宮堺 陽一さん

一人で考え切る習慣は仕事にも役立っています

宮堺 陽一さん

大阪府立大学大学院理学系研究科 数理科学専攻 博士前期課程修了 株式会社オプテージ(旧ケイオプティコム) 2年目

2つの専門を持つ強い社会人になるために

私は大学院では純粋数学寄りの代数学を学び教員免許も取得していましたので、就職先としてはシステム系企業でのプログラミングを行うSE職か教員の道が一般的だったと思います。しかし大学の講義で聴いた「専門が二つあると強い」という言葉が頭にずっと残っており、就職を機に数学以外にもう一つ専門をつくるのもありかと思い、通信ネットワークサービスを提供する株式会社オプテージに就職しました。就活ではSE職、通信ネットワーク関連企業に加えてメーカーの方にもお会いしていろいろな話をお聞きしました。最近はビッグデータ解析やAI関連人材への社会的ニーズが高いので、数学科出身の学生は比較的歓迎されている雰囲気でした。

宮堺さんインタビューシーン

見えないところで社会インフラを支える

オプテージ入社を決めたポイントは、インターンシップで感じた社員の活気と通信インフラを支える使命感。社員の方たちがサービスの安定供給に努めているおかげで、自分がサクサク通信を使えていることに気付き、かなり感動。社会インフラを見えないところで支える仕事ってかっこいいなと思いました。
入社後は、何百箇所もある通信局舎で使用される電源設備工事の設計・工程管理業務を担当しています。例えば、通信機器を増やすにあたりどれだけの電力が必要なのか、どこにどんなUPS(無停電電源装置)を置くべきか検討して工事会社へ依頼したり、古くなった電源設備を交換するにあたり、どういう工法で交換すればサービス停止がないかを検討しています。

オプテージ前の宮堺さん

一人で考え切るチカラは仕事にも生きている

数学とは意外と体力勝負の学問で、最後の粘りが効いてきます。「わからないことを納得できるまで一人で考え切る」ことが求められるのです。実際、修士論文の証明に約半年かかったことも、今となっては楽しい思い出ですね(笑)。こういった経験は今の仕事にも役に立っています。私が担当している電源設備関連工事では、一歩間違えるとケガでは済まない危険なことがたくさんあります。そんな工事に従事していただく方の安全性を確保するには、設計や工法を徹底的に納得いくまで吟味する必要があるからです。
入社2年目の今は、目の前にある仕事を納得いくまで徹底的に身に着けたいと考えています。そして、電源装置や光信号についての専門知識を身につけて、通信インフラのスペシャリストを目指したいと思っています。

今でも楽しむ数学は、魅力的だがよく分からない

私は中学2年の頃にポアンカレ予想とそれを解決した数学者をTV番組で知り、数学の世界に入り込みました。内容は理解できませんでしたが、なんだか魅力的で「大学の数学科に進めばこんなことができるのか!」と感じたことを今でも覚えています。数学科の人たちは本当に数学好きばかりで、街の喫茶店で会っても自然と数学の話題が出る感じで、数学好きにはたまらない環境でした。私は社会人になってからも時間のあるときは、数学の本を読んで紙と鉛筆を出して証明したりして楽しんでいます。
魅力的だけど、難しくていつまでもよく分からないのが数学ですね。

教壇に立つ宮堺さん

新大学は学生と研究者が対峙する機会の創出を

学生が研究者と1対1で対峙する機会があれば、研究者の思考回路を体感でき一方的な講義よりも大きく成長するはずです。私自身がそうでした。そういう意味で、新大学理学部は学生を研究者へ叩き上げるような、学生が研究者を身近に感じる機会をたくさん創って欲しいです。

学生時代の宮堺さん

女性と宮堺さん

株式会社オプテージってこんなところ

株式会社オプテージは、通信インフラを日々安全に、安定した品質でお届けするために、より高度な運用保全やサービスの充実に取り組んでいる、関西電力株式会社のグループ企業です。関西一円に広がる独自の光ファイバーネットワークを基盤に、高速・高品質な情報通信サービス「eo光」や、全国で提供している携帯電話サービスの「mineo(マイネオ)」を提供しています。さらには、システム開発・運用・保守といったSIer(エスアイヤー)の側面も持ち合わせており、総合的な情報通信企業として事業を展開しています。