院生・修了生の声 vol.1

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作田 大輔 さん

2009年度 (大阪府立大学)修士課程修了

 

1. この研究科に進学した動機を教えてください。

心理学に関心があったことと、専門職に就きたいという気持ちがあったので心理職に進む道があるこの研究科を選びました。ただ、進学した時点では、心理職に就くことを決めていたわけではなく、学部でしていた研究を続けていきたいという気持ちの方が強かったです。
同大学の学部から進学しているので、教員の先生方の人柄や雰囲気を知っていたことに安心感がありました。また、研究を進めるうえで、型にはめない自由さがあることも魅力を感じました。

 

2. 研究の内容を教えてください。

研究科在籍時は、青年期の在り方が従来の心理学モデルに当てはまらなくなってきているという視点から、自己感覚の希薄さに焦点を当てて現代的な青年期の課題がどのようなものであるかを研究していました。また、併設の心理臨床センターでは、子どもから成人の方までカウンセリングの担当をして臨床経験を積むことができました。
研究科修了後は、児童養護施設やスクールカウンセラー、医療機関などで勤務してきました。現在は精神科で勤務し、主に精神疾患を抱えている方を対象に臨床に従事しています。

 

3. 現代システム科学研究科に進学してよかったと思える点について教えてください。 

一つの学年の人数が少なく、縦横の関係から学びやすい環境だと思います。縦は教員の先生や先輩、後輩、横は同級生です。臨床心理学は、既存の理論や知識を学んで発展させていくという客観的な方向だけではなく、自分独自の感性や感じ方を反映させながら深めていくという主観的な方向も必要になります。
多種多様で個性的な人たちと研究のことや臨床のこと、日々感じることなど話し合うことで、自分にはない感性を知ることができました。そういう交流のなかで、自分なりの人間観が鍛えられ、臨床心理学をしていく土台を作ることができたと思います。それは今でも心理職として働くうえで活きています。

 

4. ご自身の研究が社会にとってどのような意味をもつのか、またご自身の研究から広がる可能性について教えてください。

心理職の資格が公認心理師として国家資格化されたことで、こころに関係する社会課題の解決が期待されている状況にあると思います。
人のこころに関わる職種はたくさんありますが、心理職は臨床心理学をベースにしているため、症状の緩和や行動の変容をターゲットにした治療から、個人の人生の意味といった実存的な問題への取り組みまで扱います。心理職が関わることで、クライエントのパーソナリティーや価値観まで視野に入れて望ましい援助を考えることができます。
必ずしもクライエントは自分の求めていることを言葉にしているとは限りません。臨床心理学の理論的な枠組みと共感的に理解しようとする感性を使って、言葉にはなりにくいニーズまで考慮に入れた支援を展開していくことができます。

 

5. この研究科に進学しようとする学生に対して何かメッセージがあれば教えてください。

この研究科は、臨床実践をすることに重きを置いていることが特色だと思います。ここで心理職として働くために必要な考えや心構えを学ぶことができました。それと同時に、自分の興味にしたがって研究ができる自由さと遊びもあって、視野を広げることもできました。
臨床に関わることには難しさや責任の重さもありますが、自分の関心を追及し続けられる楽しさと、学んだことをクライエントに還元できる良さもあります。心理職として働いていくためには、自己研鑽を続けていく必要があります。
修了生は、さまざまな領域で働いていて、勉強会や研修会を開いている人もいます。そのようなネットワークを活用して、修了後も学びを続けていきやすいこともこの研究科の強みだと思います。