言語文化学科

言語文化学科について

言語文化学科は、言語を通して人間にアプローチし、人間が作り上げた文化を探究します。わが国、アジア地域、欧米諸地域の文学や、思想関係の文献を読み、言語の姿や仕組みを考察します。また言語と関係する文化、たとえば演劇・音楽・映画なども分析の対象とします。こうした作業を通じて、人々がこれまで何を考えてきたか、現在何を考えているのか、そして今後どのような新しい考えを打ち出すのかを探ります。

コース紹介

 

国語国文学コース

国語国文学コースとは

長い歴史を有する日本語と、その言葉によって織りなされる古代以来の文学作品、前者を直接の研究対象とするのが国語学、後者とその周辺を扱うのが国文学、この双方を合わせて本コースは構成されています。
本コースの特色は、古典を重視するということです。この古典というのは、近代の文学も含まれます。古典作品を深く読み、そこに現代と通底するものを見出す、あるいは、現代とは異質で容易には理解しがたい考え方と対峙する、そういう中から、現代を生きる基盤というものを汲み取ることが重要だと考えています。また、現代の日本語も、歴史的な変遷を経ながらも、根幹部分を古典語と共有するところが多く、ふだん何気なく使っている言葉の奥行きに目を向けることが必要です。

国語国文学コースについて

 

国語国文学コースの学び

  • 2回生では、「国語学基礎論」、「国文学史A~D」によって、国語学、国文学の基礎的な事項を学び、「国語国文学講読A1・A2、B1・B2」において、文献や資料の扱い、その解釈などを、自ら調査・発表することを通して身につけていきます。なお、「国文学史A~D」は1回生から履修可能です。
  • 3回生では、「国語国文学演習A1・A2、B1・B2、C1・C2、D1・D2」において、自ら調査・発表することを通じて、国語学・国文学の具体的な研究方法をより深く身につけていきます。また、「国語国文学特講A~D」において、各分野の知識を深く学ぶことも推奨されます。
  • 4回生では、卒業論文に取り組みます。3回生の後期から具体的なテーマについて教員と相談を始め、 1年間をかけて、資料・データを収集し、作品を読み込み、諸論点の考察を深めて、全体の結論を導き出し、1つの論文にまとめ上げていきます。

メッセージ

本コースで重視しているのは、具体的な根拠に基づき着実に考察を展開させていくという実証的な研究姿勢の修得です。そのため、授業カリキュラムは、「国語国文学講読」や「国語国文学演習」といった演習形式の科目が中心になっています。古典を現代の常識から早呑み込みするのでなく、その時代の考え方や背景に即して理解するためには、じっくり文献と格闘することが是非とも必要になるのです。

国語国文学コースの刊行物

学術雑誌『文学史研究』(1955年創刊)を発行して、研究成果を公表しています。

国語国文学コースの関連リンク

 

中国語中国文学コース

中国語中国文学コースとは

中国は古くから日本にとって重要な隣国であり、様々な交流がありました。前世紀に不幸な歴史がありましたが、近年は政治・経済・文化・科学技術の各分野で、再び重要なパートナーとなっています。今後も相互交流はますます活発となり、重要度は増してゆくことでしょう。しかし、相互理解のためには、歴史や文化的な伝統を十分に理解することが肝要です。その国の言葉を学び、人々の考え方を知り、文学、演劇、映画などに親しむことによって、初めて深い相互理解に到達するのです。
また、中国は単に歴史が長いだけでなく、国土が広く地域性に富み、多くの民族が暮らしています。19世紀の半ば以降には、西洋文化の流入などによる著しい社会変化も生じています。こうした多様な文化が混じり合うるつぼのような状態は、今もなお継続しており、新たな中国の文化的伝統を産み出しつつあると言えます。こうしたことから、私たちのコースでは、変容をとげゆく中国文化の本質を多角的にとらえるため、中国の文化全般にわたる幅広い分野を教育・研究の対象としています。

中国語中国文学コースについて

 

中国語中国文学コースの学び

  • 2回生の学び
    基礎的な知識と実践力を身につけることを目指して、概論や基礎演習などの授業で全体的な知識や文献の読解力、辞書など工具書の使い方、および研究方法を学びます。
  • 3回生の学び
    2回生で得た専門領域に関する基礎的な知識と実践力を応用できるよう、各種の演習や特殊講義などでさらに専門的な知識や新しい研究分野などについて学んでいきます。
  • 4回生の学び
    これまで得た知識や実践力を活用し、卒業論文指導を受けながら興味のあるテーマを対象に研究を進め、最終的に卒業論文としてまとめて大学での学びを統括します。

メッセージ

もっとくわしい情報を得たい人は、中国語の時間などに専任教員をつかまえて遠慮なく尋ねてください。また、いつでも文学部の共同研究室を覗いてみてください。皆さんを「熱烈歓迎」してくれるはずです。

中国語中国文学コースの刊行物

中国語中国文学コースでは、卒業・修了生を主要な会員とする「中国学会」を組織し、その出版活動として、査読雑誌『中国学志』(1986年創刊)を年1回刊行しています。その功績が認められて2002年には「蘆北賞」を受賞しました。

中国語中国文学コースの関連リンク

 

英米言語文化コース

英米言語文化コースとは

英米文化、イギリス文学、アメリカ文学、および英語学を研究対象としています。本コースでは、専攻生が、これら4つの分野を対象とする学問的研究に必須な基本的知識を修得するとともに、実質的に「世界共通語」として機能している英語そのものの高度な運用能力を身につけることを目的とした教育・指導も行っています。

英米言語文化コース

 

英米言語文化コースの学び

2回生では英米文化・英米文学・英語学の全体像を把握するために概論を中心に受講し、3回生ではそうした知識をもとに演習によって英語読解力を磨いてください。4回生になると卒業論文作成が最大の課題です。過去2年間で培った英語力と論理的思考力を駆使して自分自身満足できるものを執筆してください。同時に、全学共通教育科目でAE科目としてTOEIC、TOEFL、Presentation等が提供されています。それらの科目を受講して英語の実践能力を高め、大学の交換留学制度や語学研修制度を利用して積極的に英米を始めとする英語圏で実体験を積み、将来、世界で活躍する人間になってください。

メッセージ

自分にあった分野の選択や卒業論文のテーマについては、専門科目の履修や研究を進める過程において自ずと明らかになるでしょうが、これについては、教員が個々に相談と指導に当たります。オフィス・アワーを設けていますので、いつでも研究室を訪ねてください。

英語英米文化コースの刊行物

『QUERIES』

「大阪公立大学英文学会」(前身は「大阪市立大学英文学会」)の機関誌として毎年『QUERIES』という学術誌が発刊されており、多様な研究の成果が公表されています。

英米言語文化コースの関連リンク

 

ドイツ語圏言語文化コース

ドイツ語圏言語文化コースとは

ドイツ語学およびドイツ、オーストリア、スイス、リヒテンシュタインを含むいわゆるドイツ語圏の文学や文化を研究対象としています。言語そのもの、また個々の文学作品や文化現象について理解するためには、歴史的事象や時事的な問題への目配りが必要不可欠です。本コースでは、語学力を養いつつ、学生それぞれの関心に沿って、この地域における言語文化的テーマを多層的多面的に考察する力を養います。

ドイツ語圏言語文化コースについて

 

ドイツ語圏言語文化コースの学び

  • 2回生の学び
    講義科目を通じ、専門分野の概論的知識を習得する。演習科目を通じ、初級レベルの語学力の定着を図る。
  • 3回生の学び
    中級レベルの語学力(コミュニケーション能力を含む)をつけるとともに、関心のあるテーマを選び、資料収集を行う。
  • 4回生の学び
    指導教員と2人3脚で、4年間の学びの集大成である卒業論文の作成に集中する。

※3年間を通じ、留学希望者にはさまざまなサポートが行われる。

メッセージ

ヨーロッパ大陸の中央に位置するドイツ語圏の国々は周辺諸国からさまざまな影響を受け、それぞれ独自の文化を培ってきました。世界や人間、文化や言葉をどう理解するのか、人間は矛盾に満ちた社会の中でどのように生きるべきかといった問いは、現代を生きる私たちにとって重要な問題です。異なる言語を学び、異なる文化圏の思考方法に触れることは、私たちに貴重な示唆を与え、未知の新しい発想へとうながしてくれることでしょう。

ドイツ語圏言語文化コースの刊行物

『Seminarium』

当教室の大学院出身者、院生、教員からなる大阪市立大学ドイツ文学会が年1回発行してきた学術雑誌です。大阪公立大学でもこの伝統は引き継がれます。ドイツ語学、ドイツ語圏文学・文化に関する論文および研究ノートを掲載しています。

ドイツ語圏言語文化コースの関連リンク

 

フランス語圏言語文化コース

フランス語圏言語文化コースとは

古代ローマのラテン語に由来し、世界史に深く刻まれた歴史と伝統をもつフランス語は、現在も世界中にひろがるフランス語圏の言語であり、英語に次いで世界で用いられる言語でもあります。そのフランス語の力をつけることを幹とし、そこから、言語と言語学習、文学、文化という枝を伸ばしていくのが本コースです。枝の先はさらに、アート、歴史、社会などに細かく分かれ、フランス語圏世界の多様な姿について、学び考えることができます。

フランス語圏言語文化コースについて

 

フランス語圏言語文化コースの学び

  • 2回生の学び
    専門演習等を通じてフランス語の比較的易しいテクストの読解・発音を鍛え、講義等を通じてフランス言語学や言語教育、フランス語圏文学、文化についての知識を身につける。
  • 3回生の学び
    フランス語圏に関する自分の関心を掘り下げるため、中級程度のフランス語力を鍛えつつ、演習を通じて資料収集や問いの立て方を試行し、自らの研究テーマについて学ぶ。
  • 4回生の学び
    卒業論文の中間発表と討議、論文作成のための資料収集や読み込み、検討・考察の作業を経て、自らの主張を説得的に他者に伝えうる論文を学びの集大成として完成させる。

メッセージ

フランス語圏世界は、ヨーロッパだけではなく、アフリカの半数の国、北米、中米、南米の一部、南太平洋のメラネシア、ポリネシアにも広がっています。また、空間だけでなく時間的な奥行き、たとえばフランス語の成立から国際語として普及するまでの経緯、思想や文学の展開と影響力、パリを中心とする文化大国としての長い歴史もあります。
この広大なフィールドの中で、自分の関心に応じていろんなアプローチができるのがフランス語圏言語文化コースです。フランス語圏社会の中の多様性に目を向けたり、ことばの習得や意思伝達の面からフランス語を考えたり、フランス語で紡ぎ出された文学の豊穣な深みを体感したり、あるいはフランスがもつ華やかな文化的イメージを探ったり……
世界の多様さと広がり・奥行きに触れつつ、異なる言葉や文化を探求することは、私たちが知らないうちに囚われている「あたりまえ」の枠を打ちこわし、より自由な精神を獲得しながら、人としてどのように生きることができるのかを問い直す力にもなるはずです。

フランス語圏言語文化コースの刊行物

『Lutèce』

フランス語圏言語文化コースの関連リンク