5つの専門分野でめざす教育
インターネットや携帯電話などの情報システムは、 私たちのくらしを便利に、そして快適にしてくれます。 一方で、現代社会は複雑化・多様化が進み、一分野の 専門知識だけでは解決できない問題が各所で生じています。 「知識情報システム学類」は、最先端の知識科学と情報システム工学の基礎を身につけ、情報ネットワーク系、 社会科学系、 生産システム系、 ヘルスケア系、 人工知能系の複数の専門分野の知識を修得し、これらの知識と技術を駆使して、問題解決のための新しいシステムや未来のサービスを生み出せる人材を育成することを目標にしています。
情報ネットワーク系
インターネットや Webサービスなど情報ネットワークに関する基本的な知識や技術を身につけ、また情報システムの設計、企画・運営法、情報セキュリティなどの知識を持つ人材を育成しています。さらに機械学習やIoT(Internet of Things)、6G(第6世代移動通信システム)などの最新技術を理解し、これらを応用した新しい技術やサービスを創造する能力を養います。
生産システム系
ものづくりでは、グローバルな競争環境において、高品質で良い製品を、他社より安く早く供給するために高度な生産システム(製品を設計する組織や生産する工場)が必要となります。例えば、世界の地域ごとに異なる使い方まで考慮した製品設計や地域ごとの需要など諸情報が不確実な環境における生産スケジューリングなどが必要です。生産システムの設計、解析、制御、運用、管理に関する実践的な能力を持つ人材を育成します。
社会科学系
企業や自治体における情報システムの有効性に関する実証分析や、情報技術を利用した新しい制度(ネットオークション等)を作る理論分析手法、 POS データなどのビジネスやマーケティングに関するデータを解析し、組織の意思決定をサポートする理論やデータ解析手法などの知識をもった人材を育成しています。
ヘルスケア系
超高齢化社会の先頭を走るわが国は、世界に先駆けて、健康、医療、介護などの課題を解決していかなければなりません。そこで、知識情報システム学類で学ぶ基礎的な情報科学の知識や、他学類や他学域の最先端の技術を活用して、より健康で心豊かなヘルスケア社会の実現に寄与できる人材の育成を目指しています。具体的には、IoTによる生体データの収集・分析と活用方法、未病予防や健康経営手法における行動変容モデルの構築、ロボットやAR・VRなどのICTを活用した質の高い医療者教育システムの開発など実践的な活動の場を通して学びます。
人工知能系
インタラクション領域
ヒトに優しく賢い情報システムを開発する素養を身につけます。このためには、ヒトのことを人工知能がよく理解し、私たち1人1人に寄り添う対話(インタラクション)の中で、ニーズを汲み取り、知を引き出し高めてくれるような「ヒューマン・アウェア(human-aware)」な仕組みを実現できる能力を身につける必要があります。そのための知識科学、認知科学、知識モデリング技法、システム企画、開発方法を修得した人材を育成しています。
データ科学領域
従来の方法では解決できない社会問題を、システム思考に基づいてアプローチする一つの手段として、人工知能の技法を活用できる人材を育成します。人工知能の基礎知識や機械学習の理論的知識を学び、オペレーションズリサーチ等で、社会問題が数理的最適化問題として解決できることを実感します。これらの知識がモノづくりに生かされるよう、プログラミングの基礎学習と実践演習を行い、社会を最先端に導く土台を作ります。