Research Topics
2025年12月11日
学術論文「ザパドナヤ・ドヴィナ川産のコナラ材化石の古環境学的視点」
当専攻の奥野 充教授の研究成果がElsevier刊行の科学誌「Dendrochronologia」に掲載されました.
概要: 沖積堆積物中に保存されたコナラ材化石は,年輪年代学的情報の貴重なアーカイブとなるが,東ヨーロッパではほとんど調査が進んでいない.本研究では,ロシア,ベラルーシ,ラトビアを流れるザパドナヤ・ドヴィナ川の上流域(ロシア,ザパドナヤ・ドヴィナ市付近,545標本)と中流域(ベラルーシ,ルホシャ川,68標本)の2地点からコナラ材化石を採取し,放射性炭素(14C)年代を合計61点測定した.最も古い年代値は5800 ± 80 BPで,最も新しいものは20世紀に入る.年輪年代学的分析と近隣地域のコナラ材化石の年輪とのクロスデーティングにより,西暦250年から1762年までの4つの年輪年表を作成し,14Cウィグルマッチングにより検証した.さらに紀元前2000年までに遡る6つのフローティング年輪年表も作成した.これらは,最大300年の空白期間を除いて過去4000年近くを網羅している.今後の継続的な採取によって,これらの空白が埋められることが期待される.
論文情報: Khasanov, B.F., Yermokhin, M., Lukin, V., Knysh, N., Nakamura, T., Okuno, M., Petrov, O. L., Savinetsky, A. B. (2026) Paleoenvironmental perspective of subfossil oaks from the Zapadnaya Dvina River. Dendrochronologia, 95,126463.
リンク先: https://doi.org/10.1016/j.dendro.2025.126463
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