学びの特徴

教育目標

経済学研究科には、21 世紀の新しい課題に立ち向かうことが問われています。
中国やインドの 2010年代における急激な経済成長は、リーマン・ショックやユーロ危機を経た国際経済における相互依存のいっそうの深化とその発展の可能性をもたらす一方で、米中貿易摩擦に代表されるような紛争のポテンシャルをも高め、世界経済の先行きを見通しにくくしています。
さらに、人工知能の進歩と情報通信技術の飛躍的な発展は、機械による一部の労働の代替を加速させ、それら技術を有効に活用する能力を人々に求めています。
また、地球温暖化に代表される気候危機は、「持続可能な成長」という既成の観念を超える革新的なエネルギー利用と経済発展の仕方を再構築することが現在問われています。以上のように、私達はありきたりの処方箋が通用しない時代を生きており、経済学は、他の諸科学とも協働しつつ創造的な政策提言を発していく使命を担っています。
大阪公立大学経済学研究科に問われているのは、グローバルな社会と地域社会が直面する諸課題への解決策を創造的に提案する能力を身に付けたエコノミストを社会に送り出すことです。
本研究科では、大阪市立大学・大阪府立大学の経済学研究科が重んじてきた少人数教育をよりいっそう重視します。教育目標として、さまざまな経済的諸問題を理論的・歴史的・思想的・実証的観点から扱い、とるべき政策について教育・研究し、高い倫理観のもと、グローバルな経済社会に貢献しうる実践的・創造的能力を備えた高度な専門的職業人や研究者の養成をめざします。そのために、経済学の分野における最先端の研究に不可欠な基礎を理解する能力はもちろんのこと、研究課題を自ら設定し、その課題のユニークな解決方法を見いだす主体的能力を育んでいきます。

学びの特徴:博士前期課程

経済学に関する最先端の専門的知識と分析能力を備え、国内のみならず国際的にエコノミストとして活躍できるよう、修士(経済学)の学位が社会において通用するように、4つの能力(①研究のための基礎学力②研究遂行のための高度な分析能力③解決策提案能力④社会に貢献する能力)を経済学の「基礎科目」に重点を置きながら、多様な「応用科目」を学び、論文を執筆することを通して身に付けます。
なお、博士前期課程では2つのコースを設けており、修士号を取得する「修士コース」と修士号を取得した後、博士後期課程に進学する可能性のある「博士コース(前期)」からなります。

獲得する能力

  1. 研究のための基礎学力
    カリキュラム:基礎科目(講義)
  2. 研究遂行のための高度な分析能力
    カリキュラム:4分野に大別される分野科目(講義・演習)
    修了論文指導(修士コース)、前期研究指導1・前期研究指導2(博士コース(前期))
  3. 解決策提案能力
    カリキュラム:修了論文指導(修士コース)、前期研究指導1・前期研究指導2(博士コース(前期))
  4. 社会に貢献する能力
    カリキュラム:修了論文(修士コース)、修士論文(博士コース(前期))

 

学びの特徴:博士後期課程

経済学に関する最先端の専門的知識と分析能力を備え、専門分野において研究者として自立した国際的な研究活動を行うことができるよう、博士(経済学)の学位が社会において通用するように、4つの能力(①高度な分析能力②独創的な発想力③研究発信能力④高い倫理観のもとで社会に貢献する能力)を「分野科目」の講義・演習(指導教員が提供する科目が望ましい)と3年にわたる「後期研究指導1」・「後期研究指導2」・「後期研究指導3」を通して身に付けます。

獲得する能力

  1. 研究遂行のための高度な分析能力
    カリキュラム:4分野に大別される分野科目(講義・演習)
    後期研究指導1・後期研究指導2・後期研究指導3
  2. 独創的な発想力
    カリキュラム:後期研究指導1・後期研究指導2・後期研究指導3
  3. 研究発信能力
    カリキュラム:博士論文
  4. 社会に貢献する能力
    カリキュラム:博士論文