微分幾何学セミナー(2020年度)

大阪市立大学数学研究所(OCAMI) での事業の一環として、(幾何解析、トポロジー、代数幾何、数理物理、可積分系、情報数理などにも関わる広い意味の)微分幾何学のセミナーを推進します。

連絡先 大仁田 義裕
田丸 博士
加藤 信
橋本 要
安本 真士
〒558-8585
大阪府大阪市住吉区杉本3丁目3番138号
大阪市立大学 大学院理学研究科 数物系専攻
TEL 06-6605-2617(大仁田)
06-6605-2615(田丸)
06-6605-2616(加藤)
E-mail ohnita[at]sci.osaka-cu.ac.jp
tamaru[at]sci.osaka-cu.ac.jp
shinkato[at]sci.osaka-cu.ac.jp
h-kaname[at]sci.osaka-cu.ac.jp
yasumoto[at]sci.osaka-cu.ac.jp

 

数学教室は理学部に移転しました。 移転マップ
理学部「12」の建物です(F棟は学術情報総合センターに近い方です)

年度別一覧




Zoomでの参加をご希望される方は、橋本(h-kaname[at]sci.osaka-cu.ac.jp)までご連絡ください。


日時 3月29日(月) 13:30 ~ 16:15
[講演1] 13:30~14:45
[講演2] 15:00~16:15
講演者(所属) 安藤 直也 (熊本大学)
タイトル 講演1 The lifts of surfaces in neutral 4-manifolds into the 2-Grassmann bundles
講演2 Isotropicity of surfaces in Lorentzian 4-manifolds with zero mean curvature vector
場所 Zoomを用いたオンライン開催
詳細はこちら
アブストラクト [講演1]  まず向きづけられた4次元Riemann多様体内の極小曲面の等方性について, 曲面上の複素4次微分, ツイスター・リフト, 複素構造等の観点で説明する. また4次元Lorentz空間形内の平均曲率ベクトルが零である空間的曲面および 3次元空間形内のWillmore曲面について説明する. その上で, 向きづけられた4次元ニュートラル多様体内の平均曲率ベクトルが 零である空間的または時間的曲面の等方性について説明し, 最近の結果を報告する.
[講演2]  向きづけられた4次元Lorentz多様体内の平均曲率ベクトルが零である空間的 曲面の等方性を定義する. この等方性は, 曲面上の複素4次微分, ツイスター・リフトの類似物, 混合型構造 (複素構造とパラ複素構造の性質を組み合わせて得られる)等の観点で理解される. 時間的曲面についてもある程度類似の議論が成り立つ.

 

日時 3月13日(土) 14:00 ~ 15:50
前半(第1部) 14:00 ~ 14:40
後半(第2部) 15:00 ~ 15:40
講演者(所属) 川上 裕 (金沢大学)
タイトル Bernstein型問題の最近の進展について
場所 Zoomを用いたオンライン開催
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アブストラクト 「3次元Euclid空間内の平面全体で定義された極小グラフは平面のみである」 を示すBernsteinの定理は,極小曲面論における重要な結果の1つであり, この定理から派生したBernstein型問題は多くの研究者たちに興味を持たれ,今なお研究が進んでいる。 本講演では,Bernstein型問題で比較的最近証明された結果を中心に紹介する。 前半(第1部)では,Bernsteinの定理の歴史から始め,Nitscheによる証明の核心, その証明をもとに得られた4次元Euclid空間内の極小グラフの結果を紹介する。 後半(第2部)では,3次元Lorentz-Minkowski空間内の極大グラフに対する Calabi-Bernsteinの定理と講演者が本田淳史氏,小磯深幸氏,通峻祐氏との共同研究で得られた 平均曲率一定グラフに関する結果を紹介する。

 

日時 10月15日(木) 17:30 ~ 19:00
講演者(所属) 小池 貴之 (大阪市立大学)
タイトル On the complement of a hypersurface with flat normal bundle which corresponds to a semipositive line bundle
場所 Zoomを用いたオンライン開催
アブストラクト We investigate the complex analytic structure of the complement of a non-singular hypersurface with unitary flat normal bundle when the corresponding line bundle admits a Hermitian metric with semipositive curvature.

 

日時 8月7日(金) 17:30 ~ 19:00
講演者(所属) 武富 雄一郎(大阪市立大学数学研究所)
タイトル Edge coloring graphs and 2-step nilpotent Lie algebras
場所 Zoomを用いたオンライン開催
アブストラクト 然るべき辺彩色と辺のpositive weightをもつ有向multigraphが1つ与えられたとき, そこから自然に2-stepべき零Lie代数を1つ構成することができる. 逆に, 任意の2-stepべき零Lie代数は, 適当な基底を選ぶと, 辺彩色, 辺weight付きの有向multigraphとして表すことができる. この枠組みにより, グラフ理論と2-stepべき零Lie代数の相互作用的な研究が行えることが期待される. 本講演では, H-type Lie代数と呼ばれる特別な2-stepべき零Lie代数をグラフを用いて表現することを試みる. また, 「与えられたべき零Lie群上に左不変なRicci solitonは存在するか?」という 近年盛んに研究されている問題をこの枠組みを通して考察する.

 

日時 7月17日(金) 17:30 ~ 19:00
講演者(所属) 加藤 信(大阪市立大学)
タイトル 光的直線の彼方の特異点
場所 Zoomを用いたオンライン開催
アブストラクト $3$ 次元 Lorentz 空間 ${\bf R}^{2,1}$ を compact 化するとき、 平均曲率0曲面の空間的及び時間的平面型 end は、${\bf R}^3$ 内の極小曲面の平面型 end 同様、自然に $C^\infty$ 級に compact 化されるが、 光的な limit normal を持つ場合には、残念ながら $C^\infty$ 級にならない。 但し、混合型平均曲率0曲面の光的平面型 end において Gauss 写像の $2$ 階微分が消えていなければ、 この end に付随する0因子と光的直線との境目において、孤立特異点が現れることがわかった。 なお、混合型平均曲率0曲面においては、このような境目に孤立特異点が現れるのは、光的平面型 end の場合に限られる。 今回の講演では、この孤立特異点について詳細に調べた、 安藤直也氏(熊本大学)、橋本要氏(大阪市立大学・大和大学)、濱田航平氏(大阪市立大学・大阪府立茨木高校)との共同研究による結果を中心にお話したい。