学科ポリシー

アドミッション・ポリシー

人類社会の持続的発展のためには、地球環境に配慮し、限りある資源の有効かつ循環的な利用が不可欠である。そのために化学工学科では、原料から化学工業製品を生産するプロセスの開発、設計および操作に関する基礎理論とその応用、すなわち、化学だけでなく生物学や物理学等にわたる広領域化、理論の高度化、精密化に関する教育・研究を行うことにより、地球環境と調和した豊かな社会の構築に貢献できる優れた技術者・研究者を育てることを目標とする。したがって、化学工学科では、工学部のアドミッション・ポリシーに加え、次のような学生を求める。

  1. 新しい物質の科学と技術に対する強い関心があり、地球環境と調和した豊かな社会の発展に貢献する意欲をもっている人
  2. 論理的な思考力と豊かな創造力の獲得をめざし、勉学意欲に溢れる人
  3. 外国語能力に優れ、国際的視野をもって社会に貢献することをめざす人
  4. 高い倫理観をもって課題解決に意欲的に取り組む人
  5. 高等学校における教科・科目を広く学習し、高い基礎学力を有している人
  6. 化学工学における諸課題に取り組むための基礎的な数学の素養、物理学の素養および化学の素養を身につけている人
  7. 英文を読んで理解し、書いて表現するための基礎的な能力を身につけている人
  8. 化学工学科のディプロマ・ポリシーやカリキュラム・ポリシーを理解し自身の将来と結びつけて考える事ができる人

ディプロマ・ポリシー

工学部化学工学科では、化学工学科のカリキュラムに沿って、次の能力を身に付けたものに学士(工学)の学位を授与する。

  1. 豊かな教養を身に付けることより、化学工学科に関する専門能力を備えた人材として社会において果たす役割を認識することができる。
  2. 技術が社会に及ぼす影響を認識し、技術者が社会に対して負っている責任を自覚し、高い倫理観をもって行動できる。
  3. 日本語で、物質化学生命(物理学、化学、生命化学と工学が融合した幅広い学際領域)、特に化学工学の専門に関する文章を読み、書くことができ、科学的・論理的な議論ができる。
  4. 英語による、論理的な記述力、口頭発表力、討議などの国際的コミュニケーション能力を高め、異文化との交流を行う対話および表現ができる。
  5. 物質化学生命、特に化学工学に関する専門知識を生涯わたって自主的、継続的に、計画的に学習することができる。また、学習したことを使って課題の解決方法を期限までに提示できる。
  6. インターネットなどを用いて物質化学生命の専門に関する情報を収集・分析し、その価値判断をすることができる。
  7. 化学工学に関する専門知識を利用することより、対象とする事柄について工学的手法を用いて分析することができる。
  8. 高い倫理観にもとづき、技術が社会に及ぼす影響を認識でき、技術者が社会に対して負っている責任を自覚できる。
  9. 化学工学に関する専門知識を利用することより、循環型社会の様々な問題を解決するための創造能力を身につけている。

カリキュラム・ポリシー

  1. 「化学工学科のディプロマ・ポリシー」の達成を目的として、教育課程の編成を行う。
  2. 工学の基礎に根ざした学問の系統性と順次性を尊重して、基幹教育科目及び専門科目により構成される整合性・一貫性を持つ体系化された教育課程を編成する。
  3. 基幹教育科目の履修により、教養豊かな人間性を涵養し、幅広い学修成果を身に付けさせる。基礎教育科目の履修により工学を学ぶために必要な、自然科学全般についての基盤的知識を修得させるとともに、生涯にわたる学びの基礎を築く。専門科目の中でも、特に物質化学生命において必要とされ、分野横断的に基礎的な教育を行う科目を学科基盤科目(化学工学序論、物理化学序論、無機化学序論)として設け、物質化学生命の専門に関する文章を読解、記述することができ、科学的・論理的な議論をする基盤の醸成を目指す。
  4. 1年次では、学生の幅広い学修を保証し、豊かな教養を身に付けさせるため、基幹教育科目(例えば、外国語科目、情報リテラシー科目など)を中心に配当する。同時に、4年間の学士課程教育の基礎を構築し、化学工学の専門科目の工学的手法を理解するため、基礎教育科目(例えば、微積分1B、2、線形代数1、2B、基礎力学B1、基礎無機・物理化学、基礎化学実験、基礎物理学実験1Bなど)を適切に配当する。また、1年次前期に「化学工学序論(必修)」を配当し、化学工学の最先端研究を紹介するとともに、化学工学の概要を理解させ、今後の勉学に対する目的意識を高める。
  5. 2年次では、初年次の基幹教育科目を中心とする教育で得られた基礎的で幅広い学修成果を、3年次以降の学科専門科目履修に繋げることを目的として、専門学科の導入と学生の創造能力の育成を目的として、「ケミカルエンジニアリングプラクティス」を2年次前期に開講する。また、基礎教育科目(例えば、常微分方程式、基礎力学B2など)と化学工学科の基礎的な専門科目(例えば、化学工学量論、化学工学熱力学、化工物理化学、化工有機化学、化工分析化学など)を中心に配当する。さらに、物質化学生命で学ぶ学問分野全般を俯瞰する視点を獲得し、3年次以降に学習する専門科目への接続を円滑にするため、2年次には入門的な学科専門科目(例えば、反応工学1、拡散分離工学1、移動速度論1など)とその演習科目(化学工学演習1)を適切に配当する。これらの基礎教育科目と専門科目を通して、化学工学の専門に関する文章を読解、記述することができ、科学的・論理的な議論ができるとともに、化学工学の専門知識を利用し、様々な化学工学の対象に対して工学的手法を用いて分析できる力を養う。
  6. 3年次に、技術者・研究者としての倫理観を涵養するため「工学倫理(必修)」、「環境倫理(選択)」を配当する。3年次以降では、化学工学科の専門科目(例えば、粉体工学1、プロセスシステム工学、プロセス設計、移動速度論2など)を中心に配当し、講義(化学工学特殊講義)・実験(化学工学実験1、2)・実習(工学部インターンシップ)・演習(化学工学演習2)などを通して、特に化学工学に関する問題解決に応用できる能力、すなわち化学工学の専門や関連する専門分野の文章を読解、記述でき、科学的・論理的な考察・議論・検証を行い、これらの専門知識を利用し、工学的手法により問題を解決する手段を的確に選択、実践し、評価する力を育成する。また、「化学工学特殊講義」を開講し、化学工業の現状や化学工学という学問分野の最先端と課題に触れることにより、最先端の知識と製品の開発手法から問題解決能力の実践方法を習得させる。
  7. 4年次には卒業研究を必修とし、化学工学における最先端の研究テーマを設定して学生の研究意欲を高め、系統的な研究指導により基礎的な研究能力を育成する。卒業研究を通して、図書館、学会、学術雑誌、インターネットなどを駆使し、物質化学生命、特に化学工学の専門に関する情報を収集・分析し、その価値判断を行い、1から3年次に学んだ専門知識や工学的手法を駆使して研究テーマにおける問題解決を行い、工学研究としてまとめる手法を実践させる。卒業研究履修には履修資格を設ける。また、「化学工学英語演習」を開講し、英語による、論理的な記述力、口頭発表力、討議などの国際的コミュニケーション能力と、専門に関する英文の専門書や学術論文等を速く、正確に読解できる能力を習得させる。

各科目の学修成果は、定期試験、中間試験、レポート、発表等の平常点等で評価することとし、その評価方法の詳細については、授業内容の詳細とあわせてシラバスに記載する。