21世紀COEプログラム 談話会(2005年度)
院生談話会(言わば,院生の院生による院生のための談話会)を開催することになりました。
通常の談話会はレベルが高く,また,先生がいると萎縮して自由に質問ができないのではないかと思い,出席者は院生のみにしました。
これを通して,院生同士の分野を越えた交流を深めていきたいと思います。
院生談話会運営委員 D2 石邨茂久(kumacoguma.33@proof.ocn.ne.jp) D3 黒木慎太郎(d03sa004@ex.media.osaka-cu.ac.jp) D3 能城敏博(nogi@sci.osaka-cu.ac.jp) |
2005年度 院生談話会 |
(2006) |
講 演 者 | :杉村 真之助(大阪市大M2) |
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タ イ ト ル | :Multi-variable Alexander polynomials of certain Brunnian links |
(アブストラクト) | |
日 時 | :1月14日(土)15:20〜15:50 |
場 所 | :数学講究室(3040) |
講 演 者 | :寺田 祐智(大阪市大M2) |
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タ イ ト ル | :Combined Optimal Stopping and Stochastic Control of Jump Diffusions と その応用 |
(アブストラクト) | |
日 時 | :1月14日(土)14:45〜15:15 |
場 所 | :数学講究室(3040) |
講 演 者 | :吉永 哲雄(大阪市大M2) |
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タ イ ト ル | :CP^1上のCP^n bundleの自己同型群について |
(アブストラクト) | |
日 時 | :1月14日(土)14:10〜14:40 |
場 所 | :数学講究室(3040) |
講 演 者 | :山平 拓也(大阪市大M2) |
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タ イ ト ル | :パーコレーションの概要とクラスタの半径の漸近挙動 |
(アブストラクト) | |
日 時 | :1月14日(土)13:35〜14:05 |
場 所 | :数学講究室(3040) |
講 演 者 | :小林 大作(大阪市大M2) |
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タ イ ト ル | :ある isotopy class が pseudo-Anosov かを判定するアルゴリズムについて |
(アブストラクト) | |
日 時 | :1月14日(土)13:00〜13:30 |
場 所 | :数学講究室(3040) |
講 演 者 | :石邨 茂久 氏(大阪市大D2) |
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タ イ ト ル | :曲面のスピン構造とその周辺 |
(アブストラクト) | |
日 時 | :12月10日(土)14:00〜15:30 |
場 所 | :数学講究室(3040) |
講 演 者 | :室谷 文祥 氏(大阪市大M2) |
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タ イ ト ル | :普遍Teichm\"{u}ller空間と擬等角調和写像について |
(アブストラクト) | |
日 時 | :11月12日(土)14:00〜15:30 |
場 所 | :数学講究室(3040) |
講 演 者 | :能城 敏博 氏(大阪市立大学大学院理学研究科数物系専攻D3) |
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タ イ ト ル | :ある種の小平曲面から定まるリーマン面の正則族の 正則切断について |
(アブストラクト) | |
日 時 | :10月15日(土)14:00〜15:30 |
場 所 | :数学講究室(3040) |
講 演 者 | :坊向 伸隆(大阪市大COE研究所員) |
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タ イ ト ル | :シンプレクティック等質空間入門(分類について) |
(アブストラクト) | |
日 時 | :9月13日(火)14:00〜15:00 |
場 所 | :数学講究室(3040) |
講 演 者 | :増井 健一(大阪市立大学大学院理学研究科数物系専攻D3) |
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タ イ ト ル | :Denjoy極小系とマルコフ加算器 |
(アブストラクト) | |
日 時 | :7月9日(土)13:30〜15:00 |
場 所 | :数学講究室(3040) |
講 演 者 | :辻井健修(大阪市立大学大学院理学研究科数物系専攻) |
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タ イ ト ル | :代数群の概要 |
(アブストラクト) | |
日 時 | :6月11日(土)13:00〜14:30 |
場 所 | :数学講究室(3040) |
講 演 者 | :松川 信彦(大阪市立大学大学院理学研究科数物系専攻D3) |
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タ イ ト ル | :表現論の応用とその入門 |
(アブストラクト) | |
日 時 | :5月14日(土)13:00〜14:30 |
場 所 | :数学講究室(3040) |
講 演 者 | :堤 康嘉(大阪市立大学数学研究所COE研究所員) |
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タ イ ト ル | :キャッソン不変量の計算へのアプローチ |
(アブストラクト) | |
日 時 | :4月16日(土)13:00〜14:00 |
場 所 | :数学講究室(3040) |
アブストラクト集 |
講 演 者: | 杉村 真之助(大阪市大M2) |
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タ イ ト ル: | Multi-variable Alexander polynomials of certain Brunnian links |
Borromean rings を拡張したBrunnian links の多変数Alexander polynomial を計算し、この分類について報告します。
講 演 者: | 寺田 祐智(大阪市大M2) |
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タ イ ト ル: | Combined Optimal Stopping and Stochastic Control of Jump Diffusions と その応用 |
まずLevy Process、そしてJumpの定義について簡単に説明します.
そして石油採掘という具体例を考えて、いついかなる状況下で取引を終了したら良いかという問題を扱いながら、一般的な Optimal Stopping
と Stochastic Control の問題をHJB-inequalities を用いて説明していきたいと思っています」
講 演 者: | 吉永 哲雄(大阪市大M2) |
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タ イ ト ル: | CP^1上のCP^n bundleの自己同型群について |
コンパクト複素多様体の一つであるCP1上のCP^n bundleについて,その定義を与え,自己同型写像がなす群(自己同型群)の形を決定する.
時間があれば,自己同型群と正則ベクトル場がなす空間の次元の間に成り立つ関係を述べたいと思う.
講 演 者: | 山平 拓也(大阪市大M2) |
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タ イ ト ル: | パーコレーションの概要とクラスタの半径の漸近挙動 |
パーコレーションとはある穴の開いた物体に水がしみこんでいく様子を数学的にモデル化した確率過程であり、相転移現象に関係する物理をはじめとする様々な分野に応用されている分野です。この講演では、パーコレーションの定義を紹介した後で、有用なFKG不等式・BK不等式の紹介を経て、主題であるクラスタ(水が伝わる場所の集合に対応するもの)の大きさや開いた道の存在について、それぞれの確率の評価などを述べたいと思います。
講 演 者: | 小林 大作(大阪市大M2) |
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タ イ ト ル: | ある isotopy class が pseudo-Anosov かを判定するアルゴリズムについて |
braid から puncture disc の向きを保つ同相写像の isotopy class が定義されることが知られています.
すると, この isotopy class が Nielsen-Thurston の分類においてどうなっているかという問題が起こります.
今回は 最初の braid を input data として, その isotopy class がpseudo-Anosov かどうかを判定するアルゴリズムを紹介したいと思います.
講 演 者: | 石邨 茂久 氏(大阪市大D2 |
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タ イ ト ル: | 曲面のスピン構造とその周辺 |
M.Atiyahはmod 2指数を用いてスピン構造の不変量を定義した。 さらに、D.Johnsonはホモロジー類のリフトを用いて、曲面のスピン構造とある種の2次形式が対応することを示し、これを用いてこの不変量の幾何的な定義を与えた。 この講演ではスピン構造の定義からはじめ、スピン構造の不変量について述べる。 また、写像類群の生成元の個数との関係についても述べたい。
講 演 者: | 室谷 文祥 氏(大阪市大M2) |
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タ イ ト ル: | 普遍Teichm\"{u}ller空間と擬等角調和写像について |
この講演では,まず普遍Teichm\"{u}ller空間を定義し,Poincar\'{e} disc 上の正則二次微分で,Bersノルムが有界となるもの全体$BQD(D)$との関係[Tam-Wan('95)]を述べます.
そして,普遍Teichm\"{u}ller空間のある部分空間を取れば,その各元はPoincar\'{e} disc から自身への擬等角調和写像を代表元に持つという結果[Yao('04)]を紹介したいと思います.
講 演 者: | 能城 敏博 氏(大阪市立大学大学院理学研究科数物系専攻D3) |
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タ イ ト ル: | ある種の小平曲面から定まるリーマン面の正則族の 正則切断について |
この講演では,Riera が構成したある種の小平曲面から定まる種数2の閉リーマン面の正則族 $({\cal M}, \pi, R)$ が,正則切断を丁度2つ持つこと を示す. また時間があれば, $({\cal M}, \pi, R)$ の定義方程式を求め,それから得られる結果も示す.
講 演 者: |
坊向 伸隆(大阪市大COE研究所員) |
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タ イ ト ル: |
シンプレクティック等質空間入門(分類について) |
この講演では, シンプレクティック等質空間に関する基礎的なこと(定義など)を述べ, 実2次特殊線型群 $SL(2,R)$ が推移的に作用 するものは $SL(2,R)/SO(2)$,$SL(2,R)/R$,$SL(2,R)/SO_o(1,1)$の3種類に限ることを示します. そして, 実3次特殊直交群 $SO(3)$ が推移的に作用するものは 2次元球面 $SO(3)/SO(2)$ に限ることを示します.
講 演 者: | 増井 健一(大阪市立大学大学院理学研究科数物系専攻D3) |
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タ イ ト ル: | Denjoy極小系とマルコフ加算器 |
一意エルゴード的なカントール系は,full加算器またはDenjoy極小系いずれかと軌道同値であることが知られている.
Denjoy極小系は回転数(無理数)とdoubling orbitsの数によって分類することができる.そこでdoubling orbitが1つのときについて,回転数の連分数展開とそれに基づくdual
Ostrowski展開を使って考察する.その結果Bratteli diagram表示を得ることができる.
この表示はまたマルコフ加算器ともみなすことができることがわかる.またこの表示からSturmian列のsubstitutionによる表示を得ることができる.
講 演 者: | 辻井健修(大阪市立大学大学院理学研究科数物系専攻) |
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タ イ ト ル: | 代数群の概要 |
代数群とは群構造を備えた代数多様体であり,Lie 群の代数版である.GL(n,K), SL(n,K), O(n,K), Sp(n,K) などがその例である.ただし,K
は任意標数の体(広義では可換環)である.
正標数の体の理論は,標数0より複雑であるが,代数群やLie 環においてもその影響は現れてくる.
代数系以外の人にも概要をつかんでもらうことを主旨とするので,基本的に代数閉体上の線形代数群に関して,具体例を通して話をする予定である.
初めに代数多様体について簡単に述べた後,代数群のLie 環,Bruhat 分解,Levi 分解などを話したいと思う.
講 演 者: | 松川 信彦(大阪市立大学大学院理学研究科数物系専攻D3) |
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タ イ ト ル: | 表現論の応用とその入門 |
組紐群の群環は無限次元であるが, ある種の関係式でその剰余環を構成すると有限次元になることがある.
このような場合には既に, 代数的な表現論側からの膨大な研究の蓄積がある.
岩堀-Hecke代数や, Temperley-Lieb代数, Jones代数, Birman-Murakami-Wenzl代数などはその例である.
一方全ての絡み目は, 何かある組紐を閉じてできるという良く知られた事実(Alexanderの定理)があり, 一旦絡み目を組紐に直してから, 上記の代数の表現を仲介して不変量を構成するという方法がよく用いられている.
私の研究は岩堀-Hecke代数の組み合わせ論的な表現論を出発点としており, 現在もこの立場は堅持している.
しかし従来の方法を以って, そこに新たな成果を期待するには, (私の力量では)あまりにもこの分野が成熟しすぎているという感も否めない.
そこで蓄積された膨大な表現論の事実を, 目に見える対象(主に結び目理論)へ実際に適用し, その際におけるさまざまな工夫が組み合わせ論的な表現論に新しい視座を提供することを期待するというやや変則的な方法を試みている.
今回の話では岩堀-Hecke代数の表現論と, できれば量子群の表現の入門とも兼ねて上に述べたような話題について解説していきたい.
講 演 者: | 堤 康嘉(大阪市立大学数学研究所COE研究所員) |
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タ イ ト ル: | キャッソン不変量の計算へのアプローチ |
ホモロジー群やホモトピー群などの様々な代数的位相不変量がある、キャッソン不変量も位相不変量の一つであるが、キャッソン不変量は整数に値をとり、対象となる
3 次元多様体は、整係数ホモロジー 3 次元球面のみを考えている。キャッソン不変量は、整係数ホモロジー 3 次元球面の有効な道具ではあるが、未だにその計算などに困難な点がある。
今回の話では、キャッソン不変量の計算のための基本的な道具などを紹介して、私が研究しているキャッソン不変量の計算の話しをしたい。