微分幾何学セミナー(2014年度)
大阪市立大学数学研究所(OCAMI) での事業の一環として、(幾何解析、トポロジー、代数幾何、数理物理、可積分系、情報数理などにも関わる広い意味の)微分幾何学のセミナーを推進します。
連絡先 | 大仁田 義裕 加藤 信 橋本 要 〒558-8585 大阪府大阪市住吉区杉本3丁目3番138号 大阪市立大学 大学院理学研究科 数物系専攻 |
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TEL | 06-6605-2617(大仁田) 06-6605-2616(加藤) |
ohnita@sci.osaka-cu.ac.jp shinkato@sci.osaka-cu.ac.jp h-kaname@sci.osaka-cu.ac.jp |
日時 | 3月4日(水) 14:40~16:10 |
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講演者(所属) | 川越 淳平(東京理科大学) |
タイトル | 部分多様体上の$p$-Yang-Mills場の不安定性について |
場所 | 理学部 E棟 数学講究室(E408号室) |
アブストラクト | Yang-Mills場(すなわち$p=2$)の不安定性については, 小林-大仁田-竹内によって, 球面にはめ込まれたコンパクト極小部分多様体上のYang-Mills場が不安定になる為の条件が与えられ, 更にYang-Mills不安定なコンパクト 既約対称空間の分類が与えられた. 一方, Yang-Mills汎関数の自然な一般化である$p$-Yang-Mills汎関数はUhlenbeckによって導入され, Chen-Zhouにより$\mathbb{R}^{n+k}$の$n$次元部分多様体上の$p$-Yang-Mills 場が不安定になる為の条件が与えられた. 本講演では, Chen-Zhouの結果をもとに, 小林-大仁田-竹内の結果を$p$-Yang-Mills場へ拡張することを試みた研究経過について述べる. |
日時 | 2月23日(月) 14:40~16:10 |
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講演者(所属) | 橋永 貴弘(広島大学) |
タイトル | 非コンパクト型対称空間内の Ricci soliton Lie 超曲面 |
場所 | 理学部 E棟 数学講究室(E408号室) |
アブストラクト | 階数の低い非コンパクト型対称空間内の Ricci soliton Lie 超曲面について紹介する. 尚, 本講演の内容は広島大学の田丸博士氏, 久保亮氏, 武富雄一郎氏, 全南大学(韓国)の Jong Taek Cho氏との共同研究に基づく. |
日時 | 1月28日(水) 14:40~16:10 |
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講演者(所属) | 濱田 龍義 (福岡大学&大阪市立大学数学研究所客員研究員) |
タイトル | 複素空間型内の実超曲面のある種の平坦性について |
場所 | 理学部 E棟 数学講究室(E408号室) |
アブストラクト | 複素空間型内の実超曲面を知るためには,どのような不変量を考えれば良いか. 例えば,複素空間型内にはEinstein実超曲面が存在しないことがよく知られている.Einstein という条件を弱めて,良い形の実超曲面を選び出す 試みとして様々なアプローチが考えられるが,この講演では立花俊一によって導入された曲率に注目し,その平坦性について考察する予定である. |
日時 | 12月10日(水) 14:40~16:10 |
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講演者(所属) | 小林 治 (大阪大学) |
タイトル | 閉曲線の正則ホモトピーと共形ラプラシアン |
場所 | 共通研究棟 講究室 (301) |
アブストラクト | 閉曲線の正則ホモトピーは 1958年の Smale の結果でトポロジーの問題としては解決している. 本講演では,共形ラプラシアンのグリーン関数を用いて,これを共形微分幾何の立場から再考する. |
日時 | 12月3日(水) 14:40~16:10 |
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講演者(所属) | 見村 万佐人 (東北大学) |
タイトル | 確証できるエクスパンダーと距離カジュダン定数 |
場所 | 共通研究棟 第3セミナー室 (401) |
アブストラクト |
有限で連結な正則グラフに対し、そのラプラス作用素の(第0固有値を0としたときの)第1固有値はスペクトルギャップとも呼ばれ、グラフの等周定数やグラフ上のランダムウォークの収束の速さとも関係する重要な量である。 無限グラフ Gamma に対し、正の数 epislon をとるとき、Gamma が epsilon-verifiable expander であるとは、任意の有限連結グラフ Lambda で局所的に Gamma と同じに見えるものに対し、Lambda のスペクトルギャップが常に epsilon 以上であることをいう。(「局所的に同じに見える」とは、より正確には Lambda に依らない R>0 があって、Lambda 上の任意の R-閉球がそれぞれ Gamma 上のある R-閉球と基点付きグラフとして同型であることをいう。) 例えば、無限ツリーは、R をどれだけ大きくとっても、R-閉球が同じであるような Lambda でスペクトルギャップがいくらでも0 に近いものが取れることがしられており、従ってどの epsilon に対しても verifiable expander でない。 本講演では、verifiable expander に関する研究の第一歩として、「SL(3,Z) など、“Kazhdan の性質(T)”をもつ群から作られるケーリーグラフ」が、指定できる epsilon に対し「ケーリー epsilon-verfiable expander」になっていることを 証明する(ここで「ケーリー」とは、Lambda をケーリーグラフに限ったときに verifiable expander になっていることを意味する)。 証明では、講演者によって定義された「距離 Kazhdan 定数」が重要な役割を担う。 本講演では予備知識を仮定せず、グラフのラプラス作用素・スペクトルギャップや有限生成群のケーリーグラフの定義から始める。 グラフ・スペクトル・等周定数・エクスパンダーグラフ、また、有限生成群の幾何学・Kazhdan の性質(T) など、どれかのキーワードの興味をお持ちの方はお越しくだされば、と存じます。 |
日時 | 11月28日(金) 14:40~16:10 |
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講演者(所属) | 野田 尚廣 (名古屋大学&大阪市立大学数学研究所) |
タイトル | 階別Lie環論に付随した微分方程式の幾何学 |
場所 | 共通研究棟 第1セミナー室 (419) |
アブストラクト | 微分方程式(解析的対象)を微分式系(幾何的対象)と捉え微分幾何学的に研究する際, 階別Lie環(代数的対象)が不変性(特に解空間の性質など)を記述する重要な役割を果たすが, 逆にこのLie環(代数構造)から話を スタートしてどのような微分方程式もしくは幾何構造が登場するかといったいわば代数的側面に特化した研究も活発に研究されている. 講演ではこの枠組みを解説すると共に, 現状について紹介したい. |
日時 | 11月12日(水) 14:40~16:10 |
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講演者(所属) | 坂根 由昌 (大阪大学(名誉教授)) |
タイトル | コンパクト単純リー群上の左不変なアインシュタイン計量について |
場所 | 共通研究棟 講究室 (301) |
アブストラクト | コンパクト半単純リー群上の左不変なアインシュタイン計量を決定する問題は、3次元(SU(2)など)を除いては未解決である。例えば、SU(3) やSU(2)xSU(2)上にどのくらいアインシュタイン計量があるのか、有限個なのか無限個なのか も判っていない。 D’AtriとZiller は1979年のMemoirs Amer. Math. Soc.で、コンパクト単純リー群上の naturally reductive 計量の特徴づけを与え、多くの naturally reductive なアインシュタイン計量を見つけた。 実際、彼らは コンパクト型の対称空間や等方部分群が既約に作用する等質空間を用いて左不変なアインシュタイン計量を構成した。また、彼らは「コンパクト単純リー群上に naturally reductive 計量でないアインシュタイン計量はあるのか」と いう問題を提出している。この問題についての最近の現状を述べる。すなわち、ほとんどすべてのコンパクト単純リー群上にはnaturally reductive 計量でないアインシュタイン計量が存在する。 |
日時 | 10月22日(水) 14:40~16:10 |
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講演者(所属) | 浦川 肇(東北大学 国際教育院) |
タイトル | CR幾何学、擬調和写像と擬2-調和写像 |
場所 | 共通研究棟 講究室 (301) |
アブストラクト |
(1) 初めに B.-Y. Chen 予想とその一般化について触れ、CR 幾何学と「一般化 B.-Y. Chen 予想」の CR アナログを述べる。 (2) 「一般化 B.-Y. Chen 予想のCR版」のL^2 剛性定理とその証明を与える。 (3) pseudo 平均曲率場が平行な等長写像が 2-調和写像となる一般的な必要十分条件を述べる。 (4) 球面や複素射影空間への等長写像で pseudo 平均曲率場が平行な時、2-調和写像となるための詳細な必要十分条件を述べ、具体例を与える。 (5) 今考えている問題を述べる。 |
日時 | 7月2日(水) 16:30~18:00 |
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講演者(所属) | 加須栄 篤 (金沢大学) |
タイトル | 線形抵抗ネットワークの倉持境界 |
場所 | 共通研究棟 講究室 (301) |
アブストラクト | 線形抵抗無限ネットワークの倉持コンパクト化を考える。このコンパクト化において、調和関数、より一般にポアソン方程式の解に対するディリクレ境界値問題やノイマン境界値問題が可解である。これによりとくに倉持境界自身調和 測度をもったコンパクトディリクレ空間であることがわかるが、さらにネットワークの内部の増大する有界領域の境界がなす有限ディリクレ空間(有限ネットワーク)の極限空間となっている。ここで考える収束位相は、測度収束および Mosco収束に関するものである。 |
日時 | 6月18日(水) 16:30~18:00 |
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講演者(所属) | 直川 耕祐(神戸大学 学振PD) |
タイトル | メビウスの帯の幾何学 |
場所 | 共通研究棟 講究室 (301) |
アブストラクト | 3次元ユークリッド空間において,ガウス曲率が恒等的に零である線織面を「可展面」という. 本講演では,「勝手に与えられた実解析的な結び目に沿う,可展的なメビウスの帯のイソトピー型の分類」について話す. また,これを任意の3次元定曲率空間内の可展的なメビウスの帯に一般化した,最近の結果についても述べる. |
日時 | 5月14日(水)16:30~18:00 |
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講演者(所属) | 高津 飛鳥 (名古屋大学) |
タイトル | 回転対称な確率測度の等周不等式 |
場所 | 共通研究棟 講究室 (301) |
アブストラクト | 等周不等式とは集合の`体積'と`周長’の関係を表す不等式である. 本講演ではポアンカレ極限の主張, すなわち`ガウス測度は球面上の一様分布で近似される'ことを一般化し, ユークリッド空間上の回転対称な確率測度の等周不等式を評価する. |