ケミカルバイオロジー研究所

設置目的

2003年4月にヒト遺伝子配列が完全に解読され、タンパク質の設計図が明らかにされた。次の大きな問題は、タンパク質の機能について明らかにすることであり、どのタンパク質が、どのタイミングで、どこで働くのかを解明することである。このことから、近年、「ケミカルバイオロジー」と呼ばれる研究領域が注目されるようになっている。ケミカルバイオロジーとは、化学から出発して生物学の研究に帰着するという研究であり、低分子化合物をプローブとして、任意の時期に、任意の強度で標的タンパク質を制御・抑制することにより、生命現象の解明を目指す。本研究所では、(1)ファージライブラリー、酵母ライブラリーなどを用いた標的タンパク質に対するケミカルプローブの獲得、 (2)構造生物学を基盤としたケミカルプローブの設計、および(3)各種ケミカルプローブを用いた様々な生命現象の解明を目的としている。また、これらのケミカルプローブから、医薬品リード化合物の開発を目指す。

 

研究内容の概要

ケミカルバイオロジー研究は、低分子化合物をプローブとして特定のタンパク質の機能をON/OFFすることにより、様々な生命現象の解明をおこなう。このためには、特定のタンパク質に対して結合活性および特異性が高いケミカルプローブを作製することが重要である。従って、本研究所ではこれらの研究の基盤となる以下の研究内容に取り組む。

  1. ケミカルプローブ探索のための化合物ライブラリーの作製
  2. ファージペプチドライブラリー・酵母ペプチドライブラリーを用いた標的タンパク質に対するケミカルプローブの獲得
  3. タンパク質の立体構造を基盤としたケミカルプローブの設計と合成ならびにその機能評価
  4. 各種ケミカルプローブを用いた様々な生命現象の解明

ケミカルバイオロジー研究所セミナー

開催日時 テーマ 担当 開催場所
第7回 平成21年12月7日
15時~16時
Proteomics for natural product biosynthesis

Professor Michael D. Burkart
(University of California, San Diego)

大阪府立大学
理学部サイエンス棟
A13-32
第6回 平成21年11月12日
15時~16時
Post-translationally modified peptides for detection of biomarkers of immune-mediated diseases:A Chemical Reverse Approach Professor Anna Maria Papini (Université de Cergy-Pontoise) 大阪府立大学
理学部サイエンス棟
A13-323
第5回 平成21年9月7日
13時30分~15時
Enzyme design by directed evolution Professor Donald Hilvert
(ETH Zürich, Zurich, Switzerland)
大阪府立大学
A12棟
サイエンスホール
第4回 平成21年1月29日
14時30分~15時30分
Rational Bioprocess Design for Zero- and One-Carbon Sustainable Bioindustry Professor Xin-Hui XING
(Tsinghua University, Beijing, China)
大阪府立大学地域連携研究機構本館C10-503号室
第3回 平成20 年12月9日
午前10時30分~11時30分
Rational Bioprocess Design for Zero- and One-Carbon Sustainable Bioindustry Professor Young-Tae Chang
(National University of Singapore)
大阪府立大学
地域連携研究機構本館C10-503号室
第2回 平成20年7月23日
15時30分~16時30分
設計ペプチド工学:バイオチップとアミロイド 三原久和 教授
(東京工業大学大学院生命理工学研究科 生命プロセス専攻)
大阪府立大学
地域連携研究機構
本館C10-503号室
第1回 平成20年7月2日
15時~16時
タンパク質立体構造に基づく化合物探索の理論的アプローチ 広川貴次 博士
(産業技術総合研究所生命情報工学研究センター)
大阪府立大学
地域連携研究機構
本館C10-503号室

 

構成員

所長

中瀬 生彦(理学研究科 教授)

研究員

区分 教授 准教授 講師 助教 特任教授
工学研究科 荻野 博康 児島 千恵
農学研究科 乾 隆
谷森 紳治
園田 素啓
理学研究科 神川 憲
木下 誉富
円谷 健
中瀬 生彦
恩田 真紀 藤原 大佑 道上 雅孝
研究推進機構 切畑 光統
藤井 郁雄

客員研究員

機関 役職 氏名
客員研究員 多田 俊治

設立年月日

平成20年(2008年)7月1日

SDGsへの貢献

SDGs_ケミカルバイオロジー研究所

大阪公立大学は研究・教育活動を通じてSDGs17(持続可能な開発目標)の達成に貢献をしています。
本研究センターはSDGs17のうち、「3:すべての人に健康と福祉を」、「9:産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献しています。

お問い合わせ

理学研究科 教授 中瀬 生彦

Tel 072-254-9834 Tel 4108(内線)
Eメール i-nakase[at]omu.ac.jp
[at]の部分を@と変えてください。