微分幾何学セミナー(2005年度)
大阪市立大学数学研究所(OCAMI) での事業の一環として、(幾何解析、トポロジー、代数幾何、数理物理、可積分系、情報数理などにも関わる広い意味の)微分幾何学のセミナーを推進します。
連絡先 | 大仁田 義裕 加藤 信 〒558-8585 大阪府大阪市住吉区杉本3丁目3番138号 大阪市立大学 大学院理学研究科 数物系専攻 |
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TEL | 06-6605-2617(大仁田) 06-6605-2616(加藤) |
ohnita@sci.osaka-cu.ac.jp shinkato@sci.osaka-cu.ac.jp |
日時 | 1月 25日(水) 15:20~16:20 |
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講演者(所属) | Markus Schmies (TU Berlin) |
タイトル | Numerical methods for Schottky uniformization |
場所 | 数学講究室(3040) |
アブストラクト | Riemann surfaces of higher genus have many applications but their numerical treatment is challenging. Using Schottky uniformization to represent Riemann surfaces, differentials and integrals can be explicitly expressed as Poincar\'e theta series. I explain how this used to achieve efficient numerical methods and apply these to compute solutions of the KP2 equation, which is a standard example from the theory of integrable systems. |
日時 | 1月 25日(水) 14:15~15:15 |
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講演者(所属) | Christoph Bohle (TU Berlin) |
タイトル | Constrained Willmore surfaces |
場所 | 数学講究室(3040) |
アブストラクト | Constrained Willmore surfaces are the critical points of the Willmore functional with respect to conformal variations of compact support. Examples include all CMC-surfaces in space forms. In my talk I will derive the Euler-Lagrange equations and discuss low genus examples. |
日時 | 12月7日(水) 14:40~16:10 |
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講演者(所属) | 小林 真平 氏(東京電機大学) |
タイトル | 平均曲率一定円柱面の粗い分類について |
場所 | 数学講究室(3040) |
アブストラクト | この研究はミュンヘン工科大学のドルフマイスター氏との共同研究に基づく.ループ群による方法を使って,三次元ユークリッド空間内の平均曲率一定円柱面の「粗い」分類が得られる事を紹介する. その為に,平均曲率一定 曲面を2重ループ群を使った定式化に一般化し,その事を使ってリーマン面上のループ代数に値を持つ新しい型の有理1形式を導入する. |
日時 | 12月7日(水) 10:40~12:10 |
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講演者(所属) | Martin A. Guest 氏(首都大学東京) |
タイトル | Quantum cohomology and harmonic maps |
場所 | 数学講究室(3040) |
アブストラクト | The quantum cohomology of a space corresponds to a flat connection, and this flat connection corresponds to a pluriharmonic map. We shall give some concrete examples of this correspondence, including the interesting case of Calabi-Yau manifolds, which is related to mirror symmetry. |
日時 | 11月 30日(水) 14:40~16:10 |
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講演者(所属) | 谷口 正 氏(仙台電波高専) |
タイトル | スーパーツイスター空間上超対称インスタントン束 |
場所 | 数学講究室(3040) |
アブストラクト | $R^{4\vert 4N}$を$4\vert 4N$次元のスーパーユークリッド空間とする。それに対応しているスーパーツイスター空間は$3\vert N$次元のスーパー複素射影空間である。$R^{4\vert 8}$上N=2超対称ヤンーミルズインスタントンは $P^{3\vert 2}$上正則スーパーベクトル束に一対一に対応していることが示された。それをスーパーペンローズーウオード対応と言う。すべての超対称インスタントンを記述する問題はそのスーパーベクトル束の記述になる。この考え方に より、$R^{4\vert 8}$上超対称インスタントン解は$P^{3\vert 2}$上のあるスーパーモナドから得られる。 |
日時 | 11月 16日(水) 14:40~16:10 |
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講演者(所属) | Akhil Ranjan 氏(Indian Institute of Technology) |
タイトル | Proof of Lichnerowicz conjecture in the simply connected compact case |
場所 | 数学第一セミナー室 |
アブストラクト | In 1944 Lichnerowicz defined a class of Riemannian spaces called 'harmonic spaces ' and showed that in dimensions up to four they are all rank one symmetric. He cojectured this to be true in all dimensions. In 1990, Z I Szabo proved the conjecture for compact harmonic spaces with finite fundamental groups. We will present a simplified version of his proof in this talk. |
日時 | 11月 9日(水) 14:40~16:10 |
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講演者(所属) | 松下 泰雄 氏 (滋賀県立大学) |
タイトル | 4次元(++--)-指標の不定値計量の存在条件と2種類の概複素構造について |
場所 | 数学講究室(3040) |
アブストラクト | 4次元多様体が (+ + - -) 指標の計量を許容する条件は,平面場の存在条件と同値である.1958 年に Hirzebruch-Hopf によって平面場の存在条件が得られた.その後, Donaldson により定値交点形式が標準のものと 確定して,Hirzebruch-Hopf の条件が具体的に記述できるようになった(1988). さらに,この条件は2種類の概複素構造の存在条件と一致することが示された(1991).これを基礎事実として,多くの興味ある結果が得られてきた. このような不定計量,平面場,および2種類の概複素構造に関する最近の結果について報告をする. |
日時 | 10月 26日(水) 14:30~16:00 |
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講演者(所属) | 大仁田 義裕 氏 (大阪市立大学) |
タイトル | On Hamitonian stability of certain Lagrangian submanifolds in K\"ahler manifolds |
場所 | 数学講究室(3040) |
アブストラクト | ケーラー多様体のラグランジュ部分多様体は,任意のハミルトン変分の下でその体積が極値を取るとき,ハミルトン極小であるとと呼ばれ、さらに、その第2 変分が常に非負であるとき,ハミルトン安定であると呼ばれる.ハミルトン安定 なラグランジュ部分多様体の例はあまり多くは知られていない.ハミルトン安 定なラグランジュ部分多様体は,どのようなラグランジュ部分多様体なのか?は、まだ充分に解明されているとはいえない.今回のセミナーでは、複素空間 形 内に埋め込まれた第2基本形式平行なコンパクトなラグランジュ部分多様体のハミルトン安定性と,3次元複素射影空間内の第2基本形式平行でないがハミルトン安定なコンパクト等質ラグランジュ部分多様体の存在について 述べる. |
日時 | 10月 19日(水) 14:30~16:00 |
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講演者(所属) | 野田 知宣 氏 (大阪市立大学数学研究所・研究所員) |
タイトル | 調和葉層の安定性と複素曲面 |
場所 | 数学講究室(3040) |
アブストラクト | Kamber-Tondeur によって葉層の調和性が定義され、調和写像の種々の概念が葉層の理論に移行されました。本講演では調和葉層の安定性について論じ、幾つかの充分条件を述べます。また、非ケーラーなコンパクト複素 曲面上の調和葉層の安定性についても述べます。 |
日時 | 10月 12日(水) 14:30~16:00 |
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講演者(所属) | 高橋 太 氏(大阪市立大学) |
タイトル | 多重連結領域上の H-system の解の多重性 |
場所 | 数学講究室(3040) |
アブストラクト | 平均曲率一定曲面の等角表示が満たす楕円型方程式系であるH-system の斉次 Dirichlet問題の多重解の存在について考える。定義領域が単連結領域の場合には解は恒等的にゼロベクトルしかなく、また円環領域の 場合には非自明解が少なくともひとつ存在することが、1970年代に H. Wenteによって示されている。この講演では、ある (K+1) 重連結領域が存在して、その上では考える H-system の Dirichlet 問題の非自明解が少なくとも K 個存在することを報告する。証明は無限次元 Morse 理論による。 |
日時 | 10月 5日(水) 14:30~16:00 |
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講演者(所属) | 大仁田 義裕 氏 (大阪市立大学) |
タイトル | On moduli spaces of special Lagrangian submanifolds |
場所 | 数学講究室(3040) |
アブストラクト | 最近, D.Joyce による一連の論文において,カラビ-ヤウ多様体内の錐状特異点を持つスペシャルラグランジュ部分多様体のモジュライ空間の理論が精密に研究されています.今回は,そのJoyceの理論における結果を手短に 説明した後、複素ユークリッド空間内のスペシャルラグランジュ錐の安定性に関する私の新しい結果をいくつか述べたいと思います。 |
日時 | 7月 6日(水) 15:00~16:00 |
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講演者(所属) | 浅田 明 氏 (元 信州大学) |
タイトル | デターミナント・バンドル付きのヒルベルト空間の「球面」の正則化体積 |
場所 | 数学講究室(3040) |
アブストラクト | 無限次元空間 H の上での計算はしばしば発散の問題に出会う。Hがコンパクト・リーマン多様体上のヒルベルト空間のとき この困難を克服するためX上の非退化自己共役楕円形作用素Dのスペクトラル・ゼータ関数Z(D,S)を つかう。 Z(D,s)の解析接続を使って、Hの上の積分の正則化が定義でき、ガウス型経路積分の計算でレイーシンガー行列式が表れることの数学的正当化が出来る。しかし この正則化ではデターミナント・バンドルとみなせる 新しい 1-次元空間をHに付け加える必要がある。 この正則化をHの曲座標を使って、書き直すとHにデターミナント・バンドルを付け加えた空間での球面の正則化体積要素と体積が得られる。それらは有限次元球面の体積要素と体積と同じ形だが、Hの球面は正則化体積要素 の特異点になる。従ってデターミナント・バンドルを付け加えなければ、球面の正則化体積は得られない。 |
日時 | 6月 22日(水) 15:00~16:00 |
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講演者(所属) | Sergei Ketov 氏(首都大学東京・物理) |
タイトル | Non-anti-commutativity in quantum field theory and strings |
場所 | 数学講究室(3040) |
アブストラクト | In this talk I would like to introduce a new notion of non-anti-commutativity in supersymmetric field theory. This talk is designed for mathematicians, so no physical applications will be discussed. Instead, a simple introduction into a mathematical structure of quantum theory will be given, from the first principles.I briefly review the mathematical structure of classical mechanics, quantum mechanics and quantum field theory. The physical notions of spin, statistics, and supersymmetry are defined in formal terms. Then a short discussion of a spacetime non-commutativity follows. Finally, a non-anti-commutativity is introduced in superspace. When the time allows, a connection to string theory will be shortly discussed too. |