哲学歴史学科

哲学歴史学科について

われわれは何者なのか? どこから来て、どこへ向かって進んでいくのか? 新しい世紀を迎えて、従来の文化的・社会的伝統の克服がさけばれる今日このごろです。しかし、わたくしたち人間が歩んできた道のりがどのようなものであったのか、人間とは何者であるのか、を理解することなしには、わたくしたち自身の未来の明確なイメージを描くことは、決してできないでしょう。哲学歴史学科は、このような、いわば人間のアイデンティティーにかかわる根本的な問題について、ともに考えてゆくことをめざしています。

コース紹介

 

哲学コース

哲学コースとは

遠く古代ギリシアに起源を有する哲学は、およそ世界と人間に関わるすべての問題がそもそもどこから生まれてくるのかというもっとも根源的な問題を探究する学問です。哲学は大別すれば、存在論、形而上学、認識論、倫理学、宗教学、美学などに枝分かれすると考えられますが、本学の哲学コースではこれら諸領域のどれについても学生が十分に学ぶことができるよう強力なスタッフをそろえています。さらには、古代ギリシアから現代に至る哲学史の研究も行われているとともに、現代の最先端の問題に切り込む研究も活発に行われています。

哲学コースについて

 

哲学コースの学び

  • 2回生では主に、「哲学概論」「倫理学概論」「宗教学概論」「美学概論」「哲学史通論」などの講義を受講し、哲学に関する幅広い知見を身につけます。
  • 3回生になると、「哲学演習・講読」「倫理学演習・講読」「宗教学演習・講読」などの演習科目を履修して、哲学の各分野の基本文献を読解し、そこに含まれる問題について活発に議論し合いながら、哲学的思考を深めることが学びの中心となります。
  • 4回生では、卒業論文の作成が中心となります。哲学コースでは、丁寧な個別指導と、全教員が指導に関わることとを方針としており、各学生はたえず教員と密接な対話や議論を重ねながら、各自の卒業論文を完成させます。

メッセージ

「なぜ」という疑問を持つことが学問の、とりわけ哲学の第一歩です。疑問を直接ぶつける積極的な姿勢で授業に臨んでほしいと思います。哲学は幅も広く奥も深い学問ですから、万巻の書を読み、千里の道を行く気概がほしいです。読書が好きで、ものを考えるのが好きな人、世界と自分について多くの疑問を持っている人、こういう人々を「哲学コース」は歓迎します。

哲学コースの関連リンク

 

日本史コース

日本史コースとは

「日本史コース」では、わたしたちの自国史である日本のことを学びます。本コースの教員は5人で、古代、中世、近世、近現代と考古学の分野をカバーしていますので、学生のみなさんが日本の歴史のどの時代の何を勉強しようと思っても対応できます。卒業論文では毎年、各時代における、政治史、社会史・都市史、民衆史、生活史・文化史などのテーマがあつかわれています。大学院に進学を希望する学生が多いのも本コースの特徴です。

日本史コースについて

 

日本史コースの学び

過去の歴史を史料(考古学の資料を含む)に基づいて考えるには、史料の読み方・扱い方を身につけるとともに、これまでの研究の蓄積を知らねばなりません。

  • 2回生では、概論・基礎論・通論から入り、基礎講読・講読では主に史料読解について学びます。
  • 3回生では、演習で研究史を学び、特講では研究の最先端を理解できるようになります。
  • こうして次第にレベルを高めて学修してゆき、4回生で卒業論文の作成にいたります。

 

このように丁寧かつシステマティックに日本史学を学んでゆけるカリキュラムを用意しています。

メッセージ

日本史コースでは、合同調査合宿(和泉市教育委員会と連携)、各時代ごとの研究会や現地見学会など多彩な催しを通じて、教員、大学院生、学生が日常的に共同研究する場をもっています。大学で学ぶ日本史の広さ、深さを体感してください。

日本史コースの刊行物

『市大日本史』

大阪市立大学日本史学会は1998年5月に発足し、学術雑誌『市大日本史』を刊行してきました。年1回の大会時の講演・研究報告、投稿論文、合同調査の報告などを掲載しています。大阪公立大学の開学にともない、学会・学会誌ともにリニューアルし、一層の発展をめざします。

日本史コースの関連リンク

 

世界史コース

世界史コースとは

「世界史コース」では、(A)東洋史、(B)西洋史の2つの分野のいずれかに重点をおいて学びます。それぞれ研究の状況、史料の性質・扱い方が違いますが、どの分野でも卒業論文の作成にむけて、しだいに程度を高めて勉強していけるように、授業科目を用意しています。

世界史コースについて

 

世界史コースの学び

  • 2回生からは「東洋史」、「西洋史」のそれぞれのコースカリキュラムに従い、「東洋史・西洋史」の基礎講読、「世界史・東洋史・西洋史」の講読・通論を選択し、史料・研究論文を読む力や世界史に関する高度な知識を身に着けます。
  • 3回生からは以上の科目に加えて「世界史・東洋史・西洋史」の演習・特講を選択し、より高度な史料・研究論文を読み、分析する力や最先端の世界史に関する研究成果を学んでいきます。
  • こうした授業科目を習得したのち、4回生からは卒業論文を作成するために卒業論文演習の授業を取りながら最終的に卒業論文を書き上げることとなります。

メッセージ

「講読」「演習」「卒業論文演習」では、教員から直接指導を受ける機会が増えます。そのような少人数教育の利点をいかせるように、教員との関係を密にもってください。そのために、「世界史コース」、歴史学教室の行事に積極的に参加してください。まずは、例年5~6月に行われる「新歓ハイキング」(日帰り)に、参加してみてください。教室の「実態」がわかります。また、文学部棟2階220号室が歴史学学部指導室、213号室が西洋史学院生指導室、215号室が東洋史学院生指導室です。気軽に入って、学部学生・大学院生から「生の情報」を得てください。コース決定にあたって、きっと役立つことでしょう。

世界史コースの関連リンク