施設・設備

船舶や海洋構造物の運動性能を研究する設備

船舶の性能を調べる上で重要なのが水槽試験。実際に船を作る前に模型船でその抵抗や推進、運動性能等を調べます。模型船を台車で引っ張ったり、波や風を起こしたりすることができます。
同様に、洋上浮体の性質について調べることも可能です。

  • 曳航水槽 - Towing Tank

    曳航水槽 - Tow Pool

    曳航(えいこう)水槽は、船や海洋構造物の模型を曳航電車や曳航台車によって曳航し,走行中に模型の運動や模型に働く流体力が計測する実験で使用されます。

  • 造波機 - Wave Maker

    造波機 - Wave Maker

    水槽(曳航水槽)の端に取り付けられた,フラップ式の造波機です。海洋で発生する波を再現するために用いられ、規則波や不規則波を意図的に作成することができます。

  • 送風機 - Wind Maker

    送風機 - Wind Maker

    送風機はモーターを回転させて空気送り出す装置です。施設外に取り付けられたモーターから送られた空気はダクトを通じて水槽の端から送風することができます。海上での気候により生じた外乱状態を再現するために用いられます。

  • 回流水槽 - Circulation Water tunnel

    回流水槽 - Water tunnel

    回流水槽では一方向に流れる水の中に模型を置き、流体現象を調べます。装置は水平方向に循環するように水が流れる仕組みになっており、流速を変化させることで様々な実験を行います。

  • 小型回流水槽 - Sub Circulation Water tunnel

    小型回流水槽 - Sub Water tunnel

    小型の回流水槽は垂直循環型となっており、小さな模型を観察するのに優れています。

船舶や海洋構造物の構造を研究する設備

大阪公立大学工学部海洋システム工学科の構造実験室では、各種強度評価を行う設備の他に、大学では珍しい溶接ロボットを3台も保有しており、日本でも有数の船舶製造研究・船舶接合研究の拠点になっています。また近年、この実験室から多くの特許技術が生まれています。
(関連研究室:柴原研究室、生島研究室、坪郷研究室)

  • 溶接ロボット - FD-V25×2、Almega AⅡ-V6

    溶接ロボット - FD-V25×2、Almega AⅡ-V6

    構造実験室には3台の溶接ロボットがあります。その特徴は、以下の通りです。
     ・ 複数台同時に溶接することができる。
     ・ 電極と板との距離(アークハイト)を保ちながら溶接することができる
     ・ 板どうしの境界(開先部)をセンシングしながら狙い撃ちすることができる
    これらの溶接ロボットを用いることで、各種構造物の溶接組立を行う事ができます。また、複数の溶接ロボットを制御して連携させることにより、船舶・海洋構造物・橋梁・建築・自動車等のあらゆる分野の構造物製造時の溶接変形を再現することができ、各種生産現場における生産性の向上に繋げる取り組みを実施しています。

  • 開先認識センサー - FD-QT

    開先認識センサー - FD-QT

    レーザによる高精度な溶接線自動認識センサー。溶接時には、板の変形や設置誤差などにより、溶接トーチが溶接線を必ずしも正確に捉えることができない場合があります。そのような場合にも、レーザを用いることで、溶接したい箇所を正確に狙えるようにするのがこの開先認識センサーです。このセンサーを用いることで、実験時に、失敗の少ない良質な溶接ビードの形成を可能としています。

  • TIGアークセンサ - FD-TR

    TIGアークセンサ - FD-TR

    溶接時には、電極-板間の距離の大きさに応じて電圧は変化し、それが原因で溶接不良に繋がる場合もあり問題となっていますが、その電圧差を逆に利用することにより、電極-板間の距離を認識し、一定距離を保つ制御をしているのがこの「開先認識センサー」です。このセンサーを用いることで、良質な溶接ビードの形成を可能にしています。

  • 三次元画像計測装置 - 3D Shape & Deformation Measurement Device Using Image Correlation Technology

    三次元画像計測装置 - 3D Shape 三次元画像計測装置 - Deformation Measurement Device Using Image Correlation Technology

    デジタルカメラによる撮影画像を用いて、三次元の形状測定や変形計測ができる計測システムです。特に、三次元変形計測システムは、大阪公立大学工学部海洋システム工学科で開発されたシステムであり、物体の三次元移動量(並進移動・回転移動)の計測や、溶接最中の変形挙動を正確に計測するために使われています。これを用いることで、溶接変形を直接観察することができるため、メカニズム解明のための大変有用な情報を得ることができます。

  • サーモグラフィー - InfReC R550Pro

    サーモグラフィー - InfReC R550Pro サーモグラフィー - InfReC R550Pro

    -40℃から2000℃までの温度分布を、高精度かつ高解像度に計測できる装置です。最速120Hzの高速サンプリングや120万画素の高精細な熱画像を取得できるのが特徴です。これにより、溶接時の詳細な温度分布を実測することができるため、製造工程の実験に対し有効活用できます。

  • 温度計測装置 - GLAPHTECH GL7000

    温度計測装置 - GLAPHTECH GL7000 温度計測装置 - GLAPHTECH GL7000

    GLAPHTECH GL7000は、熱電対により得られた-270℃から1370℃までの温度や、ひずみ、変位などの物理量の時系列データを取得することができるデータロガーです。デジタルツインを行う際の各種時系列データの取得に用いることができます。画面により温度履歴等の結果を即時に表示することができ、エクセルファイルなどにも簡単にデータ保存することができます。

  • 構造計算機室 - Computer Room for Structure Analysis

    構造計算機室 - Computer Room for Structure Analysis

    大阪公立大学工学部海洋システム工学科では、世界最速レベルの超高速シミュレーション技術を独自に開発し、基礎研究のみならず、設計・生産の共同研究等に応用しています。その心臓部とも言えるのが、200台を超えるGPUが設置されている、この構造計算機室です。この部屋から新たな解析手法やAI解析システム、制御システム等が産み出されております。

  • 3Dプリンター - Flashforge GUIDER II

    3Dプリンター - Flashforge GUIDER II 3Dプリンター - Flashforge GUIDER II

    3D CADなどの3次元ソフトウェアで作成された3次元データを元に断面形状を積層し、自由自在に立体造形することができる装置です。280×250×300mmの大きさまで造形することができ、多様な用途に用いることができます。

  • 溶接デジタルツインシステム - Digital Twin System for Welding Phenomena

    溶接デジタルツインシステム - Digital Twin System for Welding Phenomena 溶接デジタルツインシステム - Digital Twin System for Welding Phenomena

    大阪公立大学工学部海洋システム工学科では、船舶建造のみならず、海洋構造物、橋梁、建築、自動車等の各種産業にも適用可能な生産システムの開発を進めています。その中でも重要視しているのが溶接デジタルシステムの開発です。このシステムは、工場における溶接による組立生産と数値計算とを連携させることで、生産性を著しく向上させるものであり、大阪公立大学工学部海洋システム工学科独自に開発されたシステムです。

  • 三次元形状計測装置 - FARO Gage / FARO Arm

    三次元形状計測装置 - FARO Gage / FARO Arm

    測定対象物体に対しプローブを連続的に押し当てることで、物体の三次元形状を取得することができ、その体積計算、面積計算等を自動的に行ってくれる便利な装置です。各種物体認識のほか、溶接変形シミュレーション結果の妥当性検証などに用いることができます。

  • レーザ式三次元形状計測装置 - Laser-type 3D Shape Measuring Device

    レーザ式三次元形状計測装置 - Laser-type 3D Shape Measuring Device

    レーザを用いることで、物体の三次元形状を高精度に形状計測することができます。専用の3Dグラフィックソフトを用いて描画することで、設計や製造の研究に役立てています。

  • 卓上オートグラフ(5t) - Desktop-type Auto Graph

    卓上オートグラフ(5t) - Desktop-type Auto Graph

    荷重を制御しながら試験材料に力を加え、その時の『加えた力の大きさ』と『変形量』の関係から材料の特性を調べます。材料の特性を知ることで、様々な形状の船舶構造の強度予測に役立てることができます。この装置は卓上でありながら、5トンまでの荷重を負荷し破壊試験を行うことができるため、多くの用途に使用することができます。

  • 卓上型精密引張り試験機 - Desktop-type Precision Tensile Tester

    卓上型精密引張り試験機 - Desktop-type Precision Tensile Tester

    卓上型精密引張り試験機は、小荷重による精密な強度評価を行うための装置です。必要な機能を小型化し集約された材料試験機です。ゴムやプラスチック等の柔軟材料の強度評価に対し威力を発揮します。

  • 万能試験機(30t) - Universal Testing Machine

    万能試験機(30t) - Universal Testing Machine

    万能試験機では、溶接ロボットを用いて組み立てられた構造体や構造材料に対し、30 tonの引張り、圧縮、曲げ等の荷重を負荷することができます。また、その際に発生するひずみや変位を測定することにより、材料の持つ力学的特性を調べることができます。

  • オートグラフ(25t) - Auto Graph

    オートグラフ(25t) - Auto Graph

    荷重を制御しながら試験材料に力を加え、その時の『加えた力の大きさ』と『変形量』の関係から材料の特性を調べます。材料の特性を知ることで様々な形状の船舶構造の強度予測に役立てることができます。こちらの装置は25トンの大きな荷重を負荷することで、実用構造材料が破壊に至るまでの変形を観察することができ、また、力と変形の関係をデータ化することができます。