり」(OPUSAT-II)は,小型衛星放出機構(J-SSOD)によって,ISSの日本実験棟「きぼう」から宇宙空間に放出されました.

 放出機構:J-SSOD

 放出時間:2021/03/14 20:20(JST)

 野口宇宙飛行士による超小型衛星放出の様子:

https://youtu.be/HaDlRk8MoGA

打ち上げ情報

超小型衛星「ひろがり」(OPUSAT-II)は,シグナス補給船運用15号機(NG-15)ミッションの一環として,宇宙に打ち上げられました.

 使用ロケット :アンタレス

 打ち上げ場所 :NASAワロップス飛行施設

 打ち上げ時間 :2021/02/21 02:36(JST)

 ミッション情報:ノースロップグラマン社商用補給機15号機(NG-15/Cygnus)

 打ち上げライブビデオ:

 シグナス補給船運用15号機は打ち上げ後,2021年2月22日 午後9時16分に,ISSへ結合されました.このシグナス補給船のキャプチャは,ISS長期滞在中(2020年11月から約半年間)の野口宇宙飛行士が担当されました.