環境哲学・人間学研究所
設置目的
本研究所は、平成21年に設置された「現代生命哲学研究所」を前身とし、それを継承・発展させる形で平成27年に発足した、広義の“環境”および“人間”に関わる現代社会の多様な問題群に対して哲学・思想的にアプローチしていくことを目的とした研究拠点である。そこでは「生命の哲学」、「サステイナビリティ」、「平和学」、「総合人間学」という四つの柱を通じて、環境と人間の関係性や相互作用、および現代に生きる人間存在それ自身に関する総合的な理論研究を展開していくほか、研究拠点としての学内・学外の研究ネットワークの構築、成果の公表、若手研究者の育成を目指す。
研究内容の概要
本研究所では、多様な問題群に直面する現代社会、およびそこに生きる人間存在について、「生命の哲学」、「サステイナビリティ」、「平和学」、「総合人間学」という四つの柱を通じて、哲学・思想的アプローチに基づく総合的な理論研究を行う。
このうち
- 「生命の哲学」においては、前身となった「現代生命哲学研究所」の成果を引き継ぎ、脳死、安楽死、先端生殖技術といった現代社会における生と死をめぐる問題群について哲学的に接近することを目指す。
- 「サステイナビリティ」においては、主に環境・資源・防災・エネルギーといった問題群から要請される新しい社会モデルの構想に対して、人文・社会科学的視点からの貢献を目指す。
- 「平和学」においては、現代社会を代表する人間の諸問題のうち、戦争や兵器の問題、特に20世紀のホロコーストや核問題、構造的暴力といった問題群について哲学的に接近することを目指す。
- 「総合人間学」では、自然環境において形成された生物学的な「ヒト」としての側面と、社会環境において形成される社会的存在としての「人間存在」の側面を総合化することで、「人間(ヒト)」の本質を明らかにすることを目指す。
それらの研究を進める上で、以下の取り組みなどを行う。
- キャンパスセミナー:少人数で文献購読会、論文検討会、他領域ゼミ訪問などを行なう。(研究会メンバー限定)
- 中之島セミナー:中之島サテライト教室を拠点に、報告研究会、シンポジウム、公開講演会などを行なう。(一般公開)
- 合同研究会:関西・関東などの大学研究室・学会等において、本研究所と合同の研究会を開催する。また研究員がそれらの会合にて研究所の成果発表をする。(限定あるいは公開)
- 研究部会:本研究所の研究員数名が主体となり特定のテーマに基づいた研究部会を構成し、特定テーマにおける重点的研究を行う。(研究会メンバー限定)
また、本研究所に関連する講演会・市民公開講座に本研究所所員が企画参加・登壇し、研究成果の社会的還元を行なう。
近年では「現代人間学・人間存在論研究部会」が中心となり、環境哲学及び人間学の分野にまたがる哲学・思想的研究に積極的に取り組んでいる。研究成果については、学術誌「現代人間学・人間存在論研究」を通じて発表するほか、書籍刊行、資料公開等の形で市民・研究者に還元する。
研究所発行の日本語紀要
構成員
所長
上柿 崇英(現代システム科学研究科 准教授)
研究員
区分 | 教授 | 准教授 |
---|---|---|
現代システム科学研究科 | 遠藤 崇浩 酒井 隆史 吉田 敦彦 |
上柿 崇英 |
客員研究員
区分 | 役職 | 氏名 | |
---|---|---|---|
関西大学 | 文学部 | 教授 |
品川 哲彦 |
東京農業大学 | – | 非常勤講師 |
増田 敬祐 |
東京農工大学 | 農学部 | 非常勤講師 | 吉田 健彦 |
東京農工大学大学院 | 連合農学研究科 農林共生社会科学専攻 博士課程 | – | 丹羽 一晃 |
設立年月日
平成21年(2009年)6月1日
SDGsへの貢献
大阪公立大学は研究・教育活動を通じてSDGs17(持続可能な開発目標)の達成に貢献をしています。
本研究センターはSDGs17のうち、「11:住み続けられるまちづくりを」、「16:平和と公正をすべての人に」に貢献しています。
お問い合わせ
現代システム科学研究科 准教授 上柿 崇英
Eメール t-uegaki[at]omu.ac.jp
[at]の部分を@と変えてください。