創薬科学研究所

設置目的

創薬科学研究所の設置目的は、創薬に関わる様々な研究を部局横断的に実施するための活動拠点とすることである。即ち、創薬標的の特定と検証、分子標的薬の探索、及び薬物送達システムによる最適化(ドラッグデリバリーシステム(DDS)を含めた製剤技術)を行う各研究分野において、個々の研究を推進するとともに、創薬から製剤化までを見据えた産学官連携による研究・開発の拠点とする。また、これらの研究成果を教育分野に還元し、大阪公立大学の全学副専攻である創薬科学副専攻の充実及び運営促進を図る。

研究内容の概要

現在、医薬品の世界市場は、従来の「低分子医薬品」から、「バイオ医薬品」の占める割合が急激に増加している。「低分子医薬品」とは、化学合成によって製造される分子量300から500程度の薬品である。一方、「バイオ医薬品」とは、バイオテクノロジーによって創製される高分子医薬品であり、核酸、タンパク質、あるいはペプチドから成り、がんなどの疾患領域において画期的な効果を示している。「バイオ医薬品」を開発するためには、生命科学や医薬品化学の知識や技術とともに、動物、微生物、あるいは細胞を利用した遺伝子組換え技術や細胞培養技術など、幅広い専門的技術と知識が必要である。また、化学合成で創られる従来の「低分子医薬品」と比較して「バイオ医薬品」は、非常に複雑な構造をしており、作製法の確立には高度な技術が要求される。

そこで本研究所では、現在の新薬の多くを占める抗体医薬などの「バイオ医薬」とともに、近年注目されている核酸医薬、および従来の低分子医薬も含め、多角的に有力な新薬候補化合物を生み出す研究を行う。さらに、リポソーム、高分子ミセル、デンドリマー、タンパク質、あるいはエクソソームなどのナノサイズ高分子を利用したドラッグデリバリーシステム(DDS)により、内包薬剤を病巣へピンポイントに輸送することで、がんなどの疾患に対して、副作用のない究極の治療をめざす。drug_development_figure_s

構成員

研究所長

乾 隆(農学研究科 教授)

研究員

区分 教授 准教授 講師 助教 特任教授
農学研究科 乾 隆 石橋 宰
理学研究科 加藤 裕教
木下 誉富
品田 哲郎
中瀬 生彦
藤原 大佑 道上 雅孝
工学研究科 立花 太郎
長﨑 健
中西 猛
弓場 英司
横山 智哉子
獣医学研究科 中嶋 秀満
医学研究科 植松 智
徳永 文稔
塩田 正之
研究推進機構 井上 忠弘
上田 豊
土居 久志
藤井 郁雄

客員研究員

機関 役職 氏名
近畿大学医学部・大学院医学研究科内科学教室 脳神経内科部門 教授 永井 義隆

設立年月日

2019年4月1日

SDGsへの貢献

グループ 23

大阪公立大学は研究・教育活動を通じてSDGs17(持続可能な開発目標)の達成に貢献をしています。

本研究センターはSDGs17のうち、「3:すべての人に健康と福祉を」、「9:産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献しています。

お問い合わせ

農学研究科 乾 隆

Tel 072-254-9473 Tel 4611(内線)

Eメール inuit[at]omu.ac.jp

[at]の部分を@と変えてください。