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2025年9月8日

  • 学科紹介

《教授インタビュー》海洋システム工学科 学科長 中谷直樹 教授

大阪公立大学を志望している高校生に向け、海洋システム工学科の学科長、中谷直樹教授にインタビューを行いました。

 

《教授インタビュー》海洋システム工学科 学科長 中谷直樹 教授

 

学科の全体像

Q.1 海洋システム工学科について教えてください。

A. 海に関わる工学を深く学び、活躍できる人材を育成する学科です。「海洋システム工学」について簡単に説明すると、海というフィールドで自然と調和しながら人間が活動するために、工学的な観点からそのアプローチを考える学問です。

学びと実践の設計について

Q.2 他分野(例:AI・環境・防災など)との融合や、他学科との協同の取り組みはありますか?

A. もちろんあります。海の利用を深く研究するためには、様々な分野と繋がることが必要です。例えば、荷物を積める船だけ作ればいいというわけではなく、船に乗せる貨物をどう動かすのか、船を停泊させる港はどうするのか、船がきちんと動いていることを監視するにはどうすればよいのかなど、多角的な研究が求められます。このような様々な分野の研究が融合することで、海運システムが成り立っています。

 

本学の工学部の中には、港湾や河川を扱う都市学科や情報技術やAIを専門的に取り扱う情報工学科があり、そこに所属する教員と共同で研究したり、意見交換を行うこともあります。

 

AIや情報技術の適用や応用は、海洋に関係する分野でも急速に広がっており、私たちも研究の中で大いに活用しています。つまり、幅広い分野とのつながりを持つ学問であると言えます。その広範囲な背景の中から海洋システム工学は学びを深め、一つのシステムを作り上げていくというアプローチを取っています。

 

研究・社会連携について

Q.3 学科全体として現在注力している研究分野やトピックには、どのようなものがありますか?

A. これは難しい質問ですね。海洋システム工学科が取り組んでいる研究分野やトピックは多岐にわたるため、一言ではなかなか言い表せません。もちろん、トレンドとしては脱炭素や新エネルギー、自動化といったテーマに関係するものも多いです。研究テーマに関しては、Webサイトなどの媒体で確認することができるため、そちらを見てチェックしていただいた方が分かりやすいかもしれません。

学生の成長と姿勢について

Q.4 どのようなタイプの学生が、海洋システム工学科にフィットするとお考えですか?

A. まず、好奇心旺盛な人ですね。「海」という対象を核としながらも取り組む分野は幅広いため、様々な事柄に興味を持って欲しいという思いがあります。

 

もう一つは、「経験したことや学んだことをつなげて、何かを生み出したい」という思考を持っている人です。そのような人は、海洋システム工学科に向いていると思います。

卒業後の進路・社会での活躍

Q.5 卒業生はどのような業界・分野に進んでいることが多いですか?

A. 船舶や海洋工学に関係する業界がメインです。船を造る造船会社や船を運航する海運会社、船の検査を担う組織などが割合を占めています。

 

しかしながら、様々な要素をかけ合わせて海に関係する機械やシステムを作っているため、「総合工学」としての工学的な技術や知識は幅広い業界から高く評価されています。最近だと、AIや情報分野の研究をされている学生さんも多いので、そちらの方面に就職される方もいます。自動車業界に就職される方もいますね。要素を融合させて一つのシステムを構成する力は需要があり、その考え方が必要な自動車業界からの引き合いも多いです。

 

さらに近年は、洋上風力発電の実用化も進んでおり、ゼネコンやマリコンといったコントラクター、あるいは電力会社に就職される方も増えています。

 

このように、海に関連する企業を軸としながらも、就職先は多様な広がりを見せています。

受験生へのメッセージ

Q.6 受験生に向けて、メッセージをお願いします。

A. 海に関心を持ち、工学的観点から「何かを形にしたい」という思いを抱いている方にはとても適した学科だと思います。海洋での人間活動の可能性を広げ、社会に貢献したいという方は、ぜひ興味を持って海洋システム工学科に来ていただければと思います。