寄附活用事例
2025年8月7日
基金の支援を受けた事業 ー「映画から知るウクライナの文化・言語・歴史」エリ・グラップ監督『オルガの翼』を観る 「複言語ジョージア映画から知る境界Ⅱ」オタール・イオセリアーニ監督『群盗、第七章』を観るー
事業の概要
2022年2月24日にロシアによるウクライナへの全面侵攻を受け、同地の社会・文化・言語を知ることはかつてなく重要になっている。そこでフランス・ウクライナ合作映画であるエリ・グラップ監督による『オルガの翼』、また同様にロシアによる侵略を受けたジョージア出身のオタール・イオセリアーニ監督による『群盗、第七章』を視聴したうえで、映画専門家による解説講義を行う特別授業を実施した。映像芸術を授業に取り入れることで、現代の国際社会をゆるがす戦争・侵略の生じている地域について、学生が多角的に学ぶ機会を提供した。
寄附者へのメッセージ
授業で取り上げた映画は、大学で見せられる機会がなければ、学生はよほどのことがない限り自分では進んで見ることのないタイプの作品です。特に日本人には馴染みのない地域が舞台でもあるため、映画解説は同地の言語・文化・社会を知るうえでの貴重な教材となります。報道を通して同地について知識を得るだけでなく、芸術作品を通して、現地で暮らす人々の生活を想像し、あるいは彼らの世界を垣間見る機会となりました。フィクションを通して学ぶことも重要で、フィクションと事実の関係についての人文学的知識を提供することで、芸術に触れることの喜びを得ることができました。