研究成果の公開(オープンアクセス)

オープンアクセスについて

オープンアクセス(OA)とは、学術研究活動の成果をインターネットを通じて無償で公開し、世界中の人々が対価なくこれを享受できるようにすることです。オープンアクセスを実現する方法には、機関リポジトリ等に研究者自身が「セルフアーカイブ」する方法(グリーンOA)と、学術雑誌で論文をオープンアクセスにして出版する方法(ゴールドOA、ダイヤモンドOA等)があります。

大阪公立大学では、2022年5月に「大阪公立大学オープンアクセス方針」を策定し、研究成果のオープンアクセスを推進しています。

即時オープンアクセス義務化について

1.概要

2024年2月16日に開催された統合イノベーション戦略推進会議において、「学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本方針」が策定されました。この方針では、公的資金のうち2025年度から新たに公募を行う即時オープンアクセスの対象となる競争的研究費の受給者に対して、該当する競争的研究費による学術論文及び根拠データの学術雑誌への掲載後に、即時に機関リポジトリ等の情報基盤に掲載することが義務付けられています。

また、「『学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本方針』(統合イノベーション戦略推進会議 令和6年2月16日決定)の実施にあたっての具体的方策」2024年2月21日に公表、同年10月8日に改正されました。この具体的方策に関するFAQはWebで公表されています。

2.対象となる競争的研究費

資金配分機関 制度名
日本学術振興会(JSPS) 科学研究費助成事業
科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業*
日本医療研究開発機構(AMED) 戦略的創造研究推進事業(革新的先端研究開発支援事業)
科学技術振興機構(JST) 創発的研究支援事業
  • *先端的カーボンニュートラル技術開発(ALCA-Next)及び情報通信科学・イノベーション基盤創出(CRONOS)を除く。

3.対象となる研究成果

  • 論文
    電子ジャーナルに掲載された査読付き学術論文(著者最終稿を含む)
  • 根拠データ
    論文の掲載電子ジャーナルの執筆要領、出版規程等において、透明性や再現性確保の観点から必要とされ、公表が求められている根拠データ

4.公開するプラットフォーム

所属する機関において機関リポジトリが整備されている場合は、原則として当該機関リポジトリ(本学では大阪公立大学学術情報リポジトリ)に研究成果を掲載することとされています。
その他、次のような方法で対応することも可能です。

  • NII RDCと連携している分野別リポジトリ等、もしくはJxivや科学技術振興機構(JST)のリポジトリGRANTS Dataで公開する
  • 学術出版社のサイト等でオープンアクセスにした学術論文等は、その識別子を実績報告に記載する

5.実施状況の報告

該当する研究費の受給者は、助成機関への毎年度の実績報告時に、個々の学術論文および根拠データごとにオープンアクセスの実施状況を報告する必要があります。

即時オープンアクセスの実施が困難な場合は、実績報告の際にその理由の報告が求められます。

即時オープンアクセス化が困難な理由の例
  • 出版社や雑誌のポリシーでエンバーゴの規定が存在
  • 出版社や雑誌のポリシーが存在しない又は不明瞭
  • 研究費を圧迫するため、転換契約の利用もしくはAPCの負担ができない

なお、受給者は、即時オープンアクセスの実施が困難な理由が解消された場合は、速やかに「機関リポジトリ等の情報基盤」への掲載を行うことが求められます。

6.即時オープンアクセス(OA)義務化対象確認チャート

flowchart

即時オープンアクセス(OA)義務化対象確認チャート(PDF版)

  • 本学機関リポジトリへの登録申請をするには2つの方法があります

研究データの公開

大阪公立大学では、データポリシーに基づき大阪公立大学研究データ管理・公開に関する実施方針を策定しています。研究データの管理・公開・利活用のページで、研究データを公開する際の留意点や参考情報等をご確認ください。

本学機関リポジトリでの公開

大阪公立大学学術情報リポジトリでは150MBまでの研究データ(論文の根拠データ)を登録できます。複数ファイルの登録も可能です。詳しくは、研究データ登録申請書のページ(学内限定)をご確認の上、登録申請をしてください。

各種リポジトリでの公開

データリポジトリには、分野別リポジトリや汎用リポジトリがあります。利用に際しては最新の利用条件をご確認ください。

分野別のデータリポジトリを探せるサイト

代表的な汎用リポジトリ

オープンアクセス支援(グリーンOA、APC支援等)

本学ではオープンアクセスを推進するための様々な支援策を提供しています。

  • 学術雑誌等に掲載された論文を出版社等のセルフアーカイブの条件により機関リポジトリで公開する(グリーンOA)
  • APCを支払うことで出版と同時に無料公開する(ゴールドOA)場合のAPC支援

詳しくは、ポータルに掲載の「オープンアクセス(OA)推進のための支援等」(学内限定)をご確認ください。

ハゲタカジャーナルについて(注意喚起)

ハゲタカジャーナル(粗悪学術誌、predatory journal 等)とは、査読誌であることをうたいながら、著者から論文投稿料(APC)を得る事のみを目的として、査読やその過程を十分に行わず、学術研究の質に関係なく論文等を掲載する悪質な雑誌です。

詳しくは、ポータルに掲載の「ハゲタカジャーナルについて(注意喚起)」(学内限定)をご確認ください。