微分幾何学セミナー(2019年度)

大阪市立大学数学研究所(OCAMI) での事業の一環として、(幾何解析、トポロジー、代数幾何、数理物理、可積分系、情報数理などにも関わる広い意味の)微分幾何学のセミナーを推進します。

連絡先 大仁田 義裕
田丸 博士
加藤 信
橋本 要
安本 真士
〒558-8585
大阪府大阪市住吉区杉本3丁目3番138号
大阪市立大学 大学院理学研究科 数物系専攻
TEL 06-6605-2617(大仁田)
06-6605-2615(田丸)
06-6605-2616(加藤)
E-mail ohnita[at]sci.osaka-cu.ac.jp
tamaru[at]sci.osaka-cu.ac.jp
shinkato[at]sci.osaka-cu.ac.jp
h-kaname[at]sci.osaka-cu.ac.jp
yasumoto[at]sci.osaka-cu.ac.jp

 

数学教室は理学部に移転しました。 移転マップ
理学部「12」の建物です(F棟は学術情報総合センターに近い方です)

年度別一覧

日時 12月 20日(金)16:30 ~ 18:00
講演者(所属) 安藤 直也 (熊本大学)
タイトル 共形 Gauss 写像
場所 理学部F棟 中講究室(F415)
アブストラクト 3次元球面内の曲面に対し, その共形Gauss写像は4次元de Sitter空間への写像として定義される. 共形Gauss写像の平均曲率ベクトルが恒等的に零であることと曲面がWillmoreであることは同値である. Willmore曲面上に曲面の情報を組み合わせて定義される正則4次微分が恒等的に零であることと 共形Gauss写像のある光的法ベクトル場が一定方向を向いていることは同値である. 本講演においては, 3次元Lorentz空間形内の空間的または時間的曲面に対しその共形Gauss写像を定義でき そして同様の結果が得られることを説明する. さらに混合型曲面の共形Gauss写像についても議論する.

 

日時 11月 6日(水)15:15 ~ 16:45
講演者(所属) 榎本 一之 (東京理科大学名誉教授)
タイトル 4次元ユークリッド空間内の平坦トーラス
場所 理学部F棟 小講究室A(F404)
アブストラクト ガウス曲率がいたるところで0である向きづけられた閉曲面を平坦トーラスと呼ぶ。 4次元ユークリッド空間内、とりわけその中の3次元球面内にある平坦トーラスの性質について考察する。 この曲面に関する研究に講演者が着手したのは今から30年以上も前のことになるが、 そのときに残された問題を解決するための試みは現在も行われている。 この問題に関するこれまでの経過と現状を解説する。

 

日時 7月 17日(水)16:00 ~ 17:30
講演者(所属) 野村 隆昭(九大名誉教授/大阪市大数学研究所)
タイトル 等質開凸錐の最小サイズの行列による実現
場所 理学部F棟 小講究室A(F404)
アブストラクト 本講演では,等質開凸錐の行列実現の内で行列のサイズが最小となるものを与える. この実現は,扱う凸錐の代数的データから描かれる重み付きの向き付けグラフを援用して得られる. 最小のサイズを与える公式はグラフ理論における用語によって記述される. この手続きは,これまで難解とされてきた一般論をブラック・ボックスの中に押し込むものであり, これによって非専門家の等質開凸錐へのアクセスが容易になると期待する.

 

日時 4月24日 (水) 15:15 ~ 16:55
講演者(所属) 高橋良輔(大阪市立大学数学研究所)
タイトル ケーラー幾何学における標準計量、幾何学的フローおよびその量子化について
場所 理学部F棟 小講究室A(F404)
アブストラクト 多様体上に標準的なリーマン計量を構成するための有力な手法の1つとして、Hamilton のリッチフローのように、幾何学的フロー(偏微分方程式)に沿って与えられた計量を整形するというものがある。 一方で、偏極多様体上では、射影埋め込みを通して量子化や幾何学的不変式論などの代数幾何学的手法を使って標準計量を調べることもできる。本講演では、両者の相関関係について講演者自身のいくつかの結果を踏まえながら考察する。

 

日時 4月19日 (金) 15:15 ~ 16:55
講演者(所属) 伊師英之(名古屋大学)
タイトル 等質ヘッセ領域の行列実現と余次元1作用
場所 理学部E棟 大講究室(E408)
アブストラクト 局所的に凸関数のヘッシアンとして与えられるリーマン計量が定義された実領域をヘッセ領域といい, その上にアファイン変換群が等長かつ推移的に作用するものを等質ヘッセ領域という.その一般論は 等質ケーラー多様体の理論の類似として志磨裕彦によって確立された.等質ヘッセ領域の重要な例として 等質錐および等質凸領域がある.等質凸領域は等質錐における余次元1作用による軌道として得られることが知られている. 我々は任意の等質ヘッセ領域が等質凸領域における余次元1作用による軌道として得られることを示し, それらの関係が,領域を正定値実対称行列の集合に実現することによって明瞭に理解できることを説明する.

 

日時 4月4日 (木) 13:30 ~ 15:00
講演者(所属) Uwe Semmelmann (University of Stuttgart)
タイトル Killing tensors on Riemannian manifolds
場所 理学部F棟 中講究室(F415)
アブストラクト Killing tensors are symmetric tensors such that the complete symmetrization of the covariant derivative vanishes. This generalizes the equation for Killing vector fields. Killing tensors are well studied in physics, in particular since they define first integrals, i.e. functions constant on geodesics.
In my talk I will introduce a formalism for studying Killing and conformal Killing tensors. Using this notation I will discuss the most important properties and mention a few recent results, e.g. the non- existence on compact manifolds with negative sectional curvature and a classification result on Riemannian products. Moreover I will describe several examples of Killing tensors.
My talk is based on two joint articles with K. Heil and A. Moroianu.