未来の博士育成ラボラトリー
設置目的
新型コロナウイルスのパンデミック(感染症の世界的大流行)の猛威は世界で分断や格差等の社会の脆弱性を露呈させ、地球温暖化と気候変動をはじめとする地球環境問題や生物多様性の喪失、人口問題、食糧問題など人類共通の課題解決が突きつけられている「グレート・リセット」時代の中、いかに科学技術の力がそうした課題解決に貢献し、持続可能な未来を築いていくか。いま「Science for Global Well-Being」の理念が問われてきている。
我が国においては、文部科学省を中心に「持続可能な開発目標達成のための科学技術イノベーション(STI for SDGs)」が推進され、多様な分野の課題解決に不可欠な優先的要素としてSTIが位置づけられている。また、「科学技術基本計画」は2021年度から「科学技術・イノベーション基本計画」へと名称変更し、SDGsと連動した我が国の未来ビジョン「Society 5.0」の実現に向けた取り組みを加速させる中、科学教育の面においても、科学的視点で様々な社会課題を捉え、SDGs やSociety5.0 で描く持続可能な未来社会に科学で貢献する科学人材、イノベーターの育成が重要である。
本学「『未来の博士』育成ラボ」は、科学に対する高い意欲・能力を有する中学生を対象に大学が実施する多彩なSTEAM教育プログラムを通して高度な科学に触れる機会を提供することで、以下の科学的能力・資質を獲得していくことを目的として活動する。同時に科学で人類の幸福に貢献する「Science for Global Well-Being」の理念で未来社会を支える科学人材の育成を図るものとする。
- 科学に対する強い探究意欲を持ち、高度で未知の課題に主体的に挑戦する能力
- 自ら創意工夫し、主体的に独創的な研究を推進できる能力
- 論理的な思考力と優れたプレゼンテーション・ディスカッション能力
- 個を尊重しながら共同で科学研究を進めていく能力
研究内容の概要
2022年4月に開学した大阪公立大学は、「現代システム科学域」「文学部」「法学部」「経済学部」「商学部」「理学部」「工学部」「農学部」「獣医学部」「医学部」「看護学部」「生活科学部」の1学域11学部を有する我が国最大規模の総合大学である。自然科学、人文・社会科学、そして医学・獣医学の有機的シナジー効果が生み出す「総合知」を活用し、科学に関心が高い中学生に授業では学べない科学の楽しさや科学の本質を伝えるSTEAMプログラムの拡大と多様化を推進する。
民間企業とも連携し、プログラムの共同開発や民間企業独自の視点による実験プログラムの導入等科学教育事業における産学連携にも取り組む。
堺市教育センターとの連携では、堺市の中学理科教員の指導能力の向上に向けた研修活動も共同で展開することで、現場レベルでの中学理科教育の水準向上にも協力する。
研究所サイト
構成員
所長
川又 修一(工学研究科 教授)
研究員
区分 | 教授 | 准教授 | 講師 |
---|---|---|---|
工学研究科 | 有馬 正和 川又 修一 小西 啓治 |
安齋 太陽 原 尚之 |
– |
理学研究科 | 久保田 佳基 | 河相 武利 | – |
現代システム科学研究科 | 竹中 規訓 | – | – |
農学研究科 | – | 中村 彰宏 | 中澤 昌美 |
情報学研究科 | – | 小島 篤博 | – |
客員研究員
機関 | 役職 | 氏名 |
---|---|---|
堺市教育委員会事務局教育センター | 主任指導主事 | 横山 考志 |
堺市教育委員会事務局教育センター | 指導主事 | 川田 健次 |
大阪府立大学 | 名誉教授 | 川田 博昭 |
堺市教育センター 能力開発課 科学教育グループ |
指導主事 | 篠原 孝雄 |
設立年月日
2019年6月1日
SDGsへの貢献
大阪公立大学は研究・教育活動を通じてSDGs17(持続可能な開発目標)の達成に貢献をしています。
本研究センターはSDGs17のうち、「4:質の高い教育をみんなに」、「9:産業と技術革新の基盤をつくろう」、「17:パートナーシップで目標を達成しよう」に貢献しています。
お問い合わせ
工学研究科 教授 川又 修一
Tel 072-254-9135 Tel 3650(内線)
Eメール s-kawamata[at]omu.ac.jp
[at]の部分を@と変えてください。