継続は力なり。よい研究習慣を身につけることが業績への近道になる。 経済学研究科経済学 | 教授牛 冰 研究テーマを教えてください。 ヤングケアラー、高齢者の介護ニーズや介護リテラシー、健康・医療情報ニーズ、モバイルヘルスなどの研究テーマに関する社会調査と実証研究 研究の内容を教えてください。 超高齢社会を迎えている日本が直面している介護問題や健康・医療に関わる問題、例えば、家族介護を担う人々をどのように支援すべきか、地域住民がどのような健康・医療情報を求めているか、モバイルヘルスが健康推進においてどのような役割を果たしているのか、などについて実証分析で解明していきます。具体的には、社会調査から収集した個票データを用いて、応用ミクロ計量経済学的手法で得られた知見に基づいて政策提言につなげて行きます。 今後達成したい研究目標や、現在の研究を社会にどう貢献させていきたいかなど、教えてください。 日本で得られたエビデンスを世界に発信していくことです。超高齢社会の日本で得られた知見こそ、これから高齢社会を迎える多くの国々にとって良い参考になると考えます。 その目標を達成するために、研究時間の確保などの日々行っている工夫や、取り組んでいる活動などを教えてください。 社会課題の実態を明らかにするために、経済学のみならず、社会福祉学や看護学など、他分野との連携に取り組んでいます。そして、共同で社会調査を行い、ディスカッションを通して視野を広め、新しい気づきを得ています。子育てをしているため、研究時間を確保するために、子ども達が登校している時間を最大限に活用しています。毎日9時~夕方まで、研究室で業務を行う習慣を身につけています。学内の支援制度を可能な限り活用しています。長期にわたる研究支援員の配置のおかげで、子育てと仕事の両立ができております(ご支援いただき、心から感謝しております)。 時には研究が止まることや、思うような研究成果が出ないときもあるかと思いますが、そのようなときにどうやって乗り越えるかを教えてください。 学術論文の投稿で連敗することもありました。結果的に掲載されましたが、プロセス自体はつらい経験でした。ほかの研究者もよく経験することですので、自身の研究の価値を信じて投稿し続けることが大切だと実感しています。 研究者としてのキャリアを諦めようと考えたことはありますか。もしあれば、そのとき何を思い、考えて、やはり継続していこうという決断に至ったのかを教えてください。 大学院のときに、子育てをしながら博士号の取得を目指しておりましたが、体力と集中力の限界を感じたことがあり、何度も学位の取得を諦めようと思いました。特に、育休明けで復学した後、限られた在籍期間で業績を作らなければならないプレッシャーを常に感じており、メンタル的に過酷でした。しかし、諦めたらきっと将来後悔すると思っておりましたので、家族や指導教員など、周りの方達の励ましを得ながら乗り越えることができました。 研究者としての道を歩んでいる若手研究者へメッセージ 継続は力なり、よい研究習慣を身につけることが業績への近道になると思っています。人生をかけて研究していくため、人生のどこかの時点で困難な場面に遭遇することもあるかと思います。家族を含めたたくさんの人々に支えられているからこそ研究に携われること、常に感謝の気持ちを持つことが大切だと思います。