人間行動学科

人間行動学科について

情報化や国際化の波を受けて大きく変化していく今日、心の世界、人と人とのつながり、人と自然との共生といったことへの関心が高まっています。このような時代にあって、人間行動学科では、観察・調査・実験といった科学的方法に基づいて、人間の行動、われわれをとりまく社会・環境、そして両者のかかわりについて、さまざまな角度から明らかにしています。人間行動学科では、各コースそれぞれの学問分野を中核としながらも、それらを有機的に結びつけた独自のカリキュラムを提供することによって、「人」とその「環境」の複雑さを、さまざまな視点から理解していくことのできる人材の育成をめざしています。

コース紹介

 

社会学コース

社会学コースとは

私たちの目の前で起きている身近な出来事は、社会のあり方やその変化と繋がっています。家庭や学校で経験するやりとりやしんどさは、社会の大きな制度やつくられ方に由来していたりもするのです。「社会ってこういうもの」という「常識」をときに引っくり返しつつ、自分もその一員である社会の姿を丁寧にとらえ、社会のあり方と目の前の出来事との繋がりを「見える化」するための視点と方法を学ぶのが「社会学コース」です。

社会学コースについて

 

社会学コースの学び

  • 2回生の学び
    概念や理論といった社会を腑分けするためのツールと、問いに答えるために必要なデータを集め、さばくための知識を身に着けます。
  • 3回生の学び
    人々の生活の現場に学びつつ、社会学的に調べ、分析し、報告するための一連のプロセスを、年間を通じて実習します。
  • 4回生の学び
    社会学の方法を用いて自分の関心のあるテーマについて探究し、卒業論文としてその成果をまとめます。

メッセージ

私たちの経験は社会のあり方と繋がっていますが、それは、同じ社会に生きていれば皆同じ経験をしているという意味ではありません。同じ社会で、自分とは異なる経験をしている人々を知り、それはなぜかを社会のあり方に照らして考えること。そうやって自分には見えていなかった人々の経験と人生について理解を深め、「他者とともに生きる」上でのものの見方と作法を会得することも、社会学を通じた大切な学びの1つです。

社会学コースの刊行物

オンラインジャーナル『市大社会学』

社会学教室では、大学院生の研究発表の媒体として、2000年より査読付き論文誌を発行しています。これまで多くの院生が、全国学会誌・専門学会誌に投稿する前のトレーニングの機会として活用し、研究のステップアップにつなげています。

※大阪市立大学時の創刊のため『市大社会学』という名称を使用しています。

社会学コースの関連リンク

 

心理学コース

心理学コースとは

「心理学コース」では、生理、学習、認知、発達、社会、性格といった、心のはたらきのさまざまな側面について学びます。ただし、本コースでは、臨床心理学の分野で扱う問題(心の問題を抱えた人々に対する診断・治療など)については、研究・教育を行っていません(臨床心理学についての研究・教育は、生活科学部と現代システム科学域で行われています)が、将来、大学院あるいは社会において臨床心理にたずさわることを目指す人にとっても、本コースで心理学の基礎的な知識・方法を学ぶことは、とても有益であるといえましょう。

心理学コースについて

 

心理学コースの学び

  • 2回生では心理学の各分野の基本的課題について実験・調査を行う「心理学実験演習1・2」と、データ解析の基礎を学ぶ「人間行動学データ解析法1・2」を履修します。
  • 3回生では皆さん自身の関心に基づいて研究テーマを選び、実験・調査を行ってレポートをまとめる「心理学研究演習1・2」を履修します。また、高度なデータ解析法を学ぶために「人間行動学データ解析法3・4」を履修します。
  • 4回生では「卒業論文」を作成しますが、その作成にあたって、指導教員によるきめこまかな指導に加えて、全教員・大学院生ならびに仲間たちからのアドバイスを受ける機会として「卒業論文指導会」を年3回開催しています。

メッセージ

近年、「心理学」という言葉やトピックスの面白さだけから本コースを希望してくる人の中には、授業内容が予想と違うとして他コースへ転じるケースも出ています。世間ではいまだに、心理学を学べば(研究すれば)たちどころに人の心がわかるようになる、という類の誤解が強いようです。心のはたらきという複雑な現象は、一朝一夕に解明されるというものではありません。心のはたらきについての確実で客観的な知識体系を作りあげるために、実験・調査・観察を地道に積み重ねていくこと、それがわたしたちが行っている心理学研究にほかなりません。心理学という学問について正しく理解した上で、コースを決定されるよう希望します。質問・相談があれば、本コースの教員・大学院生・学部生のだれにでも、遠慮なく声をかけてください。

心理学コースの関連リンク

 

教育学コース

教育学コースとは

教育学コースでは、人生の全体を視野に入れて、学校数育と学校外教育の両面にわたる思想―制度―実践について、実証的に研究することを大事にします。具体的には、教えることや学ぶことの本質、教育の思想、カリキュラムのあり方やその開発・評価の方法、授業実践のあり方、教育思想・制度・方法・実践・文化の歴史や比較、高等教育、教職と教師教育、教育の情報化、国際教育、インフォーマル・ノンフォーマルな教育などの諸研究です。

教育学コースについて

 

教育学コースの学び

2年次は、人生の全体を視野に入れて、教育学概論や教育方法学、教育学実習、教育学演習、教育学研究法などを学びます。3年次は、学校数育と学校外教育の両面にわたる思想―制度―実践からとらえるため比較・国際教育学、教育史、教育行政学などを学び、演習や研究法をさらに深め実証的な研究能力を身につけます。これら多角的な視野をもって4年次は、自らの関心をとらえ直しそれを教育学研究として卒業論文へ集大成できることが目指されます。

メッセージ

教育学教室の研究室等は文学部棟1階にあります。コース所属の学生は「教育学共同研究室」(146)を利用できます。授業準備や学生同士の歓談の場として、また、学生の活発な交流、情報交換の場として利用してください。また、教育学および隣接領域の事典、統計書、白書等が豊富に揃っています。百科事典や辞典も揃えてあります。教育学関係の新着雑誌もあります。また、「教育学資料室」には、全国の都道府県教育史(出版されているものはほとんど網羅)をはじめ教育史関係の文献があり、この部屋も利用できます。「教育学大学院指導室」は、大学院生が研究するための部屋ですが、学部生がよく相談などに訪れる部屋です。

教育学コースの刊行物

『教育学論集』

『教育学論集』は大阪市立大学文学部教育学教室の学術雑誌として1975〔昭和50〕年に創刊されました。第29号(2003〔平成15〕年)からは「編集規定」を明文化し査読制度を導入しました。また、2011〔平成23年〕年度の大阪市立大学教育学会の発足に伴い、第38号からは、大阪市立大学教育学会『教育学論集』第1号(通号38)となり、さらに2022年度からは学会も大阪公立大学教育学会(仮称)へと発展します。

教育学コースの関連リンク

 

地理学コース

地理学コースとは

私たちの行動は周辺環境(自然環境/社会環境)の影響を受けつつ、それらの周辺環境に影響を与えてもいます。地理学は、そうした人間活動や社会活動とそれを取り巻く「空間」や「場所」「景観」などとの関係性について考えます。その際、数値情報や地図情報をコンピュータで分析・処理する技術(地理情報システム)を駆使すると同時に、実際に「現場」に出ての調査(フィールドワーク)も重視しています。教員・学生の研究対象地域は、身近な大阪周辺から、農山漁村、世界各地のフィールドまで広がっており、テーマも政治、文化、経済、情報、災害、貧困、情報など、多岐にわたります。

地理学コースについて

 

地理学コースの学び

  • 2回生では「地理学概論」「地誌学」「地理情報学」等の講義で地理学や地域研究の基礎と特質を学ぶとともに、「地理学実験実習」「地理学野外調査実習」を通じてGISを用いた分析および野外でのフィールドワークの訓練を受けます。
  • 3回生では講義の受講とフィールドワークを継続しつつ、「地理学演習」や「地理学講読演習」等で国内外の最先端の研究動向に関する知見を深めます。
  • 4回生は「卒業論文」の作成が中心となります。丁寧な指導を通じて、それぞれ独自性の高い論文を執筆します。

メッセージ

本コース専攻を希望している人、考慮している人は、学部学生・大学院生・教員が常時詰めている地理学情報処理室(文学部増築棟3階359室)に気軽に来室して、 見学したり、いろいろな相談をもちかけてください。

地理学コースの関連リンク