主な対象疾患
- 脊椎症
頸椎疾患 (変形性頸椎症、頸椎椎間板ヘルニア、頸椎後靭帯骨化症など)
胸椎疾患 (胸椎黄色靱帯骨化症など)
腰椎疾患 (腰椎椎間板ヘルニア、腰椎脊椎管狭窄症、腰椎すべり症など)
- 頭蓋頸椎移行部病変 (奇形、環椎軸椎亜脱臼など)
- 脊髄空洞症 ■脊髄腫瘍 ■脊髄動静脈奇形 ■二分脊椎 ■脊椎・脊髄外傷
脊椎症
頸椎疾患(変形性頸椎症、頸椎椎間板ヘルニア、頸椎後靭帯骨化症など)
胸椎疾患(胸椎黄色靱帯骨化症など)
腰椎疾患(腰椎椎間板ヘルニア、腰椎脊椎管狭窄症、腰椎すべり症など)
頭蓋頸椎移行部病変
奇形、環椎軸椎亜脱臼など
脊髄空洞症
-
脊髄空洞症とは脊髄内部に水が溜まる病気です。この病気の多くは、小脳が脊椎管へはまり込んだようになるキアリ奇形が原因で起こります。他には脊髄腫瘍や、脳・脊髄くも膜の癒着、脊髄損傷でも起こります。いずれも脳・脊髄を循環している脳脊髄液の流れがいずれかで障害されるために空洞が形成されると考えられています。
-
脊髄内に空洞ができると、運動あるいは感覚障害が現れてきます。手の痛みや温度に対する感覚が鈍くなり、やがて手に力が入りにくくなります。症状の進行はゆっくりですが、なかには咳をしたり、きばったりしたときに突然症状が悪化することがあります。
-
診断では、MRI検査が最も簡便かつ確実です。さらに、脳脊髄液の流れを正確に診断するための特殊なMRI検査(シネモードMRI)が必要となります。
-
手術治療では、脳脊髄液の流れの障害を解除する根治手術(後頭蓋窩拡大形成術など)を基本にしています。しかし、患者さまによっては、脳脊髄液のバイパス路を作成するシャント手術(短絡術)を行うことがあります。
-
The Chiari Institute のサイトへ
American Syringomyelia Alliance Project Inc.(ASAP) のサイトへ
脊髄腫瘍
-
脊髄腫瘍は極めて稀な疾患で、その発生頻度は年間人口10万人あたり1-2人とされています(脳腫瘍のおよそ1割程度)。脊髄腫瘍では、発生する部位によりその症状進行が異なります。つまり、脊髄内部から発生するタイプ(髄内腫瘍)と脊髄周囲から発生するタイプ(硬膜内髄外腫瘍、硬膜外腫瘍)により腫瘍組織型(良性、悪性など)および神経症状の進行が大きく異なります。 下垂体腺腫が代表的腫瘍です。
-
基本的には、MRIおよびCT検査により適切に診断を行い、手術治療可能かどうかを決定します。手術治療では、腫瘍の存在部位により前方到達法、後方到達法あるいはその合併到達法からの手術摘出術を選択します。腫瘍摘出後は、腫瘍の病理検査結果により放射線治療を追加するかどうかを決定します。
脊髄動静脈奇形
-
脊髄動静脈奇形は、脊髄腫瘍よりもさらに稀な疾患です。さらに、小児から中高年までの幅広い年齢層に発症し、臨床症状は急性発症から慢性進行性まで多彩であるため、臨床症状だけで他の脊髄疾患と鑑別することは難しく、発症から診断までに長期を要することも少なくありません。
-
MRI診断は非侵襲的であるためスクリーニング上極めて有用です。しかし、MRIのみで脊髄動静脈奇形の詳細を理解することは困難です。小さな脊椎管内の検索には限界があります。最終的な診断および治療方針を決定するためには、脊髄血管造影が必要です。脊髄血管造影において、脊髄動静脈奇形のタイプ分類(髄内型、脊髄周囲型、硬膜型)が可能となります。脊髄動静脈奇形のタイプ分類に応じて、治療方針(手術治療か血管内治療)を決定します。
二分脊椎
脊椎・脊髄外傷