カリキュラム
グローバルビジネス専攻とは
ビジネス社会における新たな動向について学際的・総合的に考察するため、従来の経営学専攻と商学専攻の科目群を「グローバルビジネス」という基本コンセプトのもとに編成し、フレキシブルな教育・研究体制を構築しています。
経済の国際化や情報化さらには環境問題への関心の高まりは、これまでの国民経済や企業・市場概念の再考を迫っていますが、こうした現実社会に生起している質的変化に真正面から取り組むには、従来の細分化された学問体系をただ拡充・強化するだけでは十分でなく、従来の学問分野を越えて、研究対象を広域的・学際的・総合的にとらえ直すことのできる「グローバル」な学問体系の創造が必要となっています。
専攻のコンセプトである「グローバルビジネス」の「グローバル」とは、たんなる国際化を意味するものではありません。研究対象の把握が地球的広がりを持つと同時に、地域の特色が鮮明となりつつあること、また学問の方法論としても総合的・包括的な方法論が必要となると同時に、より専門的・分析的なそれが求められていること、といった学問的な背景を示しています。すなわち、「国際化」と「地域化」、「プライベート」と「パブリック」など、ビジネス及びビジネス社会を考察する上で不可欠な各要素を、グローブ(地球)という視角から統合する概念が「グローバルビジネス」です。地球規模での環境保全活動についての教育・研究の必要性もこれに込められています。
マトリックス型科目体系
こうした教育・研究理念を具体化するのが、以下の表に示されているマトリックス型科目体系です。博士前期課程と博士後期課程の分野専門科目(講義)、分野専門演習科目(演習)は、この科目体系のなかに位置づけられて提供されます。
学際分野 | 専攻の学問分野 | |||
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(経営) 経営学に関する基本的な 知識と応用的な知識を 提供します |
(会計) 会計学に関する基本的な 知識と応用的な知識を 提供します |
(金融・流通) 金融・流通に関する 基本的な知識と応用的な 知識を提供します |
(産業・地域) 産業・地域に関する 基本的な知識と応用的な 知識を提供します |
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(戦略経営) 戦略的な経営 の視点からビ ジネスに関す る知識を提供 します |
経営管理論 経営史 コーポレート・ファイナンス論 経営戦略論 マーケティング戦略論 人的資源管理論 組織行動論 企業戦略論 経営組織論 |
原価計算論 |
マーケティング論 消費者行動論 |
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(経営情報) 情報システム など経営情報 の視点からビ ジネスに関す る知識を提供 します |
オペレーションズ・マネジ メント論 |
証券分析論 財務会計論 企業分析論 税務会計論 中小企業会計論 管理会計論 |
統計分析論 | 産業統計論 |
(国際ビジネス) 国際的な視点 からビジネス に関する知識 を提供します |
国際経営論 | 国際会計論 |
国際金融論 貿易論 |
国際産業立地論 |
(産業創造) 新たな産業創 造の視点から ビジネスに関 する知識を提 供します |
金融機関論 流通組織論 マーケティング経済論 |
産業論 地域経営論 地域再生論 地域経済論 産業集積論 |
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(パブリック・ 環境経営) パブリックセ クターの経営 や環境経営・ 戦略の視点か らビジネスに 関する知識を 提供します |
公会計論 社会関連会計論 |
環境政策論 技術論 |
学際的・総合的領域(学際分野)は、科目体系のヨコ行で表されており、「戦略経営」「経営情報」「国際ビジネス」「産業創造」「パブリック・環境経営」から構成されています。
伝統的学問体系の各分野(専攻の学問分野)は、科目体系のタテ列で表されており、「経営」「会計」「金融・流通」「産業・地域」から構成されています。
例えば、「国際ビジネス」×「金融・流通」、「パブリック・環境経営」×「会計」というように、学生が各自の研究テーマに合わせて複数の専門知識を総合的に履修できるような科目体系を提供しています。