装置工学グループ

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粉体とは固体の小さい粒が多数集まったもので、私たちの身の回りでは食品や医薬品、化粧品など数多くの製品に利用されています。粉体は固体に分類されますが、扱い方によっては気体や液体のように振る舞うことがありますので、粉体を使った製品の生産は簡単ではありません。とくに最近では、取り扱う粉体の大きさがますます小さくなり、さらに、これまでにはなかった高機能・高性能な製品に対するニーズの高まりから、異なる種類の粉体を組み合わせて新しい粉体を創成する必要が生じていますので、その製造法、つまり、粉体プロセスの開発・解析・評価が極めて重要となっています。そこで私たちの研究グループでは、機能性粉体の創成を目的として、様々な粉体プロセスについて基礎的な検討から応用・実用化に至るまで、様々な角度・観点から研究を行っています。

高機能性粉体の設計と製造装置の開発

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粉体材料に各種の高機能性を持たせるための装置を開発し、さらに実用化のために必要不可欠なプロセスの制御と最適化、スケールアップについて研究しています。例えば、高性能な医薬品(例えば、早く効く、飲みやすい薬)を連続的に生産するプロセスの開発に取り組んでいます。また、電気自動車用の新しい蓄電池として注目されている全固体リチウムイオン電池の製造プロセスに関する研究も行っています。

粉体プロセスの数値シミュレーション

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数値シミュレーションや機械学習を用いた粉体プロセスのモデル化・解析を行っています。プロセス内部の複雑な粉体・粒子のふるまいを数値計算し、その解明に取り組んでいます。また、シミュレーション技術を活用した次世代ものづくりの実現に向けて、高速計算が可能な新しい計算手法の開発に取り組んでいます。さらに、ニューラルネットワークなどを駆使して、製品の特性を予測する機械学習モデルも開発しています。

高性能医薬品粒子の開発に向けた研究

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高性能な医薬品の粒子を開発するための現象理解や粒子設計に取り組んでいます。粒子が体内の細胞膜とどのように相互作用するのかをコンピュータでシミュレーションし、どのような粒子を開発すればより高い効果が得られるのかについて研究を進めています。また、新規多孔性材料(Metal-Organic Framework: MOF)の医薬品分野への応用に向けた研究に取り組んでいます。