放射線教育振興センター

設置目的

本研究所は広く市民に対する放射線知識の普及を行うことを目的とする。
未就学児から高校生まで、場合によっては学部学生、そして彼らの保護者と幅広い層に対して、わかりにくい放射線の概念を伝えていくためには、効率的な放射線教育コンテンツの開発が必要である。長年大阪府立大学が中心となり実施してきた「みんなのくらしと放射線展」(https://housyasen-fukyu.com/event/)では様々なテーマについて取り上げてきており、放射線教育のノウハウと、展示する装置の開発を行ってきた。今後も大阪公立大学として公式に「みんなのくらしと放射線展」に参加していくため、本研究所を設置する。

特に、中学校の理科の授業では以前からクルックス管が電子と電流の関係の説明に使われているが、2021年全面実施となった新しい学習指導要領ではその内容の取扱で「電流が電子の流れに関係していることを扱うこと。また,真空放電と関連付けながら放射線の性質と利用にも触れること。」と言う内容が新しく追加されており、中学2年で学習する内容であることから義務教育において全ての国民が放射線について学習する機会を得ることとなり、非常に大きな転換点となる。
しかしながらほとんどの教員自身は放射線に関する授業を受けておらず、知識が不足している。
さらに、クルックス管はレントゲン博士がエックス線を発見した際に使用した装置でありエックス線が放出されており、装置によっては15 cmの距離で、70μm線量当量率が 200 mSv/h にも達する場合がある。低エネルギーエックス線は測定が困難であり、現場の教員に対する技術的なサポートも必要である。
代表者は全国的なプロジェクトである「クルックス管プロジェクト」(任意団体)の代表として、また2019-2020年度の日本保健物理学会「教育現場における低エネルギーX線を対象とした放射線安全管理に関する専門研究会」主査としてもこの問題に取り組んでおり、大学と中高の教育現場を繋ぐ組織としても、本研究所が必要である。

研究内容の概要

 放射線知識普及を行う上で、「みんなのくらしと放射線展」を事業内容の中心とする。「みんなのくらしと放射線展」は、様々な放射線関係の団体((国研)日本原子力研究開発機構、(一財)電子科学研究所、(一財)日本原子力文化財団、(一社)大阪ニュークリアサイエンス協会、(公社)大阪府診療放射線技師会、(公社)日本アイソトープ協会、(一社)日本原子力学会関西支部、関西原子力懇談会(2023年度実績))によって構成される「みんなのくらしと放射線」知識普及実行委員会により運営され、昭和58年から40年以上にわたり延べ50万人以上の一般市民に放射線に関する知識普及活動を実施してきた。近年は大阪科学技術センターに於いて8月第一週の週末にイベント開催を行っており、2日でのべ2千人以上の来場を得ている。

本センターにおいて具体的に実施するイベントとしては、夏休みの時期に実施する小学生向けの展示ブース・工作教室、秋に実施する放射線教育関係者意見交換会及び高校生対象の放射線研究発表会「ハイスクール ラジエーションクラス」を実施する。実施に際しては「みんなのくらしと放射線知識普及実行委員会」に研究所代表者らが参加して学外の構成団体と調整をした上で資金配分などを行い、受託事業として本研究所が事業実施する。なお、実行委員会の構成団体である。

また、様々な中学・高校などからの訪問研修、出前授業や科学の祭典などについても本研究所が窓口となり放射線知識普及活動を実施する。

 クルックス管からの低エネルギーX線に関する放射線安全管理については、旧大阪府立大学のつばさ基金での特定プロジェクト「放射線教育振興プロジェクト」への寄付金により導入した長瀬ランダウア製OSL線量計測定システム「microStar」により、1cm 角のOSL線量計を郵送し、指定のプロトコルで測定後に返送してもらうことで、全国の教育現場の装置からの漏洩線量を正確に評価し、生徒、教員の安全確保に貢献する。さらに、大阪公立大学のふるさと納税による寄付制度 OMU基金を活用し、極めて少ない資金で教育を行う全国の中高の教育現場に対する放射線教育・安全管理に必要な機材の提供も含めて放射線教育の実施をサポートし、広く放射線に関する知識普及を振興する。

構成員

センター長

秋吉 優史(工学研究科 准教授)

研究員

区分 教授 准教授 助教
工学研究科 川西 優喜
松浦 寛人
秋吉 優史
朝田 良子
清田 俊治
理学研究科 白石 一乗

客員研究員

区分 氏名 備考(本務先など)

客員教授

古田 雅一 大阪公立大学 名誉教授

設立年月日

2024年(令和6年)4月1日

SDGsへの貢献

大阪公立大学は研究・教育活動を通じてSDGs17(持続可能な開発目標)の達成に貢献をしています。

本研究センターはSDGs17のうち、「4:質の高い教育をみんなに」、「7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに」、
「8:働きがいも経済成長も」、「9:産業と技術革新の基盤をつくろう」、「12:つくる責任つかう責任」、
「13:気候変動に具体的な対策を」に貢献しています。

お問い合わせ

工学研究科 准教授 秋吉 優史

Tel 072-254-9852 Tel 4221(内線)

Eメール akiyoshi-masafumi[at]omu.ac.jp

[at]の部分を@と変えてください。