研究科長/学部長挨拶

研究科長・学部長挨拶


文学研究科長・文学部長 佐賀 朝(さが あした)

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 皆さん、大阪公立大学大学院文学研究科・文学部のHPにようこそ。

 大阪公立大学大学院文学研究科・文学部は、大阪市立大学大学院文学研究科・文学部を前身として、2022年4月に発足しました。

 大阪市立大学は、明治時代の大阪商業講習所にその起源を有し、1928年に、当時、都市計画や都市社会政策の理論家・実践家として著名だった関一(せきはじめ)大阪市長の尽力によって、都市大阪の市民の大学として大阪商科大学に昇格した歴史を持ちます。そして、文学部は第二次世界大戦後の1949年、まず法文学部として出発し、1953年に文学部として独立し、同年には大学院である文学研究科も設置しました。今年は、文学部・文学研究科が独立して、ちょうど70年の記念すべき年にあたります。

 2022年4月、大阪市立大学は、大阪府立大学と統合し、大阪公立大学として再スタートしましたが、文学研究科・文学部は、大阪市立大学の研究科・学部の構成やカリキュラム、教員体制をそのまま継承しています。そこには、文学部・文学研究科が70年にわたり、人間や、人間が創り出した言語、文化、歴史、社会などを対象に、様々な方法に基づいて探究を続けてきた、よき伝統が息づいています。

 私たちは「文学部」という伝統的な一文字学部の良さを活かして人文・社会系の基礎学を維持する一方、新しい時代や社会の要請に応える形で、学際的で応用的な学問分野の開拓にも努めてきました。2019年度に従来の哲学歴史学科、人間行動学科、言語文化学科に加え、文化構想学科を開設したのもその現われの一つです。2020年度には、文学研究科にも、哲学歴史学専攻、人間行動学専攻、言語文化学専攻、文化構想学専攻の4専攻を設けて、基礎・応用両面にわたる充実した教育・研究環境を整えました。

 文学研究科・文学部では、予測不可能な時代、高度知識基盤社会、グローバル社会にあって、学生・院生の皆さんが、自身のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値ある存在として尊重できる人間に成長することを支援します。また、学生・院生の皆さんが、教職員とともに学ぶことを通じて、多様な人々と協働しながら、様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となれるような人づくりを目ざしています。

 科学技術の劇的な発展によって社会は大きな変化を遂げつつありますが、私たちを取り巻く世界や地域には、依然として戦争や貧困、階層や性差にもとづく格差や生きづらさが、未解決のまま山積しています。2022年に開始されたロシア-ウクライナ戦争は、人類の平和的な生存に努力してきた歴史を逆戻りさせるかのような、深刻な危機の到来を示しています。こうした現状を目の当たりにしている今こそ「人間とは何か」を、より多角的・根源的に追究する人文・社会系の学問の役割が強く求められています。

 本学の文学研究科・文学部のもう一つの特徴は、本当の意味での少人数教育です。学生・院生の皆さんと教員との距離がひじょうに近く、「時間と空間を共有しながら学び合うこと」を大切にしています。また、現実の社会に出てのフィールドワークや実践、生の一次資料を用いた分析・考察など、ホンモノとその手触りも重視しています。デジタルの様々なツールも活用しながら、同時に、「時間と空間の共有」や「ホンモノの手触り」を通じた教育や研究を、私たちは重視しているのです。

 生身の人間どうしの触れあいと、社会の現場で実践的に学ぶことができる教育・研究環境のもとで、人間について、多角的に、根源的に学ぶ――そのような場を用意して、学生・院生の皆さんを、心からお待ちしています。ぜひとも文学研究科・文学部におこしください。