伊藤 昌輝さん

一人で考え切る習慣は仕事にも役立っています

伊藤 昌輝さん

大阪市立大学大学院 理学研究科 後期博士課程 物質分子系専攻 錯体化学研究室 (現在の複合分子化学研究室) 住友化学株式会社勤務

人々の生活を豊かにする技術を生み出したい

住友化学株式会社の石油化学品研究所で、ポリプロピレンやポリエチレンなどの汎用プラスチックを合成する触媒の研究・開発を行っています。プラスチックは、自動車のバンパーや家電製品、レジ袋や不織布マスクなどの身近な生活用品から、各種工業製品まで幅広く使用されており、それらを生産する触媒技術には、生産効率をより高く、環境や人体への負荷を小さく、コストをより安価になど、ユーザーの幅広いニーズに応えることが求められます。最新の科学をベースに日々新たな技術の確立に取り組んでおり、さまざまな産業の礎となる大規模プラントに、自分の作った技術が適用されることは大きなやりがいです。これまでに培った知識や経験を生かして、少しでも人々の生活を豊かにできるような技術を生みだしていきたいと思います。

伊藤さんインタビューシーン

密な指導で、研究者としての土台を築けました

化学の道を志したのは、奈良工業高等専門学校への入学がきっかけです。小さい頃から理科が得意で、学校見学の際に、化学反応を起こさせる大きな装置が稼働しているのを見て、「かっこいい。こんな装置を使って実験をしたい」と思いました。卒業後、物質の根本を原子や分子レベルから理解し、活用できる研究者になりたいと思い、大阪市立大学理学部の3年次に編入学しました。4年次からは、錯体化学研究室で、触媒を使った新しい有機合成反応を見つける研究に取り組みました。所属研究室の先生に丁寧な指導をいただき、研究者としての土台を築くことができたと感謝しています。理学部で学んだ化学の基礎知識と、大学院進学後に身につけた研究スキルは、企業での研究業務に大いに役立っています。

伊藤さんインタビューシーン2

教壇に立つ伊藤さん

2度の海外経験で、グローバル人材に前向きに

研究室在籍中には、単身でスウェーデンとニュージーランドの研究室を訪問し、英語やグローバル人材に対して前向きにとらえられるきっかけになりました。スウェーデンへは、先生の勧めで訪問し、英語で1時間の講演を行ったのですが、英語が苦手な私にとっては準備が大変で、何時間も部屋にこもって原稿をひたすら覚え、日常会話も必死に勉強しました。このとき研究者にとっても英語は欠かせないものであると痛感し、次は自分の意志で、ニュージーランドの先生に相談し、オークランド大学で3週間の研究留学を経験させていただきました。周りに日本人は一人もおらず、英語が分からないと研究は疎か、バスにも乗れない、コインランドリーも使えないという環境に飛び込んだおかげで、リスニング力とコミュニケーション能力はずい分鍛えられました。当社はアジア・アフリカ圏を含めグローバルにビジネスを展開しており、研究職においても今後、英語力や異文化理解をはじめとしたグローバルなコミュニケーション能力はますます求められると考えています。

伊藤さん会話風景

海外の仲間と映る伊藤さん

将来につながる学びができる大学選びを

先生との距離が近く、良質かつ丁寧な教育を受けられたことが、大阪市立大学で学べて良かったと思う一番のポイントです。学生同士の仲も良く、互いに刺激し合いながら研究に取り組めました。新大学になっても、この雰囲気は維持してほしいと思います。そして、高校生の皆さんは、何がしたいかを早めに定め、将来につながる学びができる大学を選んでください。化学が好きとか、私のように実験装置がかっこいい、といった漠然とした目的で良いと思います。大阪公立大学で存分に学び、その成果を社会で生かし活躍されることを願っています。

伊藤さんインタビューシーン3

住友化学株式会社ってこんなところ

住友化学株式会社は、「豊かな明日を支える創造的ハイブリッド・ケミストリー」をコーポレートスローガンに、石油化学、エネルギー・機能材料、情報電子化学、健康・農業関連事業、医薬品の5事業分野にわたり、幅広い産業や人々の暮らしを支える製品をグローバルに供給しています。
石油化学品研究所は、事業の維持・拡大のため、研究効率とスピードを追求したポリマーの開発、触媒や製造プロセスの開発・改良、構造解析などを行っています。より高性能かつ高機能なポリマー材料を目指し、開発を支える基盤技術の質を高め、最新の科学をベースとした技術の確立や、新たな研究テーマの創出を目指しています。