教育内容・科目紹介

ようこそ数学科へ

現代数学の最先端がここにある。

自然界のあらゆる所に数理的な構造が潜んでいます。その探究の中で数学は成長し、現在の姿になりました。その現代数学の基礎概念を修得することを目標とした教育を行います。

微積分と行列、群や位相といった基本的事項を自分の思考の道具とするまでじっくり時間をかけ、さらに特別研究における教員との真剣な議論を通して、個性を生かし自由に考えること、アイディアを実現する過程を自ら進むことのよろこびと大切さを学びます。

数学科の理念と教育目標

各研究グループで、密度の高い教育を。

数学科には、次の5つの研究グループがあります。

代数学 四則演算は数がもつ重要な基本性質のひとつ。本グループは、数の集合だけでなく演算をもつ様々な集合の代数構造(群・環・体)について探究します。

幾何学 高校までのユークリッド幾何学以外に、トポロジーとよばれる"やわらかい"幾何学や微分幾何学、最近の結び目を対象とした"位置の幾何学"など、多彩な研究を行っています。

解析学 解析学は変化する量一般を扱う数学といえます。 厳密に定義された極限の概念を基礎にして、微分・積分などの道具を用いて、 微分方程式、複素関数、確率などを研究しています。

応用数学 自然科学、社会科学、工学などへの応用を目的とした数学分野です。その内容は多岐にわたりますが、例えば、反応拡散方程式、数理経済学、符号理論などを研究しています。

統計数学 統計学は様々なデータから有用な情報を取り出す手法と理論の体系です。本グループは他の数学の分野を横断的に利用することにより統計学の多彩な研究を行っています。

教員一覧

履修マップ

履修マップ

科目紹介

体とガロア理論

2次方程式の解の公式を皆さんはご存知でしょう。3次・4次方程式の解も、同様にべき根で表すことができます。では5次方程式は?これは何世紀もの間、未解決問題でしたが、19世紀初頭に数学者ガロアが解の公式は存在しないことを示しました。画期的だったのは、「方程式がどう解けるか」が「解のもつ対称性による」という発見です。この対称性は、ガロア群と呼ばれています。授業では、方程式とガロア群の密接な対応について学びます。

ホモロジー論

幾何学は「三角形の合同」や「円周角」など、直線や円で作られる図形の性質を調べる学問と一般に考えられていますが、「位相幾何学」という幾何学の分野では、球面やドーナツ面などの2次元の図形を含む、より高次元の図形(空間)を研究します。「ホモロジー」とは、位相幾何学における数学的な道具で、空間に対してアーベル群と呼ばれる足し算が定義された集合を対応させます。これによって目に見えない高次元の図形の性質を調べる方法を学びます。

微分方程式論

自然現象や社会現象における変化や変動の基本的なメカニズムは、微分方程式を用いて表されます。その微分方程式を解くことで変化の全体像を把握することができます。例えば、遠い惑星に宇宙探査機を飛ばせるのも、背景にある微分方程式の解析を通して、起こり得る事態を精密に予測できるからです。微分方程式は、工学・生物学・経済学・医学など幅広い分野で応用され、重要性が高まっています。授業では、微分方程式の解法を中心に学習します。 

確率統計

統計学は、観測されたデータから有用な情報を抽出することを目指しています。右図の散布図(上)には、二つの塊(クラスター)が見えます。これは、二つの異なる種類のデータが混在しているからでしょうか。それとも、一種類のデータが偶然二つの塊に見えるのでしょうか?このような判定を合理的に行うために、確率分布の概念を基礎にした統計的推測の理論を学びます。

符号理論

現在、広く普及している右図のような2次元コードは、1次元コードとして先に普及したバーコードよりも遙かに多くの情報をより少ない面積で記録することができます。また、バーコードでは誤り検出しかできないのに対して、2次元コードは、1980年に音楽CDのために標準化されたリード・ソロモン符号を用いた誤り訂正機能を持っています。そのような誤り訂正符号を構成する代数的な理論や、誤り訂正の仕組みなどについて学びます。

複素解析

2次方程式の虚数解として導出された複素数ですが、ベクトル的な側面とド・モアブルの定理に見られるような波の側面を併せ持ちます。この複素数を用いた解析を学ぶことにより、実数の範囲で学んだ関数の解析的性質が、複素数の範囲における解析的性質の実数の世界に顔を覗かせている一面であることが理解できます。また、等角写像を用いることにより、航空機を飛ばせたりするなど、複素解析は流体力学や電磁気学などに応用されています。授業では、計算を中心とする領域を学んだのち、幾何学的あるいは代数的な理論を含めた領域を学習します。

確率論・数理ファイナンス

確率論は自然や社会経済に見られるランダムな現象を記述・解析するために使われます。ある現象が起こる頻度や、ランダム性が系の性質をどのように決定するかを、確率微分方程式や伊藤の公式に代表される確率解析の手法や解析学などの手法を使って調べます。特に、数理ファイナンスはランダムな動きをする株価や為替とそれらと関連付けられた金融派生商品との関係を確率論の手法を使って調べる学問です。授業では確率論の基礎、ランダム性を数学的に記述するために必要な測度論などを学びます。

関連リンク

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